監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。


鉄骨造の建物を解体するとき、費用は木造より高くなるのか、軽量鉄骨と重量鉄骨でどれくらい違うのかが気になると思います。鉄骨造は、プレハブの住宅やアパートから、倉庫、店舗、ビルまで幅広く使われている構造で、建物によって壊し方も金額も変わります。
この記事では、鉄骨造の解体費用の目安を軽量鉄骨と重量鉄骨に分けて示し、構造の見分け方、木造より高くなる理由、鉄くずの買取りで費用が下がる仕組み、見積もりで増えやすい項目を整理します。
全体の考え方は解体費用の計算方法と構造別の単価で整理しています。
解体費用の概算は「坪単価×延床面積」で出します。当サイトでは、建物本体の解体費を、軽量鉄骨造で坪単価4万〜6万円、重量鉄骨造で5万〜7万円程度と案内しています。これを延床面積ごとに当てはめると、次のとおりです。
| 延床面積 | 軽量鉄骨造(4万〜6万円/坪) | 重量鉄骨造(5万〜7万円/坪) |
|---|---|---|
| 20坪(約66㎡) | 80万〜120万円 | 100万〜140万円 |
| 30坪(約99㎡) | 120万〜180万円 | 150万〜210万円 |
| 40坪(約132㎡) | 160万〜240万円 | 200万〜280万円 |
| 50坪(約165㎡) | 200万〜300万円 | 250万〜350万円 |
| 100坪(約331㎡) | 400万〜600万円 | 500万〜700万円 |
この表は、建物本体を壊して運び出す費用の目安です。実際の見積もりでは、ブロック塀や駐車場などの付帯工事と、現場管理や届出の諸経費が加わります。延床面積は各階の床面積を足した広さなので、3階建てなら3フロア分を合計して計算してください。
鉄骨造は、柱や梁に使われている鋼材の厚さで、軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分けられます。一般には、厚さ6mm未満の鋼材を使うものを軽量鉄骨、6mm以上のものを重量鉄骨と呼びます。
| 比べる点 | 軽量鉄骨造 | 重量鉄骨造 |
|---|---|---|
| 鋼材の厚さ | 6mm未満 | 6mm以上 |
| よくある建物 | プレハブの住宅、アパート、小さな倉庫や事務所 | ビル、3階建て以上の建物、店舗、大きな倉庫や工場 |
| 解体の進め方 | 重機で解体できることが多く、比較的進めやすい | 太い柱や梁をガスで切断したり、専用の機械で切ったりする |
| 坪単価の目安 | 4万〜6万円 | 5万〜7万円 |
重量鉄骨は、柱や梁が太く重いため、小さく切り分けてから運び出す作業に手間がかかります。高さのある建物では、上の階から順に解体するための重機や足場も大がかりになります。坪単価が軽量鉄骨より高いのは、主にこの作業量の違いによるものです。
見積もりを頼む前に、建物が軽量鉄骨か重量鉄骨かが分かっていると、届いた見積もりが妥当かを判断しやすくなります。構造は、次の書類で確かめられます。
登記に「鉄骨造」とだけ書かれている場合は、軽量か重量かまでは分からないことがあります。そのときは図面で確かめるか、現地調査で業者に見てもらってください。
鉄骨造の解体費用は、木造より高く、鉄筋コンクリート造(RC造)より安いのが一般的です。当サイトの案内している坪単価を並べると、次のようになります。
| 構造 | 坪単価の目安 | 30坪の本体費の目安 |
|---|---|---|
| 木造 | 3万〜6万円 | 90万〜180万円 |
| 軽量鉄骨造 | 4万〜6万円 | 120万〜180万円 |
| 重量鉄骨造 | 5万〜7万円 | 150万〜210万円 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 6万〜10万円 | 180万〜300万円 |
同じ30坪でも、構造が変わるだけで本体費の目安は大きく動きます。構造ごとの坪単価と、本体費に足す費用の計算方法は解体費用の計算方法の記事で、木造の場合の目安は木造二階建ての解体費用の記事で解説しています。
鉄骨造の解体に手間がかかるのは、骨組みが鉄でできているためです。木造なら重機でつかんで崩せる部分も、鉄骨造では切断しながら進める必要があります。
坪単価の幅のどこに入るかは、立地にも左右されます。前の道が広く、大きな重機とトラックを建物の前に止められる現場は作業が早く進みます。反対に、道が狭い、隣の建物と近い、敷地の奥に建っているといった現場では、小さな重機に切り替えたり、切断した鉄骨を細かくしてから運んだりするため、手間が増えます。
一方で、鉄骨造には木造にない利点もあります。解体で出た鉄骨は、鉄くずとして引き取ってもらえることがあるのです。
鉄骨造の解体では、柱や梁、屋根材などから大量の鉄くずが出ます。鉄くずは資源として価値があるため、有価物として引き取られ、その分を解体費用から差し引いてくれる業者があります。
ただし、鉄くずの価格は鉄の相場によって変わります。見積もりを取った時期と工事の時期で価格が変わることもあるので、次の点を確認しておくと安心です。
複数の見積もりを比べるときは、買取りを差し引く前の金額と、差し引いたあとの金額を分けて見ると、業者ごとの違いが分かりやすくなります。
鉄くず以外の廃材は、コンクリート、外壁材、内装材などに分けて処分場へ運びます。解体で出た廃材は産業廃棄物として扱われ、マニフェスト(産業廃棄物管理票)で処分までの流れを確かめられます。処分の内容に不安があれば、業者にマニフェストの写しを見せてもらえるかを聞いておくとよいでしょう。
鉄骨造の見積もりで、本体費のほかによく出てくる項目です。建物の使い方によって、出てくる項目が変わります。
| 項目 | 内容 | 増えやすい建物 |
|---|---|---|
| アスベスト対応 | 事前調査と、含まれていた場合の除去。鉄骨の耐火被覆の吹付け材や、屋根や外壁のスレートに含まれていることがある | 古い倉庫、工場、ビル |
| 付帯工事 | ブロック塀、フェンス、駐車場の舗装、看板、植栽の撤去 | 店舗、敷地の広い倉庫 |
| 杭の撤去 | 地中に打ち込まれた杭を抜く工事 | 重量鉄骨のビルや大きな建物 |
| 地中障害物 | 古い基礎や浄化槽、配管など、地中から出た物の撤去 | 建て替えを繰り返した土地 |
| 残置物の処分 | 家具、機械、商品、書類などの処分 | 使われなくなった倉庫や工場 |
鉄骨の柱や梁には、火事に備えて耐火被覆の吹付け材が施されていることがあり、古い建物ではこの吹付け材にアスベストが含まれている場合があります。除去の流れはアスベストがある建物の解体工事ガイドに、杭を抜く費用の考え方は杭抜き費用の記事にまとめています。建物の用途別には、倉庫の解体工事の記事やオフィスビルの解体費用の記事も参考にしてください。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 建設リサイクル法の届出 | 床面積の合計が80㎡以上の建物を解体するときに必要です。延床30坪(約99㎡)の建物なら対象になります。工事の7日前までに届け出ます |
| アスベストの事前調査 | 建物の解体では、規模にかかわらず事前の調査が必要です。一定規模以上は結果の報告も必要です |
| ライフラインの停止 | 電気、ガス、通信の停止と撤去を依頼します。水道は工事で使うことがあるので、業者と止める時期を決めます |
| 建物滅失登記 | 解体が終わってから1か月以内に、法務局で行います |
鉄骨造の住宅やアパートを解体して更地にすると、土地の固定資産税を軽くする住宅用地の特例が使えなくなり、税額が上がることがあります。固定資産税は毎年1月1日時点の状態で決まるので、解体の時期は建て替えや売却の予定とあわせて決めてください。くわしい扱いは、土地のある市区町村の資産税の窓口で確認できます。
鉄骨造の解体は、切断の作業があるぶん、同じ広さの木造より工期が長くなりやすいです。建物の高さ、アスベストの有無、重機の入りやすさでも変わるので、工期は見積もりの段階で確認してください。
書類で構造を確かめ、業者に建物と前面道路、付帯物を見てもらいます。
鉄くずの扱いを含めて見積もりを比べ、建設リサイクル法の届出とアスベストの調査を済ませます。
足場と防音シートで囲み、内装材や設備を外して分別します。
外壁材を外したあと、鉄骨を切断しながら上から順に解体します。
基礎を掘り起こして運び出し、土地をならします。工事が終わったら1か月以内に滅失登記をします。
鉄骨造のビルを実際に解体した流れは、東京のビル解体工事の記事で現場の写真とあわせて紹介しています。
見積もりのあとで追加の費用が出るのを防ぐ確認点は見積もりトラブルの記事に、見積書の項目の読み方は解体工事の費用内訳の記事にまとめています。
建物本体の解体費は、軽量鉄骨造なら坪単価4万〜6万円で120万〜180万円、重量鉄骨造なら5万〜7万円で150万〜210万円が目安です。付帯工事や諸経費は別にかかります。
登記事項証明書の構造欄や、建築確認の書類、設計図で確かめられます。分からない場合は、現地調査で業者に見てもらってください。
鉄の相場によって変わるため、一定の金額は示せません。見積もりに買取りが反映されているか、どの時点の相場で決めるかを業者に確認してください。
ハウスメーカーのプレハブ住宅には、軽量鉄骨を骨組みに使ったものが多くあります。木質系のプレハブもあるので、構造は書類で確認してください。
延床面積は各階を足した広さなので、1階と2階の床面積を合計して坪単価を掛けます。アパートは部屋ごとに設備や残置物があるため、本体費のほかに処分費が増えることがあります。
建物の解体では、アスベストの事前調査が必要です。鉄骨の耐火被覆や、屋根や外壁のスレートに含まれていることがあり、見つかった場合は除去の費用が加わります。
鉄骨造の解体費用は、建物本体で軽量鉄骨造が坪単価4万〜6万円、重量鉄骨造が5万〜7万円×延床面積が目安です。重量鉄骨は切断の手間で高くなりやすく、古い建物ではアスベストの対応が加わることがあります。一方で鉄くずの買取りで費用が下がることもあるので、構造の書類を用意し、買取りの扱いまでそろえた見積もりを比べてください。