監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。


隣の家の解体が始まって音がつらい、洗濯物にほこりがつく。あるいは、これから自宅を解体するので近所に迷惑をかけたくない。同じ騒音の話でも、立場によって知りたいことは違います。
騒音規制法と振動規制法、環境省と自治体の案内をもとに、法律の基準をまず押さえ、そのうえで近隣の方の相談先と施主の方の対策を分けて書きました。読んだその日に動けるよう、手順も載せています。
監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

騒音規制法と振動規制法は、著しい音や振動を出す建設作業を「特定建設作業」と定めて、基準を設けています。神奈川県や名古屋市の案内を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 第1号区域(住居系、商業系など) | 第2号区域(工業地域など) |
|---|---|---|
| 騒音の基準値(敷地境界) | 85デシベル | 85デシベル |
| 振動の基準値(敷地境界) | 75デシベル | 75デシベル |
| 作業できない時間帯 | 午後7時から午前7時 | 午後10時から午前6時 |
| 1日の作業時間 | 10時間以内 | 14時間以内 |
| 連続して作業できる日数 | 6日以内 | 6日以内 |
| 日曜、休日 | 作業不可 | 作業不可 |
災害など非常の事態で緊急に行う場合などは、この基準が適用されないことがあります。
基準値は敷地の境界線での値です。自宅の中で測った値や、窓のそばのスマートフォンのアプリの数字とは条件が違います。アプリの数字は記録としては参考になりますが、法律の基準を超えたと決める材料にはなりません。正式な確認は自治体の担当者に相談してください。
また、基準を超えたらすぐ工事が止まるわけでもありません。騒音規制法第15条では、基準に適合せず周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるとき、市町村長が改善を勧告でき、従わない場合は改善や作業時間の変更を命令できるとされています。名古屋市の案内では、作業時間を4時間以上短縮するよう勧告や命令をすることがあると説明されています。
検索で「解体工事 デシベル」と調べると85デシベルが並びますが、次の表の作業に当たらなければ、特定建設作業の基準は直接かかりません。政令に書かれた作業のうち、解体で関係しやすいものを抜き出しました。
| 法律 | 対象の作業の例 | 条件の例 |
|---|---|---|
| 騒音規制法 | さく岩機を使う作業 | 作業地点が移動する場合は1日の移動が50メートル以内 |
| 騒音規制法 | バックホウを使う作業 | 原動機の定格出力80キロワット以上(環境大臣が指定する低騒音のものを除く) |
| 騒音規制法 | ブルドーザーを使う作業 | 原動機の定格出力40キロワット以上(同上) |
| 振動規制法 | ブレーカーを使う作業 | 手持式を除く。移動する場合は1日50メートル以内 |
| 振動規制法 | 鋼球で工作物を破壊する作業 | なし |
住宅の解体に使うような小さな重機は、この出力の条件に届かないことがあります。一方、東京都は条例で指定建設作業を定めていて、目黒区の案内では動力工具を使う建築物の解体や破壊の騒音を85デシベル、振動を75デシベルとして勧告基準を示しています。地域の条例でカバーされることがあるので、実際の扱いは市区町村に聞くのが近道です。
音がつらいときに一人で我慢する必要はありません。感情的にならずに記録を取り、次の順に進めてください。
総務省の公害等調整委員会の案内によると、市区町村や都道府県の窓口に相談でき、相談は無料です。職員が調査して、必要な指導や助言をします。さいたま市の案内では、相談時に住所、氏名、連絡先、公害の内容、発生源の名称と所在地を聞くとされ、匿名では対応できない場合があるとしています。
窓口ができることには限りがあります。さいたま市は、市では民事上のトラブルに介入できないと明記し、市の法律相談、弁護士会、法テラスなどを案内しています。家の壁のひび割れの修理費のような金銭の話は、この流れになります。
粉じんは、騒音のように数値の基準で語られることが少ない話題です。川崎市は、建設工事の粉じんが建物、車、洗濯物に付着して生活環境に影響が出るとして、次の対策を挙げています。
洗濯物について困っているなら、ほこりの多い作業の日を業者に聞き、その日は部屋干しにするなどの自衛策も現実的です。そのうえで散水がされていないように見えたら、写真を添えて業者か窓口に伝えてください。
解体する建物が古い場合は、石綿を心配される方もいます。一定規模以上の工事では事前調査結果の報告が必要で、現場に調査結果を掲示する決まりがあります。掲示が見当たらないときは業者に尋ねてください。制度の整理は解体工事の届出の記事にあります。
自分が頼んだ工事なのに、苦情は施主のところに来ることがあります。民法第716条は、注文者は請負人が第三者に加えた損害を賠償する責任を原則負わないとしつつ、注文や指図に過失があれば別だと定めています。「業者の仕事だから関係ない」で片付けずに、次のことを見積もりの段階で確かめましょう。
| 確認すること | 業者に聞く内容 |
|---|---|
| 近隣への説明 | 誰が、いつまでに、どの範囲に説明するか |
| 機械 | 低騒音型、低振動型の機械を使うか |
| 養生 | 仮囲い、防音シート、防音パネルをどこまで組むか |
| 粉じん対策 | 散水を誰が、どのタイミングで行うか |
| 作業時間 | 開始と終了の時刻、休工日 |
| 連絡先 | 現場の掲示と、苦情を受ける担当者 |
杉並区は要綱で、工事開始の7日前までに敷地境界から15メートル、または建物の高さと同じ距離の長いほうの範囲で近隣説明をするよう定めています。自治体によって決まりは違うので、業者に地域の決まりを確認してください。
施主自身ができるのは、工事前に顔を見せて日程を伝えることです。とくに隣接する家、前の道路を使う家には、業者の説明とあわせて一言あると受け止め方が変わります。あいさつの範囲や準備は近隣トラブルを回避する方法の記事で具体的に説明しています。
工事中に苦情を受けたら、まず聞き取って業者に伝え、施主だけで謝って約束しないようにしてください。補修の話が出たら、工事前の家の状況を写真で残してあるかが効いてきます。業者を選ぶ段階で、苦情の対応を誰がするのかを聞いておくと後悔が減ります。基準は業者選びの記事を参考にしてください。その他の揉めごとは解体工事のトラブルの記事にまとめています。
近隣の方にとっては、いつまで続くのかも切実な問題です。工期は建物の規模や構造で変わるので、掲示の工期か業者の説明で確かめるのが確実です。木造の目安は木造解体工事の工期の記事にあります。音が大きくなりやすい作業の順番は解体工事の流れの記事を読むと想像しやすくなります。
騒音規制法の特定建設作業の基準は、敷地の境界で85デシベルです。振動規制法では75デシベルです。対象の作業に当たらない場合は、この基準が直接かからないことがあります。
特定建設作業の場合、住居系などの第1号区域では午前7時前の作業はできません。工事によっては自治体の条例や業者の自主ルールで開始時刻が遅いことがあるので、掲示や説明で確かめてください。
特定建設作業の基準で作業ができないとされているのは、日曜日とその他の休日です。土曜日が一律に禁止とはされていません。ただし連続して作業できるのは6日以内です。
まず現場の掲示の連絡先に連絡し、日時と写真を伝えます。改善しなければ市区町村の公害苦情の窓口に相談できます。費用の請求など金銭の話は民事の問題になるので、法律相談を検討してください。
民法第716条では、注文者は請負人が第三者に加えた損害を賠償する責任を原則負いませんが、注文や指図に過失があれば別です。法的な責任の有無にかかわらず、近隣との関係は施主にも残るので、業者と一緒に対応してください。
解体工事の騒音基準は、特定建設作業で敷地の境界85デシベル、振動75デシベルです。近隣の方は記録を取り、業者の連絡先に伝え、改善しなければ市区町村の窓口へ相談してください。施主の方は、近隣説明と騒音、粉じんの対策が見積もりに入っているかを確かめましょう。追加の対策で費用が変わることもあるので、金額の確認は解体工事の追加費用の記事も参考にしてください。