RC擁壁の解体は1㎡1.7万〜5万円が目安|隣地と届出の確認

RC擁壁の解体は1㎡1.7万〜5万円が目安|隣地と届出の確認

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基

株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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庭先の古い擁壁にひびが入っている、建て替えのついでに擁壁をなくしたい。そう考えて見積もりを取ると、ブロック塀とは桁の違う金額が出ることがあります。擁壁は土を支えている構造物なので、壊すだけでは終わらず、背後の土をどうするか、隣地との境界をどうするかまで一緒に決める必要があるためです。

この記事では、解体費の公開相場を出典つきで示したうえで、宅地造成及び特定盛土等規制法の届出、がけ条例、隣地との確認、工事の手順を整理します。

この記事の結論
  • 擁壁の解体費の公開相場は、RC造で1㎡あたり約1.7万〜5万円、コンクリート造やブロック造で約1.4万〜4万円、石造で約0.5万〜3万円です。出典によって幅があります。
  • この単価に、処分費、重機回送費、養生費、土留めの費用が加わります。見積もりでは総額と内訳を比べてください。
  • 宅地造成等工事規制区域で高さ2mを超える擁壁を除却するなら、着手の14日前までに届出が必要です。
  • がけ条例により、壊したあとの建築に制限が出ることがあります。解体の前に建築指導の窓口で確認してください。
  • 境界線上の擁壁は隣地との共有と推定されることがあります。所有者と境界を確かめ、同意を書面にしてから始めます。

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基

株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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目次

擁壁の解体費用の平米単価

擁壁の解体費は1㎡あたりの単価で示されることが多く、構造で変わります。ここでは解体工事の情報サイトとハウスメーカーのコラムの数字を並べます。どちらも目安で、現場を見ない限り確定しません。

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構造あんしん解体業者認定協会パナソニック ホームズのコラム
鉄筋コンクリート造(RC)約17,000〜35,000円/㎡17,000〜50,000円/㎡程度
コンクリート造、ブロック造約14,000〜30,000円/㎡(コンクリート造)14,000〜40,000円/㎡程度(ブロック造)
石造約5,000〜20,000円/㎡10,000〜30,000円/㎡程度
解体無料見積ガイド(あんしん解体業者認定協会)とパナソニック ホームズの公開情報をもとに整理しています。実際の金額は現地調査で決まります

試算例として、高さ2m、長さ10mのRC擁壁を20㎡と考えると、単価1.7万〜5万円で本体工事は34万〜100万円です。ただし面積の取り方は業者によって違うことがあるので、見積書に数量の根拠を書いてもらってください。パナソニック ホームズのコラムは、RC造20㎡の試算として、本体80万円に重機回送費5万円、廃材処分費15万円、諸経費と養生費15万円を足し、税込126.5万円という例を載せています。本体の単価だけで比べると、この差を見落とします。

金額が上がりやすい条件

  • 擁壁が高い、または厚いと、解体に手間がかかります。
  • 道路が狭く重機が入らないと、手作業が増えます。
  • 背後の土を支える土留めや、解体後の地盤補強が必要になることがあります。
  • 隣地や道路への影響を防ぐ養生や防音の費用が増えることがあります。
  • 新しい擁壁を造り直すなら、解体費とは別に新設の費用がかかります。

高さの低いブロック積みならブロック塀の撤去費用の記事が近いかもしれません。ただ、土を支えているかどうかで工事は別物になるので、見た目がブロックでも土留めの役割があるなら擁壁として相談してください。追加費用が出やすい点は追加費用の記事で確認できます。

解体の前に確認する法律と条例

宅地造成及び特定盛土等規制法の届出

宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)第21条第3項は、宅地造成等工事規制区域内で政令が定める工事をする人に、着手の14日前までの届出を求めています。その工事の一つが、高さ2mを超える擁壁の全部または一部の除却です。特定盛土等規制区域についても第40条に同様の規定があります。

届出先や添付書類は自治体によって違います。区域に入っているかは都道府県や市の盛土規制法の地図で調べられるので、見積もりの段階で確認してください。解体に伴って土を削ったり盛ったりするなら、規模によって許可が必要になることもあります。

がけ条例

建築基準法第19条第4項は、がけ崩れなどの被害を受けるおそれがある場合に擁壁の設置などの措置を求めています。これを受けて多くの自治体が条例や基準を定めていて、一般に「がけ条例」と呼ばれます。東京都建築安全条例第6条については、大田区が、がけ等の高さの2倍以内の範囲に建築するときに適用されると案内しています。町田市の取扱いのように、がけの勾配を30度で判断する例もあります。

見落とすと困るのは、解体した後です。擁壁をなくして土の斜面に戻すと、その土地に建物を建てるときに、擁壁の新設や深い基礎を求められるおそれがあります。基準は自治体ごとに違うので、建て替えや売却を考えているなら、壊す前に建築指導の窓口へ土地の図面を持って相談してください。高さ2mを超える擁壁を新しく造る場合は、工作物の確認申請も必要です。

建設リサイクル法の届出

建築物以外の工作物の解体は、請負代金が500万円以上で建設リサイクル法の届出の対象になります。発注者が工事の7日前までに届けるものなので、該当するかを業者に確認してください。手続きの全体は解体工事の届出の記事にまとめています。

隣地との境界と同意の確かめ方

擁壁の工事でいちばんこじれやすいのがここです。擁壁は境界のすぐそばにあることが多く、壊すと隣の土地の地盤にも影響が出るおそれがあります。

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確認すること理由進め方
境界の位置擁壁が自分の土地にあるとは限らない法務局で公図や地積測量図を取り、境界標を探す。不明なら土地家屋調査士に頼む
擁壁の所有者境界線上の障壁などは相隣者の共有と推定される(民法第229条)購入時の資料や隣地との書面を探す。共有なら勝手に壊せない(民法第251条)
隣地の使用工事で隣地に入る必要があることがある民法第209条で必要な範囲の使用は認められるが、住家への立ち入りは居住者の承諾が必要。事前に目的や日時を通知する
工事の影響隣家の地盤や外構に影響するおそれがある工事前に家屋調査をして写真を残す
民法の条文と解体工事の公開情報をもとに整理しています。擁壁が民法第229条の障壁にあたるかなど個別の判断は専門家に確認してください

境界の話し合いがつかないときは、法務局の筆界特定制度が使えます。一方の土地の所有者だけで申請でき、登記官が筆界を判断します。ただし所有権の範囲そのものを決める制度ではないので、所有権の争いまである場合は弁護士に相談してください。

また、民法第717条は、土地の工作物の設置や保存の瑕疵で他人に損害を与えたときの占有者と所有者の責任を定めています。傷んだ擁壁を放置すると、壊さなくても責任の問題は残ります。話を切り出す前の準備は近隣トラブルを避ける記事が参考になります。

擁壁の解体の手順

  1. 境界と所有者を確かめます。ひび割れや傾きがあるなら、建築士など専門家に現地を見てもらいます。
  2. 盛土規制法の区域とがけ条例を窓口で確認し、解体後の土地の使い方を決めます。
  3. 補助金の有無を調べます。古い擁壁やがけの改修に助成をしている自治体もあり、着工前の申請が条件になるのが一般的です。
  4. 2〜3社に現地を見てもらい、面積、処分費、土留め、養生、復旧の範囲を揃えて見積もりを比べます。
  5. 隣地と工事内容を合意し、必要な届出を出します。高さ2m超で区域内なら14日前までです。
  6. 仮囲いや防音シートを設置し、背後の土を支える山留めをしてから、上部から順に解体します。
  7. 廃材を処分し、土の処理や新しい擁壁の工事を行います。完了後は写真と書類を保管します。

建物もあわせて壊すなら、解体費用の計算方法の記事で全体の費用を確認してください。工事全体の順番は解体工事の流れの記事、業者の比べ方は業者の選び方の記事にまとめています。

解体後の土地をどうするかで工事は変わる

見積もりの前に、擁壁がなくなった土地をどう使うかを決めておくと、業者に同じ条件を伝えられます。

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解体後の形工事に加わるもの確認先
新しい擁壁に造り直す新設の工事、確認申請や許可建築指導の窓口、建築士
土を削って平らにする残土の処分、隣地側の土留め業者、規制区域なら自治体の担当課
なだらかな斜面に戻すがけとして扱われるかの確認建築指導の窓口
建物の建て替えと一緒に行う基礎との取り合い、工程の調整設計者、施工者
一般的な整理です。実際に必要な工事と手続きは土地の条件で変わります

見積もりを比べるときは、解体する面積と高さ、基礎や裏込めまで撤去するか、残土や廃材の処分量、土留めの方法、工事後の仕上げを揃えて書いてもらいます。この項目が抜けた見積もりは安く見えても、あとから追加になることがあります。地盤が軟らかいと分かったときや地下水が多いときは、地盤改良や排水の工事が必要になることもあるので、現地調査で聞いてください。

擁壁の解体でよくある質問

擁壁の解体は自分の判断だけでできますか?

自分の土地の中にある擁壁でも、届出が必要なことがあり、隣地に影響するおそれがあります。境界線上なら共有と推定されて同意が必要になることもあるので、所有者と境界の確認を先にしてください。

高さ2m以下なら手続きはいりませんか?

盛土規制法の除却の届出は高さ2mを超える擁壁が対象ですが、ほかの手続きや自治体の基準まで不要とは言えません。土を動かす工事が伴うときの許可などもあるので、窓口で確認してください。

隣の土地を支えている擁壁は壊せますか?

隣地の地盤を支えているなら、壊すと隣地に被害が及ぶおそれがあります。隣地の所有者と協議し、土留めや造り直しを含めた工事の計画を決めてから進めてください。必要なら弁護士や建築士に相談します。

擁壁を残したまま土地を売れますか?

売れますが、安全性を確認できない擁壁は、買主が建築するときに造り直しや対策を求められるおそれがあります。検査済証などの資料の有無を確かめて、不動産会社に伝えてください。

まとめ

擁壁の解体費は構造で変わり、公開相場ではRC造で1㎡あたり約1.7万〜5万円ですが、処分費や土留めで総額は大きく動きます。最初にすることは業者探しではなく、境界と所有者の確認、そして盛土規制法とがけ条例の窓口相談です。その結果を持って2〜3社の現地調査を頼み、同じ条件で見積もりを比べてください。

参考資料

解体費用の全体像

木造の解体費用

RC造と鉄骨造の解体費用

建物の用途別

付帯工事と片付け

解体工事の流れと手続き

業者選びとトラブル

空き家の判断

施工の記録

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