監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。


ビル解体工事って実際どんな流れで進むのか、費用はいくらかかるのか、なかなかイメージしづらいですよね。ネットで調べても一般論ばかりで、「本当の現場」が見えてこないという声をよくいただきます。
そこでこの記事では、当社が東京都内で実際に施工した鉄骨造4階建てビル2棟のビル解体工事を、着工前から更地の引き渡しまで現場写真つきで公開します。現場は台東区浅草、ビルやマンションが密集する東京らしい立地です。
解体工事1,000件以上を手がけてきたインシュアラの金松です。今回は実際の現場写真を使って、ビル解体のリアルをお見せしますね。
工事の流れだけでなく、費用相場や工期の目安、現場で実際に起きた「地中埋設物の発見」まで包み隠さずお伝えします。ビルの解体を検討しているオーナー様は、業者選びの判断材料としてぜひ参考にしてください。
まずは今回の現場の概要から紹介します。場所は台東区浅草、マンションやビルが密集するエリアの一角です。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区浅草 |
| 建物 | 鉄骨造(S造)4階建て 2棟 |
| 外壁 | タイル・ALCパネル |
| 用途 | 1階店舗+上階事務所・住居 |
| 立地条件 | 三方を中高層マンションに近接、前面道路は一方通行 |
| 工事内容 | 内装解体、躯体解体、基礎・地中埋設物撤去、整地 |
ご覧のとおり、隣のマンションまでの離隔がほとんどない典型的な都心の狭小現場です。重機を置くスペースも限られ、前面道路は通学路にもなっているため、騒音・粉じん・振動への対策が工事の成否を分ける現場でした。


こうした条件は浅草に限らず、東京のビル解体ではむしろ普通です。だからこそ、これから紹介する工事の流れは、都内でビル解体を検討している方ならどなたにも当てはまる内容になっています。
ビル解体工事の全体像は、大きく分けて次の7ステップ。今回の浅草の現場写真と合わせて、順番に見ていきます。
建物の構造や搬出経路、アスベストの有無を調査し、近隣へのあいさつ回りを行います。
職人の手作業で内装材を撤去し、木材・石膏ボードなどを分別しながら搬出する工程です。
外部足場を組み、建物全体を防音パネルで囲って騒音と粉じんを抑えます。
屋上から下の階へ順に、スラブの斫りと鉄骨の切断を進める段階です。
圧砕機を装着した油圧ショベルで、散水しながら躯体を解体します。
土間や基礎を掘り起こし、地中に残る埋設物まで撤去。
掘削跡を埋め戻して転圧し、更地の状態でお引き渡しです。
着工前に、建物の内外をくまなく調査します。構造や外壁材の確認はもちろん、隣接建物との離隔、道路の幅員、電線の位置まで記録に残すのがポイントです。今回の現場では着工前だけで20枚以上の写真を撮影しました。
2006年以前に建てられたビルは、アスベスト含有建材が使われている可能性があるため、法律で定められた事前調査も欠かせません。調査結果は都へ報告する義務があります。
近隣あいさつもこの段階で済ませます。工事期間や作業時間、緊急連絡先を記載した書面を持って、一軒ずつ回るんです。ここを丁寧にやるかどうかで、工事中のクレーム発生率が大きく変わります。
いきなり重機で壊すわけではありません。まずは職人が手作業で、天井ボード・床材・間仕切り・建具を撤去していきます。


建設リサイクル法により、延べ床面積80㎡以上の解体では廃棄物を種類ごとに分別して処理することが義務づけられています。写真のように木材は木材、ボード類はボード類でまとめ、階段や開口部から少しずつ搬出していきます。


内装をすべて撤去すると、写真のようなスケルトン状態になります。ここまでで全体工期の3分の1ほどを使いました。地味な工程ですが、この分別の丁寧さが処分費の適正化に直結します。
躯体解体の前に、外部足場を組んで建物全体を防音パネルで覆います。




今回はメッシュシートではなく、遮音性の高いパネルタイプを採用しました。費用は上がりますが、マンションに三方を囲まれた現場では騒音対策を優先すべきと判断したためです。夜間や雨天時の見回りも実施し、パネルの緩みがないか確認しながら工事を進めました。
いよいよ躯体の解体です。今回のような狭小地では、屋上のペントハウスや階段室から順に、上から下へと壊していきます。


コンクリートのスラブを斫り、露出した鉄骨をガス溶断やカッターで切断していきます。切り離した部材は建物内に落とし込み、下の階でまとめて小割りにする流れです。


隣のマンションのバルコニーまで1mもない箇所では、部材が接触しないよう1本ずつ吊りながらの慎重な作業になりました。こういう場面こそ、職人の腕の見せどころなんです。
建物の高さがある程度下がったら、地上から重機で解体を進めます。使用したのは圧砕機(アタッチメント)を装着した油圧ショベルです。




解体中は常時散水を行い、粉じんを抑え込みます。発生したガラ(コンクリート殻)はその場で鉄筋と分別し、ダンプで場外へ搬出しました。前面道路が一方通行のため、搬出車両の待機場所と時間帯を事前に調整してあります。
2棟同時の解体だったので、ガラの搬出量もかなりのものでした。搬出計画を綿密に立てておかないと、道路にダンプが滞留して近隣にご迷惑をかけてしまいます。
地上部分がなくなったら、次は地面の下です。土間コンクリート、基礎フーチング、地中梁を掘り起こして撤去していきます。


今回の現場では、地下ピットの中に古い受水槽が残っていました。こうした地中埋設物は掘ってみて初めて分かるケースが多く、ビル解体の見積もりで「地中障害は別途」とされる理由がまさにこれです。発見時は必ず写真で記録し、お施主様に報告したうえで撤去方法と費用を協議します。




基礎の撤去状況は、深さの分かる写真として1点ずつ残しました。土地を売却する際、「地中に何も残っていないこと」を証明する資料になるからです。ここを省く業者もいますが、後々の資産価値に関わる大事な記録だと考えています。
最後に掘削した箇所を埋め戻し、重機で敷き均して転圧します。




4階建てのビルが2棟建っていた場所が、きれいな更地になりました。お引き渡しの際は、工程ごとの写真とマニフェスト(産業廃棄物管理票)をセットでお渡ししています。
ビル解体工事の費用は「構造別の坪単価×延べ床面積」でおおよその目安を出せます。東京都内の相場を構造ごとにまとめると、次のとおりです。
| 構造 | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 鉄骨造(S造) | 3.5万〜5万円 | ビルの中では比較的安価。今回の現場もこの構造 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 4万〜8万円 | 中低層ビルに多い。コンクリート量が多く割高 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) | 4.5万〜9万円 | 高層ビルに多く、最も頑強で高額 |
たとえば延べ床60坪の鉄骨造ビルなら、本体工事だけで210万〜300万円が目安になります。ただしこれはあくまで「本体」の話で、実際の総額はここに仮設費や付帯工事が乗ってくるんです。
特に廃棄物の処分費は総額の3〜5割を占めることもあり、無視できない項目です。今回の浅草の現場では、防音パネル仕様の仮設費と、途中で見つかった受水槽の撤去費が上乗せ要素になりました。
実際に施工した立場から、この現場で費用を左右した要因を挙げてみます。
| 要因 | 費用への影響 |
|---|---|
| 三方をマンションに囲まれた立地 | 防音パネル仕様の仮設費が増加 |
| 前面道路が一方通行 | 搬出効率が下がり運搬費が増加 |
| 地中の受水槽 | 撤去・処分費を追加協議 |
| 2棟同時解体 | 重機回送費や仮設の共通化でむしろ割安に |
意外かもしれませんが、2棟まとめて解体したことはコスト面でプラスに働きました。重機の回送や仮設をまとめられるので、1棟ずつ別々に工事するより総額を抑えられるんです。複数棟をお持ちの方は、同時解体も検討してみてください。
ご自身のビルの概算を知りたい方は、当社の自動見積もりシミュレーターが便利です。構造と坪数を入れるだけで、その場で目安の金額が分かります。
東京都内の解体費用の詳しい内訳は、こちらの記事でも解説しています。


中小規模のビル解体工事なら、工期の目安は1.5〜3ヶ月です。今回の浅草の現場は2棟合わせて約2ヶ月半かかりました。内訳のイメージはこんな感じです。
| 工程 | 期間の目安 |
|---|---|
| 事前調査・届出・近隣あいさつ | 2〜4週間(着工前) |
| 内装解体 | 2〜3週間 |
| 足場・防音パネル設置 | 3日〜1週間 |
| 躯体解体(上部+重機) | 3〜5週間 |
| 基礎撤去・埋戻し・整地 | 2〜3週間 |
注意したいのは、着工前の準備期間。アスベストの事前調査や各種届出には時間がかかるため、解体したい時期の2〜3ヶ月前には業者へ相談を始めるのがおすすめです。建て替えのスケジュールが決まっている方は特に余裕を持ってください。
1,000件以上の解体を経験してきた中で、ビル解体で特につまずきやすいポイントを3つに絞って紹介します。今回の現場でも実際に直面した内容です。
今回の受水槽のように、図面に載っていない設備や古い基礎が地中から出てくることは珍しくありません。浄化槽、井戸、以前の建物の杭が見つかった現場もあります。
だからこそ、契約前に「地中障害が出た場合の費用と協議の流れ」を確認しておいてください。発見時に写真つきで報告し、見積もりを提示してから撤去する業者なら安心です。逆に、何も報告せず埋め戻してしまう業者は論外。売却時の地中障害は瑕疵として損害賠償に発展するリスクがあります。
2022年4月から、一定規模以上の解体・改修工事ではアスベスト事前調査の結果報告が義務化されました。2023年10月以降は、調査自体を有資格者が行う必要もあります。
古いビルほど吹付け材や成形板にアスベストが含まれている可能性が高く、含有が判明すれば除去費用が追加になります。見積もりの段階で「アスベスト調査費が含まれているか」「含有時の除去費用はどの程度か」を確認しておくと、あとから慌てずに済みますよ。
ビル解体は住宅の解体より音も振動も大きく、工期も長期に及びます。近隣トラブルが起きると工事が止まり、結果的に費用も工期も膨らんでしまうんです。
おかげさまで今回の現場は、着工から引き渡しまで大きなクレームなく完了できました。見積もり金額だけでなく、こうした対策をどこまで具体的に説明できるかも、業者を見極める材料になります。
ビル解体は請負金額が500万円を超えるケースが多く、その場合は解体工事業の登録ではなく建設業許可(解体工事業)を持つ業者にしか依頼できません。まずは許可の有無を確認しましょう。
当社インシュアラは東京都知事許可(登-2)第159422号を持つ解体専門業者で、今回のようなビル解体から木造住宅まで1,000件以上の施工実績があります。解体後の土地活用や売却まで一括で相談いただけるのも、買取・リノベーションまで手がける当社の強みです。
業者選びの詳しい基準は、こちらの記事にまとめています。


構造別の坪単価は、鉄骨造で3.5万〜5万円、RC造で4万〜8万円、SRC造で4.5万〜9万円が目安です。これに仮設費・アスベスト対策費・廃棄物処分費などが加わります。立地条件で大きく変わるため、現地調査を踏まえた見積もりで確認するのが確実です。
中小規模のビルで1.5〜3ヶ月が目安です。今回紹介した鉄骨造4階建て2棟の現場は約2ヶ月半でした。着工前の調査や届出に2〜4週間かかるため、解体したい時期の2〜3ヶ月前には相談を始めてください。
相談自体は可能です。ただし着工には全テナントの退去が必要なため、立ち退き交渉のスケジュールと並行して解体計画を立てるのが現実的です。退去完了の見込み時期が分かった段階でご相談いただくと、スムーズに着工まで進められます。
受水槽や古い基礎などの地中埋設物は、契約時の見積もりに含まれていないのが一般的で、発見後に追加費用を協議する流れです。信頼できる業者なら、発見時に写真つきで報告し、撤去前に金額を提示してくれます。契約前に対応フローを確認しておきましょう。
可能です。今回の浅草の現場も、隣接マンションとの離隔が数十cmしかない条件でした。防音パネルでの全面養生、手作業と重機の使い分け、常時散水といった対策を組み合わせれば、密集地でも安全に施工できます。
ビル解体工事は金額も工期も大きいからこそ、実際の施工現場を知っている業者に任せるのが安心です。今回紹介した浅草の現場のように、当社は工程ごとの写真記録と丁寧な近隣対応を徹底しています。



「うちのビルだといくらかかる?」という段階のご相談も大歓迎です。現地調査とお見積もりは無料ですので、お気軽にどうぞ。















