監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。


RC造の5階建てを解体する費用は、建物本体で坪6万〜10万円が目安です。延床150坪なら900万〜1,500万円、300坪なら1,800万〜3,000万円になります。ビルやテナントが入る建物が多く、金額だけでなく、古い電気設備の確認や工事の届出にも時間がかかります。
5階建ては敷地に余裕がなければ階上解体を選ぶことが増える高さです。この記事では延床別の早見表のあとに、工法、見落としやすい有害物、手続きと工期を整理します。
監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

全体の考え方は鉄筋コンクリート(RC造)の解体費用の相場で整理しています。
概算の出し方は他の階数と同じで、延床面積に単価を掛けます。5階建てはフロアごとの面積が違うことがあるので、図面か登記事項証明書で各階を足してください。
| 延床面積 | ㎡の目安 | 本体解体費の試算 |
|---|---|---|
| 100坪 | 約331㎡ | 600万〜1,000万円 |
| 150坪 | 約496㎡ | 900万〜1,500万円 |
| 200坪 | 約661㎡ | 1,200万〜2,000万円 |
| 250坪 | 約826㎡ | 1,500万〜2,500万円 |
| 300坪 | 約992㎡ | 1,800万〜3,000万円 |
| 400坪 | 約1,322㎡ | 2,400万〜4,000万円 |
解体工事に定価はなく、公的機関が全国の坪単価を公表しているわけでもありません。ここでの坪単価は、見積もりを読むための当メディアの目安です。階数が同じでも、用途や地下の有無、敷地と道路の条件で実際の金額は大きく動きます。
5階建てのビルは1階に店舗、上階に事務所や住戸という複合用途が多く見られます。用途ごとに内装の量が違うので、1階は厨房と排気設備、上階は間仕切りと天井というように、フロア単位で撤去の内容を確認すると見積もりの精度が上がります。

5階建てでは、敷地に余裕がなければ、屋上にクレーンで重機を上げ、上の階から順に壊す階上解体を選ぶことが増えます。地上解体が使える敷地なら、大型の長いアームの機械で届く高さか確かめます。
階上解体で費用が増える理由は、次の工程が加わるからです。
労働安全衛生規則は、高さ5m以上のコンクリート造の工作物を解体する事業者に、事前の調査と、作業の方法や順序、機械の種類と能力、倒壊や落下を防ぐ方法を示した作業計画を求めています。階上解体を提案された場合は、床の補強とがらの降ろし方がどう計画されているかを説明してもらいましょう。
使う機械は圧砕機が中心で、基礎のように厚い部分にはブレーカー、音や振動を抑えたい場所にはカッターやワイヤーソーを組み合わせます。工法の比較はRC造の解体費用の表で確認できます。
建物の高さが31mを超えると、労働安全衛生法の計画届が工事開始の14日前までに必要です。多くの5階建ては31m未満ですが、塔屋や階高によって確認が要ります。一方、高さ10m以上の足場を60日以上設置する場合は、工事開始の30日前までに足場の計画届を出すことになっています。
| 手続き | 対象 | 期限 |
|---|---|---|
| 足場の計画届 | 高さ10m以上で、設置期間が60日以上の足場 | 工事開始の30日前まで |
| 建設工事計画届 | 高さ31mを超える建築物の解体 | 工事開始の14日前まで |
| 建設リサイクル法の届出 | 床面積の合計80㎡以上の解体 | 着手の7日前まで |
| 特定建設作業の届出 | 指定地域でブレーカーなどを使う作業 | 作業開始の7日前まで |

5階建てのビルで見落とされやすいのが、照明器具や受変電設備の中のPCBです。環境省と東京都の案内によると、昭和32年1月から昭和47年8月までに国内で製造された照明器具の安定器にはPCBを使ったものがあり、昭和52年3月以前に建築や改修をした事業用の建物は確認の対象になります。一般住宅の居室の器具は対象外とされています。
高濃度のPCB廃棄物は、地域ごとに決められた処分期間が既に終わっています。低濃度のPCB廃棄物の処分期間は令和9年3月31日までです。解体の準備中に機器が見つかると、保管や届出の手続きが必要になり、工程に影響することがあります。変圧器やコンデンサーは銘板で判別します。平成2年頃までに製造された機器には低濃度のPCBに汚染された可能性があり、絶縁油の測定が必要になることがあります。通電中の機器は感電の危険があるので、工事の前に電気主任技術者に確認を依頼し、都道府県や政令市の担当窓口に相談してください。
| 確認するもの | 確認する理由 | 確認の相手 |
|---|---|---|
| 照明器具の安定器 | 昭和52年3月以前のビルはPCB含有の可能性があります | 電気工事の会社、自治体の担当窓口 |
| 変圧器、コンデンサー | 低濃度PCBを含むことがあります | 電気主任技術者、保守の会社 |
| 吹付け材、保温材 | 石綿の除去の作業区画と届出が必要になります | 建築物石綿含有建材調査者 |
| 成形板、仕上げ塗材 | 除去の方法と処分の区分に関わります | 建築物石綿含有建材調査者 |
| 業務用エアコン、冷凍機 | フロン類の回収と書面の交付、保存が必要です | 元請業者、回収業者 |
石綿は床面積80㎡以上の解体で事前調査の結果報告が必要で、調査は有資格者が行います。除去の費用について、国土交通省のアスベスト対策Q&Aは吹付けアスベストの目安を処理面積300㎡以下で1㎡あたり2.0万〜8.5万円、1,000㎡以上で1.0万〜3.0万円としています。2007年の施工実績にもとづく古いデータで、今の金額を保証するものではありません。面積が広いほど単価の幅が小さいという傾向の参考と考えてください。流れは解体工事とアスベストで説明しています。
5階建てのビルでは、次の項目が見積書の別項目になりやすいです。金額は機器の大きさや場所で違うので、数量が書かれているかを確かめます。
テナントが使っていた什器や書類、在庫は、解体で出る廃材とは区分が違います。環境省の通知は、残された廃棄物は元の占有者が工事に先立って処理するのが原則で、事業活動から出るものは種類や性状によって産業廃棄物か事業系一般廃棄物になるとしています。テナントの退去のときに、原状回復の範囲と残置物の処分を書面で決めておくと、解体の工程が止まりません。
解体前の残置物の処分とオフィスビルの解体費用も合わせて読むと、用途ごとの違いが分かります。
延床150坪のビルで、杭が16本ある場合の試算です。設備とPCB、石綿は建物ごとの差が大きいので、ここには入れていません。
| 項目 | 計算 | 金額の試算 |
|---|---|---|
| 本体解体費 | 150坪×6万〜10万円 | 900万〜1,500万円 |
| 杭の撤去 | 16本×3万〜16万円 | 48万〜256万円 |
| 合計 | 上の2項目の合計 | 948万〜1,756万円 |
杭をすべて抜くかどうかは、土地の次の使い道で変わります。国土交通省の建築物解体工事共通仕様書は、杭を残す場合に種別、径、位置などの記録を整備することとしています。売却や建て替えの相手がいるなら、撤去の範囲を先に合意してから解体を発注してください。
建設リサイクル法は、コンクリート、鉄とコンクリートの一体の資材、木材、アスファルトを特定建設資材と定め、一定規模以上の解体では現場で分別し、再資源化することを求めています。見積もりの処分費は、この分別と運搬、受け入れ先の料金の合計です。
処理の流れは、元請業者が交付する産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストで確認します。排出事業者である元請業者の責任ですが、施主も「最終的にどこへ運ばれたか」を聞くことはできます。処理先を答えられない業者は避けたほうが無難です。
テナントがいるビルは、賃貸借の終了と解体の着工を合わせて計画します。貸主からの解約には正当の事由が必要で、解約申入れから6か月、更新拒絶なら期間満了の1年前から6か月前までの通知という決まりがあります。解体が終わったら、建物がなくなった日から1か月以内に建物滅失登記を申請してください。詳しくは建物滅失登記の手続きで説明しています。
当メディアでは、延床100〜300坪で4〜8階建てのRC造の工事期間を2か月〜4か月と案内しています。300坪以上や9階以上の大規模な建物では、4か月〜半年以上を見ます。準備の期間は別です。
道路に面した工事では、がらの搬出のトラックが何度も出入りします。通学路や幹線道路に面していると、搬出できる時間帯が制限されることもあります。騒音規制法の特定建設作業には、敷地境界85デシベル、連続6日まで、日曜と休日は原則禁止という基準があるので、音の大きい作業をどの日に配分するかを工程表で確認しましょう。
近隣の説明は、工事が長いぶん早めに始めてください。上階の解体のときは粉じんが広がりやすいので、散水と養生の説明を添えると理解を得やすくなります。近隣トラブルを避ける方法やRC造の解体工事の期間も参考になります。
ビルの解体では、隣の建物の所有者やテナントにも工事の説明が要ります。工事の前に周囲の建物の外壁や窓の状態を写真で残しておくと、工事中にひびなどの指摘があったときに確認しやすくなります。
この規模の工事は建設業許可が前提です。5階建てのビルでは、許可に加えて同じ規模の施工経験を聞きましょう。確認したいのは次の点です。
複数の見積もりを取るときは、同じ図面と同じ撤去範囲を渡します。解体工事の許可と登録の違い、大型物件の解体、解体工事の費用内訳が比較の役に立ちます。株式会社インシュアラ(東京都知事許可(般-8)第159422号)でも、ビルの図面と現地調査をもとにお見積もりをお出ししています。
再開発や建て替えが決まっている場合は、新築の設計者と解体の範囲を先に確認します。地下階や杭を次の建物の工事で撤去するのか、解体の工事で撤去するのかによって、見積もりの金額も工期も変わります。整地の仕上げも、次の工事で掘り返すなら簡単なもので足りることがあります。解体が先行する工程では、更地の期間の管理と固定資産税の変化も確認しましょう。
本体解体費は坪6万〜10万円が当メディアの目安で、延床150坪なら900万〜1,500万円、300坪なら1,800万〜3,000万円の試算です。杭、設備、PCB、石綿の処理は別に確認してください。
必ずではありません。敷地に余裕があり、機械が届けば地上解体もできます。工法は高さ、敷地、道路で決まるので、見積もりに工法の前提が書かれているかを確認してください。
機器の種類と濃度によって扱いが変わります。高濃度のものは地域ごとの処分期間が既に終わっていて、低濃度のものは令和9年3月31日までが処分期間です。都道府県や政令市の担当窓口にすぐ相談してください。
延床100〜300坪で4〜8階建てなら2か月〜4か月が目安です。準備の期間や、テナントの退去の期間は別に見ておきます。
SRC造は鉄骨を切断する工程が加わるので、RC造の単価より上に振れやすいです。登記事項証明書の構造欄で確認し、単価の根拠を見積もりで聞いてください。
重機の回送や足場を共通にできる可能性はありますが、一律に安くなるとは言えません。同じ現場で段取りを組めるかどうかを含めて、業者に比較の見積もりを依頼してください。
RC造5階建ての解体費用は、本体で坪6万〜10万円が目安です。延床150坪なら900万〜1,500万円となり、階上解体、設備の撤去、杭、石綿、PCBの有無で総額が変わります。
古いビルは電気設備の確認から始めると、着工の直前に慌てずに済みます。階数ごとの比較と高額になる要因はRC造の解体費用で確認できます。