監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。


家全体は残したいけれど、使っていない離れや古い増築部分だけ壊したい。そう考えて調べると、「一部解体は割高」と書かれていて戸惑うと思います。壊す面積は小さいのに高くなるのは、壊したあとの補修が工事に加わるからです。
この記事では、公開されている相場を出典つきで示し、切り離しの補修で高くなる理由、確認申請と除却届、建物表題変更登記、離れを壊したときの固定資産税を整理します。法律の扱いは条文で確かめられる範囲を書き、判断が分かれるところは窓口を案内します。
監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

全体の解体なら目安は木造で坪3万〜6万円、鉄骨造で坪5万〜7万円、RC造で坪6万〜10万円です。一部解体については統一された統計が見当たらず、公開情報の数字にも幅があります。以下はあくまで各社が公開している目安です。
| 工事の内容 | 公開されている目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 部分解体の解体費 | 坪2万〜6万円 | リフォらん |
| 補修費(監修者コメント) | 30万〜100万円 | リフォらん |
| 増築部分の撤去(木造10坪程度) | 30万〜80万円 | 株式会社心和 |
| 附属建物の解体(車庫、倉庫) | 10万〜50万円 | 株式会社心和 |
| 切り離しを伴う解体(長屋) | 坪4万〜7万円(通常の例は坪3万〜5万円) | クラッソーネ |
リフォらんのシミュレーションでは、木造の増築部分10坪を坪2.5万円で解体して約25万円、補修に約60万円で合計約85万円としています。解体より補修のほうが高くなる点に注目してください。逆に、母屋から離れて建っている離れなら接合部の補修がないので、別棟の小さな建物の解体に近い金額で済む可能性があります。
見積もりでは、解体の金額と補修の金額を分けて書いてもらってください。費用内訳の記事と解体費用の計算方法の記事で項目の見方を確認できます。小さな物置やカーポートだけなら小さな工作物の撤去の記事が近い内容です。
同じ面積でも全体解体と違うのは、残す部分を傷めてはいけないことです。主な理由を工程に沿って挙げます。
3つ目と5つ目は見落とされがちです。増築部分を外すと、その面にあった壁は室内の壁のままで外壁の性能がないことがあります。柱や梁が増築部分とつながっていることもあるので、解体業者だけで決めず、建築士か工務店にも見てもらってください。
| 比べる点 | 一部解体 | 全体解体 |
|---|---|---|
| 坪単価 | 割高になりやすい | 坪単価で計算しやすい |
| 補修 | 必要になることが多い | 不要 |
| 住み続けられるか | 工事中の住み方の検討が必要 | 仮住まいが必要 |
| 残る建物の古さ | 残る部分の老朽化や耐震はそのまま | 新築や更地にできる |
| 登記 | 建物表題変更登記 | 建物滅失登記 |
建築基準法第2条第13号の「建築」は、新築、増築、改築、移転を指し、除却は含まれていません。第6条の確認申請は建築や大規模の修繕、大規模の模様替などを対象にしているので、解体するだけの工事がそのまま確認申請の対象になるわけではありません。
注意するのは解体に伴う工事です。次のときは確認申請の要否を窓口か建築士に確認してください。
公開情報の中には「10㎡を超える解体は確認申請が必要」と書くものもあります。ただ、第6条第2項の10㎡は防火地域と準防火地域の外で行う増築、改築、移転についての基準で、解体の10㎡は第15条の除却届の基準です。ここを混同しないよう、窓口では「解体部分の面積」「補修の内容」「増築の予定」の3つを伝えて確認してください。
| 手続き | 基準 | 出す人 |
|---|---|---|
| 建築物除却届(建築基準法第15条) | 工事に係る部分の床面積の合計が10㎡を超える | 工事を施工する者 |
| 建設リサイクル法の届出 | 解体工事の床面積の合計が80㎡以上。工事の7日前まで | 発注者(代理可) |
| 石綿の事前調査 | 解体部分の大小にかかわらず調査は必要。解体部分の床面積が80㎡以上なら結果の報告も必要 | 元請業者など |
届出の全体は解体工事の届出の記事に、石綿はアスベストの記事にまとめています。
不動産登記法第51条は、床面積など表題部の登記事項に変更があったとき、所有者に変更の日から1か月以内の変更登記の申請を義務づけていて、怠ると第164条の10万円以下の過料の規定があります。建物全部を壊したときの滅失登記(第57条)とは別の手続きです。
| 建物の状態 | 主な手続き |
|---|---|
| 1つの建物の一部を壊した | 床面積を減らす建物表題変更登記 |
| 離れが附属建物として母屋と一緒に登記されている | 附属建物の変更として表題部の変更登記を確認する |
| 離れが別の建物として登記されている | その建物の滅失登記 |
| 離れが未登記 | 登記ではなく市区町村の税務の窓口に届ける |
どれにあたるかは登記事項証明書を見ると分かります。図面が必要になるので、土地家屋調査士に頼むのが一般的です。滅失登記は建物滅失登記の記事に、未登記の場合は未登記建物の解体の記事に手順を書いています。
固定資産税は1月1日の状況で課税されるので、年内に離れを壊せば、翌年度から離れの家屋の税はなくなります。登記をしないなら、市区町村へ届けないと把握されないおそれがあります。
気になる土地の税ですが、母屋が残っていれば敷地が住宅用地でなくなるわけではありません。ただし住宅用地の面積には家屋の床面積の10倍という上限があります。試算例として、床面積120㎡の家で離れ40㎡を壊すと、上限は1,200㎡から800㎡に下がります。敷地が600㎡ならこの上限の影響はありませんが、敷地が1,000㎡なら200㎡分が特例から外れる計算です。
東京都主税局は、住宅の全部または一部を取り壊した場合で登記をしないときは、翌年1月31日までに固定資産税の住宅用地等申告書を出すよう案内しています。また、住宅用地には住宅用の家屋の附属家の敷地も含むとされています。離れが住宅か附属家か、自分の土地がどう扱われるかは自治体の判断によるので、資産税の窓口で確認してください。詳しい計算は解体後の固定資産税の記事にあります。
費用を抑えたいなら、中の家財を先に片付ける、解体範囲をはっきりさせて見積もり条件を揃える、補修を解体と同じ会社に頼む場合と別の会社に頼む場合を比べる、という3点から始めてください。試算例として、接合部のない木造の離れ10坪を統一の目安で計算すると本体工事は30万〜60万円です。接合部の補修が加わる場合は、これに補修費を足して考えます。工事全体の流れは解体工事の流れの記事で確認できます。
壊す面積が小さいので総額は小さくなることが多いのですが、補修が加わるので坪あたりでは割高になりやすく、差が思ったほど出ないこともあります。両方の見積もりを取って比べてください。
工事の範囲や騒音、水道や電気の切り回しによります。業者に住みながら可能か、仮住まいが必要な期間はあるかを聞いてください。
母屋と廊下などでつながっていなければ接合部の補修はいりません。ただし配管や配線、塀の取り合いが残ることがあるので、現地で確認してください。
空き家や老朽建物の全部除却を条件にする制度が多く、一部解体が対象になるかは自治体によります。着工前に担当課に確認してください。例は東京都の解体補助金の記事で見られます。
接合部の補修があるなら、解体と補修をまとめて管理できる会社か、両者の工程を調整してくれる会社が向きます。業者の見方は業者の選び方の記事で確認してください。
一部解体の費用は、解体費に補修費を足して考えます。公開相場では解体費が坪2万〜6万円、補修費が30万〜100万円で、接合部のない離れならこれより下がる可能性があります。登記事項証明書で建物の状態を確かめ、建築士か工務店に接合部を見てもらい、解体と補修を分けた見積もりを全体解体の見積もりと比べて決めてください。