解体工事の届出一覧|80㎡以上の手続きと記入例、誰がいつ出すか

解体工事の届出一覧|80㎡以上の手続きと記入例、誰がいつ出すか

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基

株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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解体工事には、複数の法律にもとづく届出があります。名前が似ているうえに提出先もばらばらで、施主が出すものと業者が出すものも混ざっています。「業者に任せたつもりが出ていなかった」とならないよう、全体を一度見ておくと安心です。

法令の条文と自治体の案内をもとに、誰が、何を、いつ、どこへ出すのかを一覧にしました。自治体によって窓口や様式は違うので、最後は工事場所の窓口で確かめてください。

この記事の結論
  • 床面積80㎡以上の解体は、発注者(施主)が工事に着手する7日前までに建設リサイクル法の届出をします。委任状があれば業者が代理で出せます
  • 床面積10㎡を超える除却は、工事の施工者が建築基準法の建築物除却届を出します。建設リサイクル法の届出とは別物です
  • 石綿の事前調査結果は、床面積80㎡以上の解体で元請業者が石綿の有無にかかわらず報告します
  • 解体だけの工事で確認申請が話題になることは通常ありません。建て替えは新築分の確認申請が別に必要です
  • 道路に足場を出すなら道路占用許可と道路使用許可が要ります。騒音の届出や自治体独自の手続きもあるので、契約時に分担を書面で確かめます

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基

株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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目次

解体工事の届出は誰がいつ出すか、一覧で見る

まず全体の一覧です。この表の「届出者」は法令や案内に書かれた義務者で、実際の書類づくりは業者に委任できるものが多くあります。

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手続き届出者対象期限提出先
建設リサイクル法の届出発注者または自主施工者床面積80㎡以上の建築物の解体着手の7日前まで都道府県知事等(窓口は市区の担当課が多い)
建築物除却届除却工事の施工者床面積10㎡を超える除却工事前(前日までとする自治体あり)建築主事等を経由して知事
石綿の事前調査結果報告元請業者または自主施工者床面積80㎡以上の解体工事に着手する前まで都道府県等(原則は電子報告)
特定粉じん排出等作業の届出発注者または自主施工者吹付け石綿、石綿含有の断熱材、保温材、耐火被覆材がある工事作業開始の14日前まで都道府県等
特定建設作業の届出工事を施工する者指定地域内で政令の作業をするとき作業開始の7日前まで市町村長
道路占用許可申請者足場や仮囲いを道路上に設置するとき工事前道路管理者
道路使用許可申請者道路上で作業するとき工事前警察署
建物滅失登記登記名義人など登記された建物の解体滅失の日から1か月以内法務局
各法令と環境省、自治体の案内をもとに整理しています。提出先の名前や期限の扱いは自治体ごとに確認してください

建設リサイクル法の届出は施主の義務

建設リサイクル法第10条は、対象建設工事の発注者または自主施工者に、工事に着手する日の7日前までの届出を義務づけています。解体工事で対象になるのは床面積の合計が80㎡以上の建築物です。杉並区や広島市の案内で確認できます。

ここで気をつけたいのは、届出の義務者が業者ではなく発注者である点です。業者に代理してもらう場合でも委任状を交わすので、施主の名前で出ていることに変わりはありません。

80㎡は延床面積で考える

対象は「床面積の合計」で判断します。木造2階建てで1階50㎡、2階40㎡なら合計90㎡なので対象です。附属の物置や車庫も一緒に壊す場合の扱いは、工事の内容によって窓口の判断になるので、80㎡に近い建物は図面を持って相談してください。80㎡未満でも、自治体独自の届出が別にあることがあります。

7日前の数え方

工事に着手する日の7日前が期限で、その日が閉庁日なら直前の開庁日になると杉並区は案内しています。川崎市の届出ガイドには、工事の着手には仮設工事を含むと書かれています。足場や養生を組み始める日が起点になるので、重機が入る日で数えないようにしてください。提出後は、受理から7日以内に限って計画の変更命令が出ることがあります。

無届のときの罰則

建設リサイクル法第51条は、届出をしなかった者や虚偽の届出をした者に20万円以下の罰金を定めています。業者任せにする場合も、届出の控えをもらって確認しましょう。

届出書の記入例と添付書類

検索で多い「届出書の記入例」は、自治体のサイトで見られます。杉並区のページには様式第一号と別表の記載例があり、川崎市は届出ガイドを公開しています。手元の工事場所の自治体の様式を使ってください。

法第10条に書かれている届出の中身は次の5つです。

  1. 解体する建築物等の構造
  2. 工事着手の時期と工程の概要
  3. 分別解体等の計画
  4. 解体する建築物に用いられた建設資材の量の見込み
  5. その他の省令で定める事項

添付書類は、杉並区の案内では次のとおりです。自治体によって部数や必要書類が違うことがあります。

  • 届出書(様式第一号)
  • 分別解体等の計画等(解体工事は別表1)
  • 工事場所が分かる案内図
  • 現地の写真または設計図
  • 工程表
  • 発注者以外が届け出るときの委任状

分別解体の計画や資材の量の見込みは、施主が自分で書くのは難しい部分です。法第12条で、元請になろうとする業者は発注者に対して、これらを記載した書面を交付して説明しなければならないとされています。書面の説明がないまま契約を急かされたら、理由を尋ねてください。

建築物除却届は業者が出す

建築基準法第15条にもとづく届出で、建設リサイクル法の届出とは目的が違います。大阪府のFAQでも、両者は別の届出だと明記されています。

届出者は施主ではなく「除却の工事を施工する者」で、床面積の合計が10㎡以内なら不要です。江戸川区は工事を始める前日までに、建築主事を経由して都知事あてに出すよう案内しています。様式は国土交通省の第四十一号様式で、千葉県の案内によれば届出をしなかった場合などは50万円以下の罰金にあたる可能性があります。

建て替えで除却と建築の工事が同時期に行われるなら、建築工事届(第四十号様式)の中に除却建築物の概要を書く扱いがあります。この場合は除却届を別に出さないのが大阪府の案内です。

解体に確認申請は必要か

建築基準法第2条の定義では、「建築」は新築、増築、改築、移転を指します。除却は定義に含まれず、第15条の届出で扱われています。建物をまるごと壊すだけの工事で確認申請の話になることは、通常はありません。

例外的に気をつけたいのは次の2つです。

  • 建て替えでは、新しく建てる建物について確認申請が要る
  • 建物の一部だけを壊して残りを使い続ける場合は、残る部分の扱いを窓口で確認する

山口県の案内では、減築も除却の届出の対象とされています。一部解体を考えているときは、早めに建築指導の窓口に相談してください。

石綿の報告と届出は別に動く

石綿の手続きは、次の3段階に分かれます。解体する建物の規模によらず事前調査そのものは必要とする自治体の案内もあります。

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段階誰が内容
事前調査有資格者(建築物石綿含有建材調査者など)令和5年10月以降、建築物は有資格者が調査
結果の報告元請業者または自主施工者床面積80㎡以上の解体で、石綿の有無にかかわらず報告
作業の届出発注者または自主施工者吹付け石綿など対象の建材があれば、作業開始の14日前までに届け出る
環境省、厚生労働省の資料と自治体の案内をもとに整理しています

仙台市は、届出日を日数に数えないので実質15日前までの提出が必要と説明しています。石綿が見つかると工事の日程が動くことがあるので、調査は早めに頼んでください。費用や工程はアスベストと解体工事の記事にまとめています。

道路使用と騒音の手続き

敷地の外に足場や仮囲いを出すなら、港区の案内のとおり、道路管理者の道路占用許可と警察署の道路使用許可の2つが必要です。道路管理者は区道か都道か国道かで変わります。道路で重機を動かす計画の場合も警察署に相談します。

騒音規制法と振動規制法の特定建設作業に当たる作業を指定地域で行う場合は、工事を施工する者が作業開始の7日前までに市町村長へ届け出ます。対象の作業と基準は解体工事の騒音基準の記事で説明しています。

自治体が独自に定めている手続きも見落とせません。杉並区は、解体工事の7日前までの近隣説明や、延べ床面積80㎡以上の解体工事計画届出書を要綱で求めています。業者が地域の決まりを把握しているかは、見積もりの段階で聞いてください。

工事の前後で施主が確認すること

  • 建設リサイクル法の委任状を書いたか、届出の控えをもらったか
  • 元請業者から書面で説明を受けたか
  • 石綿の調査結果の説明を受けたか
  • 現場に届出済みの標識と調査結果の掲示があるか
  • 工事完了後に再資源化の報告を受けたか
  • 工事後1か月以内に建物滅失登記を申請したか

標識の内容については川崎市の届出ガイドに例があります。滅失登記の手続きは建物滅失登記の記事、証明書は取り壊し証明書の記事、工事全体の順番は解体工事の流れの記事で確認できます。届出の分担を契約書に書いてもらっておくと、解体工事のトラブルの予防にもなります。

解体の届出でよくある質問

解体の届出は施主と業者のどちらが出しますか?

建設リサイクル法の届出は発注者の義務で、委任状があれば業者が代理で提出できます。建築物除却届は工事の施工者が出します。石綿の結果報告は元請業者の役目です。

80㎡未満なら届出は何も要りませんか?

建設リサイクル法の届出は不要ですが、床面積10㎡を超えれば建築物除却届が必要です。自治体独自の近隣説明などの手続きがある地域もあります。工事場所の窓口で確認してください。

建設リサイクル法の届出書の記入例はどこで見られますか?

工事場所の自治体のサイトで探せます。杉並区や川崎市は記載例やガイドを公開しています。様式や必要書類の細かい点は自治体によって違うので、提出先の様式を使ってください。

解体に建築確認申請は必要ですか?

建物をまるごと壊すだけなら、建築基準法の建築の定義に当たらないため、通常は確認申請の話になりません。建て替えの新築部分には確認申請が要ります。一部解体は窓口に相談してください。

届出を出さずに工事をしたらどうなりますか?

建設リサイクル法では20万円以下の罰金が定められています。建築物除却届については、千葉県が50万円以下の罰金にあたる可能性があると案内しています。届出の控えは必ず受け取ってください。

まとめ

解体工事の届出は、建設リサイクル法が施主の義務、除却届と石綿の報告が業者側の役目という分担が基本です。次にやることは、床面積が80㎡以上かどうかを確かめ、業者に委任状の要否と各届出の担当者を聞いて、契約書か書面に残すことです。着手日は足場を組む日で数え、余裕を持って準備してください。費用面は解体費用の計算方法の記事で見積もりの考え方を確認できます。

参考資料

解体費用の全体像

木造の解体費用

RC造と鉄骨造の解体費用

建物の用途別

付帯工事と片付け

解体工事の流れと手続き

業者選びとトラブル

空き家の判断

施工の記録

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