監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。


実家や空き家になった木造二階建てを解体するとき、最初に知りたいのは「結局いくらかかるのか」だと思います。二階建ては日本の戸建てでいちばん多い形ですが、同じ坪数でも、立地や付帯物で総額は大きく変わります。
この記事では、木造二階建ての解体費用の目安を坪数ごとに示し、平屋との違い、見積もりで金額が増えやすい項目、費用を抑える方法を整理します。
全体の考え方は木造住宅の解体費用の相場と坪単価で整理しています。
解体費用の概算は「坪単価×延床面積」で出します。延床面積は、1階と2階の床面積を足した広さです。当サイトでは、木造家屋の本体の解体費を坪単価3万〜6万円程度で案内しています。これを坪数ごとに当てはめると、次のとおりです。
| 延床面積 | 建物本体の解体費の目安 | よくある間取りの例 |
|---|---|---|
| 25坪(約83㎡) | 75万〜125万円 | 2LDK〜3LDKのコンパクトな家 |
| 30坪(約99㎡) | 90万〜150万円 | 3LDK〜4LDKの一般的な家 |
| 35坪(約116㎡) | 105万〜175万円 | 4LDK前後 |
| 40坪(約132㎡) | 120万〜200万円 | 4LDK〜5LDK、二世帯の一部 |
| 50坪(約165㎡) | 150万〜250万円 | 二世帯住宅、古い大きな家 |
この表は、あくまで建物本体を壊して運び出す費用の目安です。実際の見積もりでは、ここに付帯工事と諸経費が加わります。坪数ごとのくわしい内訳は、次の記事にまとめています。
同じ延床面積で比べると、二階建てのほうが平屋より割安になりやすいのが一般的です。理由は、基礎と屋根の広さにあります。
延床30坪の家を例にすると、平屋は1階だけで30坪あるので、基礎も屋根も約30坪分あります。二階建てなら1階は約15坪で済み、基礎と屋根の面積はおおむね半分です。基礎のコンクリートを壊して運び出す作業は手間がかかり、量も多いので、この差が費用に出ます。
| 比べる点 | 平屋(延床30坪) | 二階建て(延床30坪) |
|---|---|---|
| 基礎の面積 | 約30坪 | 約15坪 |
| 屋根の面積 | 約30坪 | 約15坪 |
| 足場と養生 | 低くて済む | 高さのぶん多く必要 |
| 費用の傾向 | 基礎と屋根の量が多く割高になりやすい | 足場は増えるが、全体では割安になりやすい |
ただし二階建ては、高さがあるぶん足場と防音シートの範囲が広くなります。隣の家が近い場所では、2階部分を手作業で壊す範囲が増えることもあります。
坪単価の幅(3万〜6万円)のどこに入るかは、主に立地で決まります。同じ延床30坪の木造二階建てでも、次のような違いで見積もりが変わります。
狭い土地や斜面地の解体については、東京の狭小地の記事や神奈川の狭小地・斜面地・谷戸の記事でくわしく解説しています。
木造二階建ての見積もりで、本体費以外によく出てくる項目です。どれが入っているかで総額が大きく変わるので、見積書を並べて確認してください。
| 項目 | 内容 | 増えやすい家 |
|---|---|---|
| 付帯工事 | ブロック塀、門扉、庭木、庭石、カーポート、物置などの撤去 | 庭が広い家、外構が多い家 |
| 残置物の処分 | 家具や家電、生活用品の処分 | 荷物が残ったままの空き家 |
| アスベスト対応 | 事前調査と、含まれていた場合の除去 | 古い屋根材や外壁材を使った家 |
| 手壊しの加算 | 重機が入れない部分を人の手で壊す費用 | 前の道が狭い家、密集地の家 |
| 小運搬費 | トラックの止められる場所まで廃材を運ぶ費用 | 旗竿地、坂や階段の上の家 |
| 地中障害物 | 古い基礎や浄化槽など、地中から出た物の撤去 | 建て替えを繰り返した土地 |
見積書の内訳の読み方は、解体工事の費用内訳の記事で、追加請求を防ぐ確認点は見積もりトラブルの記事でくわしく解説しています。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 建設リサイクル法の届出 | 延床面積の合計が80㎡以上の建物を解体するときに必要です。延床30坪(約99㎡)の家なら対象になります。工事の7日前までに届け出ます |
| アスベストの事前調査 | 建物の解体では、規模にかかわらず事前の調査が必要です。一定規模以上は結果の報告も必要です |
| ライフラインの停止 | 電気・ガスは解体前に停止と撤去を依頼します。水道は工事で使うことがあるので、業者と相談して止める時期を決めます |
| 建物滅失登記 | 解体が終わってから1か月以内に、法務局で行います |
一般的な木造二階建ての解体は、準備から整地までおおむね1〜2週間ほどが目安です。建物の大きさ、重機が入るか、アスベストの有無、天候で前後します。
建物の構造と広さ、前面道路、付帯物を見てもらいます。複数の業者に見積もりを取ると、金額の妥当さが分かります。
建設リサイクル法の届出やアスベストの調査を済ませ、工事の前に近隣へあいさつをします。
足場と防音シートで周りを囲み、窓や内装材、設備を先に取り外して分別します。
屋根、2階、1階の順に壊し、最後に基礎を掘り起こします。廃材は種類ごとに分けて運び出します。
地中に残った物がないか確認して土地をならします。工事が終わったら1か月以内に建物滅失登記をします。
工期のくわしい目安は木造解体工事の工期の記事、各段階でやることは解体工事の流れの記事にまとめています。
家が建っている土地には、固定資産税を軽くする「住宅用地の特例」が使われています。家を解体して更地にすると、この特例が使えなくなり、土地の固定資産税が上がることがあります。
固定資産税は、毎年1月1日時点の状態で決まります。年をまたいで更地のままにするか、年内に建て替えの工事を始めるかで、翌年の税額が変わることがあります。解体の時期は、建て替えや売却の予定とあわせて決めるのがおすすめです。くわしい扱いは、土地のある市区町村の資産税の窓口で確認してください。
補助金は地域ごとに制度が違います。東京都、神奈川県、埼玉県の記事で市区町村ごとの制度をまとめています。
建物本体の解体費は、坪単価3万〜6万円で計算すると90万〜180万円が目安です。ここに付帯工事や諸経費が加わるので、総額は見積もりで確認してください。
同じ延床面積なら、二階建てのほうが割安になりやすいのが一般的です。基礎と屋根の面積が平屋のおおむね半分で済むためです。
2階だけを減らす減築や、離れだけを壊すこともできます。ただし構造の補強が必要になることがあるので、解体業者と工務店の両方に相談してください。
建物の解体では、アスベストの事前調査が必要です。古い屋根材や外壁材に含まれていることがあり、見つかった場合は除去の費用が加わります。見積もりの段階で調査の費用が入っているかを確認してください。
木造二階建ての解体費用は、建物本体で坪単価3万〜6万円×延床面積が目安です。総額は付帯工事と諸経費、そして立地で大きく変わります。平屋より割安になりやすい一方、足場や手壊しの範囲で差が出るので、現地調査を受けたうえで複数の見積もりを比べてください。