監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。



この記事は神奈川県知事許可(登-3)第2636号を持つ解体業者・株式会社インシュアラ(代表 金松裕基・解体実績1,000件超)が監修しています。神奈川県19市の解体補助金を各市の公式サイトで一つずつ確認し、制度がない市も含めて正直に整理しました。あわせて、補助金より金額インパクトが大きい国の税制優遇についても、国税庁のタックスアンサーと条文にあたって解説します。
㈱インシュアラ代表取締役社長 金松裕基こんにちは、株式会社インシュアラ代表の金松です。補助金のご相談で一番多い失敗が「契約してから申請しようとして、対象外になった」というケースです。解体の補助金はほぼすべてが着工前の交付決定を条件にしているので、業者を決めるより先に市に相談するのが正解です。この記事では、お住まいの市で何が使えるかを先に確認できるよう、19市を一覧にしました。使えない市についても、なぜ使えないのかまで書いています。
まず全体像を整理します。「解体の補助金」と一口に言われますが、実際には性格の異なる3種類の支援が混在しています。これを区別しないと、探す場所を間違えます。
| 層 | 種類 | 受け取り方 | 金額の規模 |
|---|---|---|---|
| 国 | 税制優遇(相続空き家3,000万円特別控除など) | 確定申告で税金が減る | 数百万円規模になることも |
| 県 | 市町村への財政支援が中心 | 県民が直接受け取る解体補助はなし | ― |
| 市 | 解体・除却費への補助金 | 申請して交付を受ける | 上限20万〜100万円程度 |
多くの方が市の補助金を探しますが、相続した空き家を売却する場合、国の3,000万円特別控除のほうが桁違いに金額が大きいケースがあります。
たとえば譲渡所得が1,000万円出た場合、この控除を使えば課税所得がゼロになり、税額で200万円前後の差が生じることもあります(税率は所有期間等で異なります)。市の補助金の上限が50万円であることを考えると、優先順位は明らかです。
ただしこの控除には「相続開始から3年目の年末まで」という期限があります。補助金を探しているうちに期限を逃す、というのが最も避けたい失敗です。詳しくは後の章で解説します。
市の制度をさらに分解すると、目的によって4つの系統に分かれます。同じ「解体に使える補助金」でも、成り立ちが違うため要件がまったく異なります。
| 系統 | 制度の目的 | 典型的な要件 | 更地のまま可か |
|---|---|---|---|
| 耐震系 | 倒壊の危険がある建物を減らす | 旧耐震(昭和56年5月31日以前着工)、耐震診断評点1.0未満 | 制度による |
| 空き家系 | 管理不全の空き家を減らす | 空き家であること、老朽度の判定 | 可が多い |
| 建替え系 | 住宅の更新を促す | 建替えが前提 | 不可 |
| 防災系 | 延焼・避難路確保 | 対象地区の限定、沿道条件 | 制度による |
この分類を知っておくと、「うちは対象になるか」を素早く判断できます。たとえば「相続した空き家を解体して更地で売りたい」という場合、建替え系の制度は最初から対象外です。逆に「古い家を壊して新築したい」なら建替え系が使えます。
解体補助金の多くが「昭和56年(1981年)5月31日以前に着工」を条件にしています。これは建築基準法の耐震基準が改正された日で、これ以前を「旧耐震」、以後を「新耐震」と呼びます。
確認方法は建物の登記事項証明書(法務局)または固定資産税の課税明細書です。建築確認済証があればそちらでも分かります。ここが新耐震だと、使える制度が一気に減ります。
「更地のまま売る」のか「建て替える」のかで、使える制度が変わります。建替え系の補助は更地のままでは使えません。逆に空き家系の補助は、更地にすることを前提としている制度が多くあります。
また相続空き家の3,000万円特別控除を使う場合は売却が前提になるため、建替えとは両立しません。出口を先に決めてから制度を選んでください。
これが最も重要です。ほぼすべての制度で「着工前の交付決定」が条件になっており、契約や着工の後に申請しても対象外になります。
さらに耐震診断が必要な制度では、診断→申請→交付決定→契約→着工という順序になるため、数か月かかることもあります。解体を思い立った時点で市に電話するのが正解です。
市の補助金より先に確認すべき制度です。正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(国税庁タックスアンサー No.3306/根拠法令:所法33、措法35、措令20の3・23、措規18の2)。
制度は平成28年4月1日から適用されており、令和5年度税制改正で4年間延長されて現在の期限になっています。2つの期限の両方を満たす必要があるため、たとえば令和6年に相続が発生した場合、個別期限は令和9年12月31日となり、制度期限とほぼ同時に来ます。相続から時間が経っている方は、まず期限を計算してください。
まず建物が「被相続人居住用家屋」に該当する必要があります。相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋で、次のすべてに当てはまるものが対象です(主として被相続人の居住の用に供されていた一の建築物に限られます)。
| 要件 | 内容 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 建築時期 | 昭和56年5月31日以前に建築されたこと | 登記事項証明書 |
| 建物の種類 | 区分所有建物登記がされている建物でないこと | 登記事項証明書(分譲マンションは対象外) |
| 居住状況 | 相続開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと | 住民票の除票等 |
解体補助金の多くも「昭和56年5月31日以前」を条件にしているため、この控除の対象になる建物は、市の補助金の対象にもなりやすいという関係にあります。両方使える可能性があるので、必ず両方を確認してください。
被相続人が亡くなる前に老人ホーム等に入所していたケースでも、一定の条件下で適用できます(国税庁 No.3307)。
これらを満たす場合、入所直前まで居住していた家屋(従前居住用家屋)が対象になります。「亡くなる直前は施設にいたから対象外」と諦める方が多いのですが、諦める前に必ず確認してください。
| # | 要件 | 注意点 |
|---|---|---|
| 1 | 相続または遺贈(死因贈与を含む)により取得した相続人(包括受遺者を含む)であること | ― |
| 2 | 後述のイ・ロ・ハいずれかの売却形態に該当すること | 相続時から譲渡時まで事業・貸付け・居住の用に供されていないことが前提 |
| 3 | 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること | 制度期限(令和9年12月31日)も満たす必要あり |
| 4 | 売却代金が1億円以下であること | 分割売却・他の相続人の売却分も合算して判定 |
| 5 | 他の特例の適用を受けていないこと | 相続税の取得費加算等と併用不可 |
| 6 | 同一の被相続人について1回限り | ― |
| 7 | 特別の関係がある人への売却でないこと | 親子・夫婦等は不可 |
売却代金1億円以下という要件は、「適用を受けて売却した日から3年を経過する日の属する年の12月31日」までの分を合算して判定します。土地を分割して複数回に分けて売った場合や、他の相続人が持分を売った場合も合算されます。
後から合計が1億円を超えたときは、その売却の日から4か月以内に修正申告と納税が必要です。分割売却を考えている場合は、事前に税理士に相談してください。
令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡について、適用パターンに「ハ」が追加されました。解体費用の負担タイミングに直結する重要な改正です。
| パターン | 内容 | 解体費の負担 |
|---|---|---|
| イ | 家屋(または家屋+敷地)を売る。譲渡の時において一定の耐震基準を満たすこと | 耐震改修費が必要 |
| ロ | 家屋の全部の取壊し等をした後に敷地を売る | 売主が先に負担 |
| ハ (令和6年〜) | 譲渡の時から譲渡日の属する年の翌年2月15日までの間に、一定の耐震基準を満たすこととなった、または家屋の全部の取壊し等が行われたこと | 譲渡後でも可 |
国土交通省は「これまでは、譲渡の時までに家屋を耐震改修…又は除却を行った場合のみが対象とされていましたが、令和6年1月1日以降の譲渡については、譲渡の時から譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに家屋の耐震改修又は除却工事を行った場合も対象となりました」と説明しています。
この改正について「買主が引き渡し後に解体しても控除が使える」と書いている記事を多く見かけますが、国税庁・国土交通省の本文に「買主が」という主体の明示はありません。
条文上は「譲渡の時から翌年2月15日までの間に耐震基準適合または全部の取壊し等が行われたこと」という結果要件です。国土交通省の図では譲渡後の工事として図示されており、実務上は買主が行う想定と考えられますが、契約でどちらが工事を担うかは個別に取り決める事項です。
売主が解体費を先に負担せずに売却できるケースが増えたのは事実ですが、「買主が必ず解体してくれる」わけではありません。売買契約時に、誰がいつまでに解体するかを明確にしておく必要があります。
令和6年1月1日以後に行う譲渡で被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円までとなります。
国税庁 タックスアンサー No.3306
ここで数えるのは「家屋および敷地を相続または遺贈により取得した相続人の数」であって、法定相続人の数ではありません。
| ケース | 法定相続人 | 家屋・敷地を取得した人 | 控除額 |
|---|---|---|---|
| A | 4人 | 2人 | 3,000万円 |
| B | 4人 | 4人 | 2,000万円 |
| C | 3人 | 1人 | 3,000万円 |
| D | 3人 | 3人 | 2,000万円 |
遺産分割の内容によって控除額が1,000万円変わります。分割協議の段階でこの点を意識しておくと、結果的に手取りが増える可能性があります。ただし分割方法は相続人間の合意事項であり、税額だけで決めるべきものではありません。税理士に試算してもらったうえで判断してください。
| 制度 | 併用 | 内容 |
|---|---|---|
| 相続税の取得費加算(措法39) | 不可 | 適用要件で明確に排除されている。どちらが有利か試算して選ぶ必要がある |
| 自己の居住用財産の3,000万円特別控除(措法35①) | 条件付きで可 | 同一年中の併用は可能だが、合計3,000万円が限度(措置法通達35-7) |
| 住宅ローン控除 | 可 | 国税庁No.1211-1で、この特例は排除対象から除外されている |
| 市の解体補助金 | 制度上は別枠 | それぞれの要件を満たせば併用できると考えられる(後述) |
確定申告書に次の書類を添付して所轄税務署に提出します。このうち「被相続人居住用家屋等確認書」だけは税務署ではなく市区町村への申請が必要なので、早めに動いてください。
| 確認書の様式 | 対応するケース |
|---|---|
| 様式1-1 | 譲渡時に耐震基準に適合している場合 |
| 様式1-2 | 取壊し後の譲渡の場合 |
| 様式1-3 | 譲渡から翌年2月15日までに耐震改修または取壊しをした場合(令和6年〜) |



確認書の申請でよく見落とされるのが、電気・水道・ガスの使用中止日が確認できる書類です。「相続開始直前まで被相続人が住んでいて、その後は使われていない」ことを証明する資料として求められます。解体の際にライフラインを止めた記録は必ず残しておいてください。当社では解体前にこの点をご案内しています。
なお国税庁のタックスアンサーNo.3306は「令和7年4月1日現在法令等」として掲載されています。令和8年度税制改正における本特例の変更・再延長の有無については、財務省・国土交通省・国税庁のいずれの公表資料でも確認できませんでした。実際に売却を進める際は、その時点での国税庁の最新情報と税理士への確認をおすすめします。
解体すると税金が増える——この不安から解体を先送りする方が多くいます。補助金で数十万円を得ても、税金が増えれば意味がないのではないか、という懸念です。結論から言うと、この「増える」は多くの場合、想像されているほど大きくありません。
| 区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | 根拠条文 |
|---|---|---|---|
| 小規模住宅用地(住戸1戸あたり200㎡以下の部分) | 価格 × 1/6 | 価格 × 1/3 | 地方税法349条の3の2第2項/702条の3第2項 |
| 一般住宅用地(200㎡超の部分) | 価格 × 1/3 | 価格 × 2/3 | 地方税法349条の3の2第1項/702条の3第1項 |
| 非住宅用地(更地・店舗等の敷地) | 価格がそのまま本則課税標準額 | 同左 | ― |
「神奈川県の解体補助金」を探している方に、まず結論をお伝えします。神奈川県が県民に直接交付する解体・除却工事費の補助制度は、確認した範囲では見当たりませんでした。
県の空き家対策ページ(2026年7月17日更新)を確認すると、県の役割は「神奈川県空家等対策計画(モデル計画)」の策定と市町村支援、空き家調査・利活用マニュアルの作成、『わが家の終活ノート』の作成・配布となっており、解体・除却費の補助に関する記述はありません。耐震分野については県が「県内の市町村では、耐震診断や耐震改修費用の全部または一部について補助を行っておりますので、ぜひ積極的な活用をご検討ください」と市町村制度へ誘導しています。
県の公式ページで「解体費の県補助はありません」と明言している記述は見つかりませんでした。確認したのは空き家施策ページ、「住宅の解体・新築工事をするときは」(建設リサイクル法の届出手続のみ記載)、県内自治体の助成金制度ページ、がけ地関連の助成金制度です。
したがって正確には「県の公表資料を確認した範囲では、解体工事費を県が直接補助する制度は見当たらない」という表現になります。
県が建築物所有者に直接交付する制度として確認できたのが「神奈川県民間建築物吹付けアスベスト等補助事業費補助金」です。ただし重要な制約があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助対象 | アスベスト含有調査の費用のみ(除去工事費は対象外) |
| 上限額 | 1棟当たり25万円(一検体のみの場合は16万円) |
| 交付の仕組み | 市町村を経由せず、県が直接交付 |
| 対象建築物 | 平成元年以前に建築確認を得て着工し、アスベスト含有のおそれのある吹付け材があるもの。かつ①不特定多数が利用する延べ面積300㎡以上1,000㎡未満、または②エレベーターがある建築物(昇降路・機械室部分に限る) |
| 問合せ | 県土整備局建築住宅部 建築安全課 045-210-6257 |
そして最も注意すべきなのが対象市町村が限定されている点です。
| 区分 | 市町村 |
|---|---|
| 対象(21市町村) | 逗子市・三浦市・伊勢原市・海老名市・座間市・南足柄市・綾瀬市・葉山町・寒川町・大磯町・二宮町・中井町・大井町・松田町・山北町・開成町・箱根町・真鶴町・湯河原町・愛川町・清川村 |
| 対象外 | 横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・鎌倉市・小田原市・秦野市・厚木市・大和市 |
県内人口の大半を占める主要市が軒並み対象外です。これはこれらの市が独自に同様の制度を持っているためと考えられますが、県のページにその旨の説明はありません。お住まいの市が対象外の場合は、市の制度を確認してください。
なお令和8年度の受付状況については、県のページ・チラシに年度・受付期間・予算の表記が一切ありませんでした(年度を明示しない常設ページの形式)。利用を検討される場合は建築安全課へ直接お問い合わせください。
補助金とは別に、神奈川県は県が委託した分析会社から有資格者を派遣し、最大2検体の分析調査を無料で行う事業を実施しています(2026年6月25日更新)。採取後の簡易補修も含まれます。
「予算がなくなり次第受付終了」とされているため、アスベストの可能性がある建物をお持ちの方は早めの確認をおすすめします。前述の補助金が調査費の一部補助であるのに対し、こちらは調査そのものを無料で受けられる制度です。
「国の解体補助金」を探す方もいますが、確認した範囲では、個人が国に直接申請できる解体・除却の補助制度は見当たりませんでした。
国の代表的な制度が「空き家対策総合支援事業」です。国土交通省の令和8年度概要資料(令和8年4月20日更新)を確認すると、その性格が明確に書かれています。
空家法の空家等対策計画に基づき市区町村が実施する空き家の除却・活用に係る取組や、NPOや民間事業者等が行うモデル性の高い空き家の活用・改修工事等に対して支援
国土交通省「空き家対策総合支援事業」令和8年度概要資料
セクションの見出し自体が「空き家の除却・活用等への支援(市区町村向け)」と明記されています。補助率の構造を見ると、この事業の性格がさらにはっきりします。
| 実施主体 | 国 | 地方公共団体 | 所有者 |
|---|---|---|---|
| 空き家の所有者が除却を実施 | 2/5 | 2/5 | 1/5 |
| 市区町村が除却を実施 | 2/5 | 3/5 | ― |
| 代執行等 | 1/2 | 1/2 | ― |
| 空き家の所有者が活用を実施 | 1/3 | 1/3 | 1/3 |
所有者が実施するケースでも負担割合表に必ず「地方公共団体」が入っています。つまり市区町村が独自の補助制度を作っていて初めて、この国費が使える仕組みです。個人が国に直接申請する窓口はありません。
国土交通省の「国土交通省における空き家対策支援メニュー等」でも、行「解体・撤去」×列「所有者」のセルに「空き家対策総合支援事業 ※地方公共団体が支援制度を作っている場合に利用可能」と明記されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 令和8年度当初予算 | 59億円の内数 |
| 事業期間 | 令和8年度〜令和12年度 |
| 主な補助対象 | ①空き家の除却 ②空き家の活用(10年以上活用のための改修)③除却後の土地の整備 ④活用/除却判断のフィージビリティスタディ ⑤空き家の実態把握 ⑥所有者の特定 ⑦空家等管理活用支援法人の業務 ⑧代執行等の法務的手続 ほか |



この構造を知っておくと、探し方が変わります。「国の補助金はないか」と探すのではなく、「自分の市が国の事業を使った制度を作っているか」を確認するのが正しい順序です。市の補助金の原資に国費が入っているケースは多く、実質的には国の支援を受けていることになります。窓口は常に市です。
神奈川県は「県内市町村における耐震診断・改修補助一覧」(令和8年4月現在)を公表しており、各市町村が除却費を補助対象としているかが確認できます。市の個別ページを一つずつ見る前に、この一覧で当たりをつけるのが効率的です。
| 区分 | 市町 |
|---|---|
| 除却費の補助あり | 横浜市・川崎市・相模原市・平塚市・鎌倉市・藤沢市・小田原市・茅ヶ崎市・厚木市・伊勢原市・海老名市・綾瀬市・箱根町 |
| 除却費の行がない | 秦野市・南足柄市 ほか |
上記は耐震診断・改修の補助一覧なので、耐震とは別系統の「空き家系」の解体補助(たとえば厚木市の老朽空き家解体工事補助金)は掲載されていない場合があります。実際、厚木市には耐震系の除却補助と空き家系の解体補助の2制度がありますが、一覧に載るのは耐震系のみです。
したがってこの一覧で「除却費の行がない」市でも、空き家系の別制度がある可能性は残ります。最終的には市の公式ページと窓口で確認してください。
ここからは市ごとの詳細です。各市の公式サイトと交付要綱にあたって確認しました。金額だけでなく、見落としやすい要件まで書いています。
| 市 | 制度 | 上限額 | 空き家に使えるか | 建替え前提 |
|---|---|---|---|---|
| 小田原市 | 木造住宅除却工事補助金 | 45万円(1/2) | 条件付きで可 | 不要 |
| 秦野市 | 解体単体の補助は、確認した範囲では見当たりません | |||
| 厚木市A | 老朽空き家解体工事補助金 | 50万円(1/2) | 1年以上の空き家が必須 | 不要 |
| 厚木市B | 木造住宅除却工事補助金 | 50万円(1/2) | 不問 | 不要 |
| 伊勢原市 | 木造住宅耐震改修工事等補助(除却) | 25万円/沿道50万円 | 不可(居住が要件) | 判別不能 |
| 南足柄市 | 木造住宅除却工事補助 | 20万円(1/2) | 不可(居住が要件) | 必須 |
相続した空き家を解体したい方が最も誤解しやすいのがここです。伊勢原市と南足柄市の制度は「現に居住している」ことが要件のため、空き家には使えません。
逆に厚木市の老朽空き家解体工事補助金は「1年以上空き家であること」が必須で、居住中の家には使えません。制度は目的が異なると、要件が正反対になります。金額の大きさだけで比較すると、申請段階で対象外と判明することになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 木造住宅除却工事補助金(要綱表記:小田原市木造住宅除却工事費補助金) |
| 金額 | 除却工事費の1/2、上限45万円(千円未満切捨)。非課税世帯加算なし |
| 対象建物 | 昭和56年5月31日以前着工の一戸建住宅/地上2階以下の木造(枠組壁工法・プレハブは除く) |
| 耐震評点 | 1.0未満 |
| 立地条件 | 次のいずれかに該当すること ①緊急輸送道路に面する ②防火地域内 ③空家等対策支援システム登録の空家等 |
| 申請 | 着工前の交付決定が必須。審査に約1か月。事前協議必須。申請前に市職員による簡易耐震診断(立会必須) |
| 担当課 | 都市部 建築指導課 指導係 0465-33-1433/空家等対策支援システム登録の確認は都市政策課 0465-33-1307 |
| 令和8年度 | 受付中(2026年6月9日更新で開始を告知)。受付期間はパンフレット表記で5月上旬〜11月末 |
なお小田原市には除却補助の交付決定を受けた方を対象とした【フラット35】地域連携型(空き家)との連携があります(当該土地に住宅を建築することが要件)。解体後に新築を予定している場合は、金利優遇の対象になる可能性があります。
ブロック塀撤去補助は1mあたり1万円・上限10万円ですが、「家屋等の建て替え又は解体を伴う工事ではないもの」が条件で、住宅解体とセットの塀撤去は明確に対象外です(要綱第2条ただし書と別表で二重に規定)。申請期間は令和8年5月11日〜11月27日、先着順。担当は防災部防災対策課(0465-33-1855)です。
秦野市については、建物の解体・除却そのものに使える市の補助制度が確認できませんでした。次の範囲で確認しています。
| 確認したページ | 結果 |
|---|---|
| 木造住宅の耐震診断・補強設計・耐震改修工事の支援 | 補助は耐震診断/補強設計/耐震改修工事の3種のみ。「除却」「解体」「建替え」の語がページ内に一切出現しない |
| 市の補助金一覧 | 除却・解体の補助金の掲載なし |
| 空家の管理及び活用促進補助金 | メニューは「適正管理(家財処分・庭木伐採)」「活用促進(リフォーム)」のみ。建物除却は対象外 |
| 空家の利活用・売却・解体を検討している方へ | 民間事業者との連携協定による解体費用シミュレーター等の案内のみ。市独自の解体補助の記載なし |
| 防災課 補助制度一覧(6制度) | 建物除却の補助なし |
さらに神奈川県が公表する「県内市町村における耐震診断・改修補助一覧」(令和8年4月現在)でも、秦野市の行には除却費の項目がありません(小田原市・厚木市・伊勢原市には除却費の行があります)。市側・県側の双方で確認できないため、確度の高い結論と考えられます。
関連PDFの一部が取得できなかったため、「確認した範囲では見当たらない」という表現にとどめます。制度は年度ごとに新設されることもあります。
秦野市で解体をご検討の方は、念のため次の窓口にご確認ください。
・空家関連:都市部 交通住宅課 住宅政策・移住相談担当 0463-82-9642
・木造住宅耐震:都市部 建築指導課 建築指導担当 0463-83-0883
なお秦野市の危険ブロック塀等防災工事補助金は補助率75%・上限50万円と県内でも手厚い水準です(市の算出単価1㎡=5,000円、市算出額と業者見積の低い方)。対象は自己居住の土地で、宅地と公衆用道路の間にある敷地面から50cm以上の塀・門柱の撤去費用のみ。「ブロック塀等の撤去後では、申請ができません」と明記されているため着工前の連絡が必須です。住宅解体とセットの場合の可否は当該ページに記載がなく、防災課(0463-82-9621)への確認が必要です。
厚木市は県西5市で唯一、空き家ルートと耐震ルートの2つの制度を持ちます。どちらも上限50万円ですが、要件がまったく異なり、併用はできません。
| 比較項目 | A:老朽空き家解体工事補助金 | B:木造住宅除却工事補助金 |
|---|---|---|
| 金額 | 1/2・上限50万円 | 1/2・上限50万円 |
| 空き家要件 | 1年以上空き家であることが必須 | 不問 |
| 建築時期 | 不良度評点100点以上、または昭和56年5月31日以前建築+老朽度評点100点以上 | 平成12年5月31日以前着工(令和8年度から拡充) |
| 耐震診断 | 不要 | 市の耐震診断補助を受け、補強が必要とされたものに限る |
| 耐震評点 | ― | 総合評点1.0未満 |
| 工事内容 | 敷地を更地にする工事(樹木や塀なども全て除却) | 木造住宅を全て除却 |
| 担当課 | 住宅課 住宅政策係 046-225-2330 | 建築指導課 建築指導係 046-225-2434 |
| 令和8年度受付 | 年度表記の記載なし | 5月7日から。5月上旬〜12月頃・先着順 |
厚木市の資料には「非課税世帯の割増 上限50万円/戸」という記載がありますが、これは耐震改修工事補助に対するもので、除却補助には適用されません。県の一覧でも同様の記載位置になっています。
「非課税世帯なら解体費が100万円補助される」という誤解が生じやすい箇所です。除却補助の上限はあくまで50万円です。
どちらを選ぶべきかの判断は単純です。相続した空き家で1年以上使っていないならA(老朽空き家解体)、居住中または空き家期間が1年未満で耐震診断を受けられるならB(木造住宅除却)になります。ただしBは市の耐震診断補助を先に受けることが前提なので、スケジュールに余裕が必要です。
厚木市の危険ブロック塀等防災工事補助金は見積工事費の75%・上限30万円(高さ0.65m以上・長さ1m以上で道路に面する塀)。担当は危機管理課(046-225-2190)。住宅解体とセットの場合の直接的な除外文言はありませんが、要綱第3条ただし書に「この要綱以外の要綱により、補助金の交付を受けている場合又は受ける見込みがある場合」は対象外との規定があるため、解体補助と併せて使えるかは事前確認が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 伊勢原市木造住宅耐震改修工事等補助制度の1メニュー(要綱第2条(7)で「除却工事」を定義) |
| 金額 | 木造住宅:1/2・上限25万円/沿道木造住宅:2/3・上限50万円(消費税は補助対象外・千円未満切捨) |
| 対象建物 | 昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工/在来軸組工法・地上2階以下の一戸建または併用住宅 |
| 耐震評点 | 上部構造評点1.0未満 |
| 対象者 | 自ら所有し、居住する者(所有者非居住の場合は配偶者・一親等親族が自己居住する場合のみ) |
| 施工業者の条件 | 建設業許可または解体工事業登録を受けた業者であること。耐震診断技術者による工事監理が必須 |
| 申請 | 着工前の交付決定が必要。事前相談必須。実績報告は同一年度の3月20日まで |
| 担当課 | 都市部 建築住宅課 開発調整係 0463-94-4783(市役所2階9番窓口・要予約) |
| 令和8年度 | 受付中(「令和8年度の申請受付を開始しました」と告知) |
なお施工業者に「建設業許可または解体工事業登録」を求めている点は、業者選びに直結します。無登録業者に依頼すると補助対象外になるため、契約前に許可番号を確認してください。確認方法は神奈川県の解体業者の選び方で解説しています。
伊勢原市の危険ブロック塀等撤去等補助金は、道路面が1/2・1mあたり1万円・上限10万円、通学路は3/4・1mあたり1.5万円・上限15万円と手厚くなっています。事前調査申請で危険と判定された場合のみ交付申請が可能。申請期間は令和8年5月1日〜令和9年1月31日、先着順。担当は危機管理課(0463-94-4865)。対象外は「他の助成又は補償を受けて撤去する者」および「販売又は収益を目的として整地、宅地造成又は解体工事をする際に撤去する者」で、小田原市のような「解体とセットは一律対象外」という規定ぶりではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 木造住宅除却工事補助(「木造住宅の耐震化事業」の1メニュー) |
| 金額 | 除却工事費(消費税除く)の1/2以内、最大20万円 |
| 対象建物 | 平成12年5月31日以前に建築された一戸建/2世帯/店舗・事務所併用住宅(旧耐震に限定されない)/2階建て以下の在来軸組工法 |
| 耐震評点 | 総合評点1.0未満、または耐震診断調査票で倒壊の危険性ありと判断された旧耐震基準木造住宅 |
| 最重要要件 | 「現に居住し、建替えを目的とした建築物」=居住要件と建替え前提の両方が必須 |
| 申請 | 着工前申請が必須。「補助金交付申請を行う前に着手した除却工事については、補助金の交付はできません」 |
| 担当課 | 建築営繕課 建築営繕班 0465-73-8058(市役所2階) |
| 令和8年度 | 受付中。締切は令和8年12月28日(月)。件数上限に達した場合は受付終了の可能性あり |
南足柄市の制度は県西5市で最も要件が厳しいと言えます。「現に居住している」かつ「建替えを目的とする」の両方を満たす必要があるため、相続した空き家を解体して更地で売る、という使い方はできません。
神奈川県の「耐震改修補助一覧(令和8年4月現在)」の南足柄市の行には除却費の記載がありません(改修工事1/2・上限100万円のみ)。一方、市の公式ページ(2026年5月1日更新)には除却工事補助20万円が明記されています。
市公式ページのほうが新しく、かつ一次情報のため市の記載を採用していますが、利用を検討される場合は建築営繕課(0465-73-8058)への確認を強くおすすめします。
南足柄市の危険ブロック塀等安全対策補助金は撤去費用(消費税除く)の1/2以内・最大20万円。道路に面する高さ1m以上の塀で、点検表により危険と判断されたものが対象。締切は令和8年12月28日(月)。対象外は「他の助成又は補償を受けて撤去を行う場合」「販売又は収益を目的として整地、宅地造成や解体工事をする際に撤去する場合」で、自己居住住宅の建替え解体に伴う撤去の可否は明記されていないため事前相談が必要です。
このエリアは制度の有無と要件の差が県内で最も大きい区域です。上限50万円まで出る市がある一方、解体費への補助がまったくない市も2つあります。
| 市 | 解体費補助 | 上限額 | 建替え前提 | 空き家に使えるか | 対象建築年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 海老名市 | あり | 50万円(基本30万+加算) | 不要 | 可(+10万円加算) | 昭和56年5月31日以前 |
| 茅ヶ崎市 | あり | 36万円/路線接道45万円 | 不要 | 可(要件なし) | 昭和56年5月31日以前 |
| 平塚市 | あり | 36万円/非課税50万円 | 必須 | 不可(貸家等も対象外) | 昭和56年以前 |
| 綾瀬市 | あり | 30万円(2/3) | 不要 | 不可(居住実態が必要) | 平成12年5月31日以前 |
| 藤沢市 | 沿道建築物のみ | 上限1,100万円(11/15) | 不要 | ― | 診断義務付け7路線の沿道に限定 |
| 大和市 | なし | ― | ― | ― | ― |
| 座間市 | なし | ― | ― | ― | ― |
海老名市の「木造住宅解体工事補助金」は、当社が19市を調べた中で最も条件が柔軟な制度のひとつです。空き家でも居住中でも使え、建替えも不要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 木造住宅解体工事補助金(海老名市木造住宅耐震化促進関係補助金交付要綱 第6条第1項第3号) |
| 金額 | 工事費の1/2、最大50万円(基本額30万円+加算額) |
| 加算条件 | 非課税世帯:+10万円/空き家:+10万円(居住その他の使用が概ね半年以上なされていない住宅)。両方該当で+20万円 |
| 対象建物 | 市内の一戸建て住宅・長屋・併用住宅/昭和56年5月31日以前の建築基準/在来工法・2階建て以下 |
| 耐震要件 | 簡易耐震診断または耐震診断で「倒壊の危険性がある」と判断された住宅。簡易耐震診断は自ら実施も可(評点条件の適用外) |
| 申請者 | 所有者個人またはその親族。市税等の滞納がないこと。法人所有は対象外 |
| 申請 | 工事着手前に申請が必要。審査は約3週間 |
| 担当課 | まちづくり部 住宅まちづくり課 住宅政策係 046-235-9606 |
| 令和8年度 | 申込期間 4月15日(水)〜12月28日(月)(土日祝除く)。2月末日までに事業実施・実績報告 |
注意点として、家具撤去・樹木伐採伐根・庭石撤去・物置撤去等は補助対象外です。あくまで住宅本体の解体費が対象になります。また耐震改修系の補助は「平成12年5月31日以前」と基準年が異なるため、混同しないよう注意してください。
海老名市のブロック塀等撤去費補助金は、業者見積額と標準工事額(10,500円/㎡×撤去面積)のいずれか低い額で、通学路等に面する場合は上限30万円、それ以外は上限20万円。工場・駐車場・空き地等も対象になります。解体工事補助金との併用可否は公式サイトで確認できなかったため、住宅まちづくり課への確認が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 木造住宅除却事業補助金 |
| 金額 | 次の3つのうち最も低い額:①延べ面積(㎡)×20,000円の1/2 ②除却工事見積額の1/2 ③上限36万円 耐震改修促進計画に記載された耐震診断義務・努力路線に接する場合は上限45万円 |
| 対象建物 | 市内・自己所有・一戸建てまたは兼用住宅(延べ面積の1/2以上が住宅)/昭和56年5月31日以前に建築または着手/在来軸組構法または枠組壁構法/地階を除く階数2以下(門・塀は対象外) |
| 耐震要件 | 市の補助金を受けて実施した耐震診断による上部構造評点が1.0未満。市の補助を受けて耐震補強・シェルター等を設置していないこと |
| 空き家・建替え | どちらも要件なし |
| 申請 | 除却工事に着手する日の14日前までに建築指導課へ提出 |
| 担当課 | 都市部 建築指導課 建築安全担当 0467-81-7185 |
茅ヶ崎市のページは更新日が令和7年6月4日で、申請受付年度・期間の記載がありません。検索エンジンの索引には「(令和6年度の申請受付は終了しました)」という旧タイトルが残っていますが、現在のページ本文にはその表記がないため、令和8年度に受付があるかどうかは断定できません。建築指導課(0467-81-7185)への確認をおすすめします。
また市の案内に「国の実施している他の制度(リフォーム、建て替え支援制度等)との併用ができない場合がありますので事前にご相談ください」との記載があります。
茅ヶ崎市は民間建築物アスベスト含有調査事業補助金(1棟25万円まで/1カ所15万円まで、調査のみ・除去工事は対象外)も持っており、7市の中で唯一アスベスト関連の現行制度があります。対象は昭和31年1月1日〜平成18年8月31日に建築確認済証が交付され、延べ面積1,000㎡以上(または300㎡以上1,000㎡未満で特定用途)の建物です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 建替え除却工事の補助金(木造住宅耐震化促進事業の1メニュー) |
| 金額 | 補助率1/3。一般世帯 上限36万円/非課税世帯 上限50万円 |
| 最重要要件 | 「耐震診断の評点が1.0未満の木造住宅を、当該敷地内で一戸建ての住宅又は兼用住宅に新築又は改築するためにすべて除却する工事」=建替えが前提 |
| 対象外 | 貸家等は補助対象外(「建替え除却工事に、区分2はありません」と明記)/申請年度と同年度に耐震診断を行っているものは対象外 |
| 申請 | 「補助金の交付決定通知の受け取り後、工事の契約をしてください」=契約前に交付決定が必要 |
| 担当課 | 建築指導課 建築指導担当 0463-21-9731 |
| 令和8年度 | 受付中。申請受付期限は令和8年11月末を予定。「予算がなくなり次第、申請受付を締め切ります」 |
平塚市の制度は同じ敷地内に住宅を新築・改築することが条件です。相続した空き家を解体して更地で売る、駐車場にする、といった使い方はできません。また貸家等が明確に対象外とされている点も、他市にはあまり見られない条件です。
平塚市のブロック塀等倒壊予防策補助金制度は、一般世帯50%・上限15万円/非課税世帯は100%・上限30万円と手厚い設計です。ただし「一戸建て住宅又は兼用住宅の除却、新築又は改築に併せて行うブロック塀等の除却」は補助対象外と明記されており、7市の中で唯一、住宅解体とセットの塀撤去を明確に排除しています。市職員による危険度「大」の判定も必要です。
本記事の以前の版では藤沢市について「解体費補助自体が存在しない」と記載していましたが、これは不正確でした。
正確には、一般の木造戸建て向けの除却補助は存在しない一方で、「藤沢市耐震診断義務対象沿道建築物耐震改修等補助金交付制度」には除却メニューが実在します。この制度は専用の解説ページがなく、耐震改修促進計画のPDF内にのみ記載されているため見落としていました。訂正してお詫びします。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 一般の木造戸建て | 除却補助なし。市の「補助対象事業一覧」に掲載されているのは耐震診断・耐震改修工事・耐震シェルター等の7事業のみで、除却・解体は含まれない |
| 耐震診断義務対象沿道建築物 | 除却補助あり。除却費用の11/15、上限1,100万円(かつ構造・延べ面積に応じた事業費限度額の11/15のいずれか少ない額)。木造9,000円/㎡・非木造25,000円/㎡ |
| 対象路線 | 県指定2路線:国道1号・新湘南バイパス 市指定5路線:国道467号、県道22号、県道42号、県道43号、都市計画道路藤沢厚木線 |
| 要件 | ①耐震診断結果を市に報告済み ②診断結果で倒壊・崩壊の危険が高いと判定 |
| 担当課 | 計画建築部 住まい暮らし政策課 0466-50-3541 |
上限1,100万円は県内で群を抜いて高額ですが、対象は上記7路線の沿道にある耐震診断義務対象建築物(一定規模以上の建物)に限られます。一般的な木造住宅は該当しません。ご自宅が該当するかは住まい暮らし政策課にご確認ください。
なお藤沢市の空家関連ページには解体補助の記載がなく、無料の費用シミュレーターの案内にとどまります。「藤沢市空家利活用事業補助金」は改修設計費・改修工事費が対象で、解体・除却は対象外です(令和7年度受付は終了)。
藤沢市の危険ブロック塀等安全対策工事費補助制度は補助対象工事費の1/2・上限30万円(津波避難路沿いは3/4・上限45万円)。令和8年度は2026年4月13日〜12月28日、先着順。対象外は「販売や収益を目的として整地や解体等をする際にブロック塀等の撤去を行う場合」で、自己所有住宅の解体に伴う撤去を排除する文言ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 木造住宅耐震化補助事業の中の除却費補助(令和5年度に拡充されたメニュー) |
| 金額 | 除却に要する費用(税抜)の2/3、1件あたり30万円 |
| 対象建物 | 令和8年度より「平成12年5月31日以前」に建築確認を受けた木造住宅まで拡充/2階建て以下 |
| 耐震要件 | 市の補助を受けた耐震診断(一般診断)で総合評点1.0未満。流れは「耐震診断費補助申請→除却費補助申請」 |
| 居住要件 | 個人が所有かつ居住、または所有者の2親等内の親族が居住する専用住宅・2世帯住宅・兼用住宅 |
| 申請 | 「市から補助金の交付決定が届いてから除却を行ってください」 |
| 担当課 | 都市部 都市計画課 計画調整・開発指導担当 0467-70-5625 |



綾瀬市で注目すべきは補助率2/3と、令和8年度からの対象拡大です。多くの市が「昭和56年5月31日以前(旧耐震)」を条件にしているなか、綾瀬市は平成12年5月31日以前まで対象を広げました。1981年〜2000年に建てられた、いわゆる「新耐震グレーゾーン」の住宅にも道が開けたことになります。
ただし居住実態が必要なため、空き家の解体には使えません。ここは要注意です。
綾瀬市の危険ブロック塀等耐震化補助金は撤去20万円・設置30万円が限度(合計50万円)で、補助率は通学路に面する場合10/10(全額)、それ以外1/2。市内施工業者による施工が必須です。対象外は「販売を目的として整地や解体工事をする際にブロック塀等の撤去を行う工事」と「他の助成制度を受けて行う工事」で、自宅解体に伴う撤去を一律に排除する規定ではありません。
この2市については、徹底的に確認した結果、建物の解体・除却費への補助制度が存在しないことを確認しました。「見落とし」ではありません。
| 市 | 確認した範囲 |
|---|---|
| 大和市 | 「補助金等一覧」の建築関連は耐震診断費・耐震改修工事費等・ブロック塀等撤去費及び改善費の3件のみ/耐震改修工事費等補助金のページに「除却」「解体」「建替え」の語が一度も出現しない/空き家対策ページ・空家等対策計画・耐震改修促進計画にも記載なし/約100件の様式要綱一覧まで確認 |
| 座間市 | 耐震補助は耐震診断・改修計画書作成・耐震改修工事+現場立ち会い費の3本のみ/座間市耐震改修促進計画(令和8年3月改定)PDFを全文検索して「除却」0件/耐震カテゴリ一覧9件に除却・建替え補助なし/空き家対策ページは相談窓口・空き家バンク・3,000万円控除の案内のみ |
大和市・座間市で解体を予定している方は、市の補助金を前提にしない資金計画が必要です。そのうえで次の2点を確認してください。
なお大和市の「大和市民間建築物アスベスト含有調査事業費補助金交付要綱」は令和3年3月31日限りで失効しています(要綱附則に明記)。座間市はアスベストについて神奈川県の制度(建築安全課 045-210-6257)へ誘導しています。
ここまで各市のブロック塀補助にも触れてきましたが、「住宅解体とセットの塀撤去に使えるか」は市によって規定ぶりが正反対です。一律に語ると誤情報になるため、確認結果を整理します。
| 市 | 住宅解体とセットの塀撤去 | 規定の内容 |
|---|---|---|
| 平塚市 | 明確に対象外 | 「一戸建て住宅又は兼用住宅の除却、新築又は改築に併せて行うブロック塀等の除却」は補助対象外 |
| 小田原市 | 明確に対象外 | 「家屋等の建て替え又は解体を伴う工事ではないもの」が条件(要綱で二重に規定) |
| 藤沢市・綾瀬市・伊勢原市・南足柄市 | 排除されていない | 対象外は「販売や収益を目的として」整地・解体する際の撤去に限定 |
| 茅ヶ崎市・大和市・海老名市・座間市・厚木市 | 除外規定が見当たらない | 該当する条項を確認できず(要事前確認) |
| 秦野市 | 確認できず | 当該ページに記載なし。関連PDFが取得できず |
「解体とセットだとブロック塀補助は使えない」という説明をよく見かけますが、それが当てはまるのは確認できた範囲では平塚市と小田原市だけです。他市では明確に排除されていないか、規定自体が見当たりません。ただし「他の補助金を受けている場合は対象外」という条項を持つ市もあるため、解体補助とブロック塀補助を両方使いたい場合は必ず事前に確認してください。
県内人口の過半を占めるエリアです。制度が最も充実している市と、まったく存在しない市が混在しています。
| 市 | 解体費補助 | 最大額 | 空き家要件 | 地区限定 |
|---|---|---|---|---|
| 横浜市 | 3系統あり | 50万/150万/300万円 | 不要 | 制度による |
| 川崎市 | 1系統あり | 100万円(2/3) | 不要 | あり(2地区のみ) |
| 相模原市 | 1系統あり | 50万円/非課税80万円 | 必須(1年以上) | なし |
| 横須賀市 | 2系統+1あり | 35万円/15万円 | 必須(Bは3年以上) | なし |
| 逗子市 | 条件付きであり | 70万円(流通促進の対象経費として) | 必須(1年以上) | なし |
| 鎌倉市 | なし | ― | ― | ― |
| 三浦市 | なし | ― | ― | ― |
横浜市は解体費に使える制度を3つ持っています。多くの解説記事は「住宅除却補助制度・上限50万円」しか紹介していませんが、条件が合えば150万円、さらに300万円の制度もあります。
| 制度 | 上限額 | 対象範囲 | 担当課 |
|---|---|---|---|
| A:住宅除却補助事業 | 旧耐震50万円/新耐震 一般20万円・非課税40万円 | 全市 | 建築局建築防災課 045-671-2943 |
| B:建築物不燃化推進事業補助 | 150万円(補助率3/4または2/3) | 不燃化推進地域等の指定地区のみ | 都市整備局防災まちづくり推進課 045-671-3595 |
| C:身近なまちの防災施設整備事業 | 解体費10/10・上限300万円(+広場整備費150万円) | 重点対策地域・対策地域のみ | 同上 045-671-3595 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額 | 旧耐震(昭和56年5月末以前着工):上限50万円 新耐震(昭和56年6月〜平成12年5月末):一般世帯20万円・非課税世帯40万円 面積限度=21,800円×延床面積(㎡)×1/3 |
| 非課税の定義 | 所有者及び世帯員全員の住民税が過去2年間非課税 |
| 対象建物 | 平成12年5月末日以前に新築工事着手。かつ①市の耐震診断で耐震性が低いと判定された2階建て以下の木造 ②市指定調査票で倒壊の危険性ありと判定 ③特定空家認定 のいずれか |
| 空き家・建替え | どちらも要件ではありません |
| 申請 | 「補助金交付決定通知書」受領後でなければ契約・工事着手不可 |
| 令和8年度 | 受付 令和8年4月1日〜12月28日。工事完了・完了報告は令和9年2月末まで(予算により早期締切あり) |
注目すべきは「平成12年5月末日以前」が基準である点です。旧耐震だけでなく、1981年6月〜2000年5月に建てられたいわゆる「新耐震グレーゾーン」の住宅も対象になります(金額は下がります)。「うちは新耐震だから対象外」と諦める必要はありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額 | ①見積額 ②延べ面積×20,000円/㎡ の低い方 × 補助率、上限150万円 |
| 補助率 | 重点対策地域(不燃化推進地域)内:3/4/それ以外の補助対象区域:2/3 |
| 対象建物 | 重点対策地域:昭和56年5月31日以前 または耐用年数経過(木造22年・鉄骨34年・RC47年) それ以外:昭和56年5月31日以前 または 昭和56年6月〜平成12年5月31日の木造 |
| その他要件 | 過去10年以内に市の補助金を受けていない/市内事業者への発注/市税滞納なし |
| 建替え | 前提条件ではありません(除却単独で申請可) |
| 申請 | 解体工事の契約前。審査約1か月、契約の30日前までに工事計画承認申請 |
| 併用 | 国の補助金が充当されている他の補助金との併用不可 |
重点対策地域内では「耐用年数経過(木造22年)」でも対象になります。これは築年数の条件としては非常に緩く、2004年以前に建てられた木造住宅であれば築年数要件は満たすことになります。
ご自宅が対象地区かどうかは、横浜市の地図情報システム「i-マッピー」または窓口で確認できます。対象地区として公表されているのは神奈川区(旭ケ丘・神大寺一丁目・栗田谷・白幡上町ほか)、西区(赤門町2丁目・霞ケ丘・西戸部町1〜3丁目ほか)、中区(上野町・柏葉・鷺山・本牧町ほか)、南区(庚台・三春台・唐沢・大岡一丁目ほか)、磯子区(岡村三・四丁目、滝頭二丁目、広地町)などです。
ただし「重点対策地域以外の補助対象区域」の具体的地区名は公表資料で確認できませんでした。該当しそうな地域にお住まいの方は、防災まちづくり推進課(045-671-3595)にご確認ください。
老朽建築物の解体費を全額(補助率10/10)、上限300万円まで補助する制度です。県内で最も手厚い金額ですが、条件が特殊です。



この制度は「解体費が無料になる」代わりに10年間その土地を地域の防災広場として提供するという仕組みです。すぐに売却したい方には向きませんが、「当面使う予定がなく、固定資産税だけ払い続けている土地」をお持ちの方には検討価値があります。解体費300万円が実質ゼロになり、地域貢献にもなります。ただし10年間は自由に処分できなくなる点をよく検討してください。
横浜市は不燃化推進事業の補助対象地区内(鶴見・神奈川・西・中・南・磯子・金沢の各一部)では、住宅除却補助事業ではなく不燃化側を利用するとされています。対象地区にお住まいの場合、上限50万円のAではなく上限150万円のBが使える可能性があるということです。
まず自宅が対象地区かを確認してから、どの制度を使うか決めてください。担当課も異なります(A:建築防災課/B・C:防災まちづくり推進課)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 住宅等不燃化推進事業(老朽建築物除却) |
| 補助額 | ①工事請負契約額 ②延べ面積×20,000円/㎡ の低い方に2/3を乗じた額、上限100万円 |
| 対象区域 | 不燃化重点対策地区に限る=川崎区 小田周辺地区/幸区 幸町周辺地区 |
| 対象建物 | ①旧耐震(昭和56年5月31日以前着工)または②2階建以下かつ延べ面積500㎡以内で耐用年数経過の木造・鉄骨造(木造22年・鉄骨34年)。延べ面積10㎡以下は除く |
| 申請者 | 個人のみ(法人は対象外) |
| 空き家・建替え | どちらも要件ではありません |
| 特記事項 | 道路に面してブロック造等の塀が現存する場合は同時除却が必須(他制度との併用可) |
| 申請 | 工事着手前に「補助対象確認申請書」の提出が必須 |
| 担当課 | まちづくり局 防災まちづくり推進課 044-200-2731 |
川崎市の解体補助はこの1制度のみで、対象は2地区に限定されます。市域の大半は対象外です。全市を対象とした空き家除却補助は確認できませんでした。市の「住まい助成制度等ご案内」でも、解体費に使える市の制度はこの不燃化推進事業のみと整理されています。
なお木造住宅耐震改修助成制度には除却・解体・建替えのメニューは存在しません(耐震改修計画4/5・上限20万円+補強工事4/5・上限110万円)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 危険な老朽空き家等除却費補助金 |
| 補助額 | 上限50万円(申請者及び世帯員全員が非課税の場合80万円) ①補助対象経費×1/2 ②床面積×標準除却費(令和8年度:木造36,000円/㎡)③上限額 の最も低い額 |
| 対象建物 | 平成12年5月31日以前に建築確認済証を取得した空家等(旧耐震限定ではない) |
| 空き家要件 | 1年以上居住していない空家等が必須 |
| 老朽度 | 住宅地区改良法施行規則の不良度測定基準(外観目視項目)の評点合計100点以上 |
| 申請 | 交付決定前に契約済みの工事は対象外。事前調査申込=10月末日/交付申請=11月末日/工事完了=1月末日 |
| 併用 | 国・地方公共団体等から他の補助金の交付を受けている除却工事は対象外=併用不可 |
| 担当課 | 住宅課(住宅政策班・空き家対策班)042-769-9817 |
相模原市は耐震評点ではなく「不良度評点」で判定する点が特徴です。耐震診断を受ける必要がなく、市による外観目視の調査で判定されます。その代わり1年以上空き家であることが必須で、居住中の住宅には使えません。
スケジュールが厳しい点に注意してください。事前調査の申込が10月末、交付申請が11月末、工事完了が1月末と、逆算すると夏頃には動き始める必要があります。
横須賀市は東部7市で最も制度が整備されている市です。解体費補助が2本立てで、さらに建替え型の制度もあります。ただし先着順の件数制限があります。
| 比較項目 | A:空き家解体費用補助金 | B:旧耐震空き家解体補助金 |
|---|---|---|
| 補助額 | 1/2・上限35万円(税抜) | 1/2・上限15万円 |
| 建築年要件 | 旧耐震要件なし | 昭和56年5月31日以前 |
| 判定方法 | 市職員の現地調査による老朽度判定 (隣地外壁面等までの距離が3m未満…80点以上/3〜6m未満…100点以上/6m以上…120点以上) | 過去3年以上使用実績なし(電気・ガス・水道のインフラ使用実績で確認) |
| 令和8年度 | 先着10件/〆切 令和9年1月25日 | 先着25件/〆切 令和9年1月25日 |
| 担当課 | 都市部まちなみ景観課 空き家管理支援担当 046-822-8087 | |
制度Cの「子育てファミリー等応援住宅バンク補助金」は、住宅バンク掲載の中古住宅を購入し解体後に新築する場合に解体工事費の1/2・上限15万円が出ます(物件購入費上限35万円と合わせ最大50万円)。中学3年生までの子がいる、または夫婦ともに50歳未満の世帯が対象です。
以前の版では逗子市について「解体単体の補助は確認できず」と記載していましたが、交付要綱を確認したところ「解体費用」が補助対象経費として明記されていました。訂正します。
ただし市自身が「※単なる解体や除却工事に係る費用の補助制度ではありません」と明記しているとおり、性格は「売却に向けた必要経費の補助」です。解体だけを目的に申請できる制度ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 逗子市空き家流通促進モデル事業補助金 |
| 補助額 | 70万円を限度(補助率の定めなし=要した額の全額。弁護士等相談費用のみ1回1万円・3回まで) |
| 対象経費 | 要綱第5条第1号に「解体費用」を明記。ほか②不動産登記費用 ③仲介手数料 ④測量費用 ⑤弁護士等の専門家相談費用 ⑥借家権利者の立退料 ⑦既存住宅状況調査料 ⑧市長が必要と認めるもの |
| 要件 | ①1年以上空き家であった居住用の建物 ②逗子市空き家アドバイザー派遣事業を利用したもの ③本補助金又は空き家バンク登録支援金を過去に受けたことがないもの |
| 審査 | 市が事業目的を審査して選出する |
| 申請 | 補助対象行為を行う前に事業計画書を提出(要綱第7条) |
| 令和8年度 | 募集期間 令和8年6月30日まで。「7月以降も予算の範囲内において受付を行います」 |
| 担当課 | 環境都市部まちづくり景観課 046-872-8124 |
補助率の定めがなく上限70万円まで全額補助という設計は県内でも異例です。売却を前提に空き家を整理する方にとっては、解体費・測量費・仲介手数料・登記費用をまとめてカバーできる可能性があります。ただし空き家アドバイザー派遣事業の利用が前提なので、まずそちらから始める必要があります。
この2市については、徹底的に確認した結果、解体・除却費への補助制度が存在しないことを確認しました。
| 市 | 確認内容 |
|---|---|
| 鎌倉市 | 耐震事業メニュー全10項目(除却関連は「危険なブロック塀等の除却」のみ)/住宅助成一覧全12制度(除却・解体・建替え・アスベストいずれも記載なし)/空き家対策ページ(相続登記・専門家相談・計画・実態調査のみ)/住宅トップページ の4系統をすべて確認 |
| 三浦市 | 市の空家等対策協議会の議事録で、事務局が公式に明言 |
三浦市が公式サイトに掲載している「令和5年度第1回 三浦市空家等対策協議会 議事録」(令和5年10月20日)に、次のやり取りが記録されています。
【委員】空き家って壊すのにお金かかりますよね。そういう費用って補助金は出ないんですか。
三浦市 令和5年度第1回空家等対策協議会 議事録
【事務局】三浦市の場合は解体に係る費用の補助というのはない状況です。
…市町村ごとにその補助を行っているところもございます。それぞれの財政状況がありまして、また、三浦市の場合は原則として空き家は所有者の方の個人の財産ということもありますので、その辺は他市町村の状況を調査しながら検討を進めている所ではありますが、実態として補助は行っていません。
三浦市は県内で三崎地区を中心に空き家率が高いエリア(その他の空き家率9.3%は県内2位)ですが、解体費の補助は行っていないことが市の公式文書で確認できます。「検討を進めている」との記載もあるため、将来的な新設の可能性は残されています。
なお三浦市の住宅リフォーム助成事業(20万円以上の工事に一律8万円)は、対象外工事に「解体、新築、改築工事」が明記されているため解体には使えません。令和8年度は第3期が10月1日〜10月26日の受付予定です。
この調査で判明した、誤解が広まりやすい重要な事実をお伝えします。
| 市 | アスベスト補助の内容 | 解体との関係 |
|---|---|---|
| 横浜市 | 含有調査無料、除去・封じ込め2/3・上限300万円 | 個人の住宅は対象外/「除却を予定している建築物」は対象外 |
| 川崎市 | 調査10/10(上限15万・25万)、除去等2/3・上限300万円 | 戸建住宅・マンション住戸専有部分は対象外/解体予定の建築物は対象外 |
| 横須賀市 | 調査のみ上限25万円 | 解体予定建築物は対象外 |
| 茅ヶ崎市 | 調査のみ(1棟25万円) | 除去工事は対象外 |
| 相模原市 | 個人住宅:調査10万円/除去30万円(1/2) | 解体に伴う除去が対象かは確認できず |
横浜市・川崎市・横須賀市はいずれも「解体(除却)を予定している建築物は対象外」と明記しています。アスベスト補助の目的は建物を使い続けるためにアスベストを安全化することであり、どうせ壊す建物には出さないという設計です。
さらに横浜市・川崎市は個人の戸建住宅そのものが対象外です。
解体工事でアスベストが見つかった場合の除去費用は、原則として自己負担になります。見積もり段階でアスベスト調査費と、発見時の除去費用の扱いを必ず確認してください。
ここまで見てきた19市を、上限額の高い順に並べます。金額だけでなく、最も誤解されやすい「空き家に使えるか」「建替えが必要か」も併記しました。
| 市 | 制度名 | 上限額 | 補助率 | 空き家 | 建替え | 地区限定 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 藤沢市 | 沿道建築物耐震改修等補助(除却) | 1,100万円 | 11/15 | ― | 不要 | 7路線沿道のみ |
| 横浜市C | 身近なまちの防災施設整備事業 | 300万円 | 10/10 | 不要 | 不要 | あり+土地10年無償提供 |
| 横浜市B | 建築物不燃化推進事業補助 | 150万円 | 3/4 or 2/3 | 不要 | 不要 | あり |
| 川崎市 | 住宅等不燃化推進事業 | 100万円 | 2/3 | 不要 | 不要 | 2地区のみ |
| 相模原市 | 危険な老朽空き家等除却費補助金 | 50万円 非課税80万円 | 1/2 | 必須 | 不要 | なし |
| 逗子市 | 空き家流通促進モデル事業 | 70万円 | 定めなし | 必須 | 不要 | なし |
| 横浜市A | 住宅除却補助事業 | 旧耐震50万円 新耐震20〜40万円 | ― | 不要 | 不要 | なし |
| 厚木市A | 老朽空き家解体工事補助金 | 50万円 | 1/2 | 必須(1年以上) | 不要 | なし |
| 厚木市B | 木造住宅除却工事補助金 | 50万円 | 1/2 | 不要 | 不要 | なし |
| 海老名市 | 木造住宅解体工事補助金 | 基本30万+加算 最大50万円 | 1/2 | 不要 (+10万円) | 不要 | なし |
| 平塚市 | 建替え除却工事の補助金 | 36万円 非課税50万円 | 1/3 | 不可 | 必須 | なし |
| 伊勢原市 | 木造住宅耐震改修工事等補助(除却) | 25万円 沿道50万円 | 1/2・2/3 | 不可 | 判別不能 | なし |
| 小田原市 | 木造住宅除却工事補助金 | 45万円 | 1/2 | 3択の1つ | 不要 | 実質あり |
| 茅ヶ崎市 | 木造住宅除却事業補助金 | 36万円 路線接道45万円 | 1/2 | 不要 | 不要 | なし |
| 横須賀市A | 空き家解体費用補助金 | 35万円 | 1/2 | 必須 | 不要 | なし |
| 綾瀬市 | 木造住宅耐震化補助事業(除却) | 30万円 | 2/3 | 不可 | 不要 | なし |
| 南足柄市 | 木造住宅除却工事補助 | 20万円 | 1/2 | 不可 | 必須 | なし |
| 横須賀市B | 旧耐震空き家解体補助金 | 15万円 | 1/2 | 必須(3年以上) | 不要 | なし |
| 鎌倉市 | 解体費への補助制度なし | |||||
| 三浦市 | 解体費への補助制度なし(市の議事録で明言) | |||||
| 大和市 | 解体費への補助制度なし | |||||
| 座間市 | 解体費への補助制度なし | |||||
| 秦野市 | 解体費への補助制度なし | |||||
19市のうち、一般の戸建て住宅の解体に使える補助制度があるのは13市です。次の6市は使えません。
| あなたの状況 | 使える可能性が高い市の制度 |
|---|---|
| 相続した空き家を解体して更地で売りたい | 相模原市(50万/非課税80万)・厚木市A(50万)・海老名市(最大50万)・横須賀市A(35万)・逗子市(70万・売却前提)・横浜市A(50万)・茅ヶ崎市(36万) |
| 住んでいる家を解体して建て替えたい | 平塚市(36万/非課税50万)・南足柄市(20万)・横須賀市C(15万)/建替え不問の制度も併せて検討可 |
| 住んでいる家を解体するが建替えはしない | 伊勢原市(25万/沿道50万)・綾瀬市(30万)・厚木市B(50万)・海老名市(30万) |
| 非課税世帯である | 相模原市(80万円)・平塚市(50万円)・海老名市(+10万円)・横浜市A新耐震(40万円) |
| 密集市街地・防災重点地区に住んでいる | 横浜市B(150万円)・川崎市(100万円)・横浜市C(300万円・土地提供が条件) |
| 新耐震(1981年6月以降)の住宅 | 横浜市A(20〜40万)・相模原市・厚木市B・綾瀬市・南足柄市(いずれも平成12年5月31日以前が基準) |
解体補助の解説記事の多くが「昭和56年5月31日以前(旧耐震)が条件」と書いていますが、神奈川県では対象年次を「平成12年5月31日」まで広げている市が複数あります。
| 対象年次 | 市 |
|---|---|
| 平成12年(2000年)5月31日以前 | 横浜市A・相模原市・厚木市B・綾瀬市・南足柄市 |
| 昭和56年(1981年)5月31日以前 | 川崎市(※耐用年数経過でも可)・横須賀市B・平塚市・茅ヶ崎市・海老名市・小田原市・伊勢原市 |
| 建築年の要件なし | 横須賀市A(老朽度判定のみ) |
| 耐用年数経過でも可 | 横浜市B(重点対策地域は木造22年で可)・川崎市(木造22年・鉄骨34年) |



特に注目していただきたいのが横浜市Bの「重点対策地域内なら木造22年経過で対象」と横須賀市Aの「建築年要件なし」です。前者は2004年以前の木造なら築年数要件を満たし、後者は建物の老朽度だけで判定されます。「うちは築30年だし新耐震だから無理」と思っていた方でも、対象になる可能性があります。まず窓口に電話してみてください。
制度によって細部は異なりますが、大まかな流れは共通しています。最大のポイントは「交付決定より前に契約・着工してはいけない」という点です。
登記事項証明書または固定資産税の課税明細書で建築年月を確認します。あわせて「空き家か居住中か」「空き家なら何年空いているか」も整理してください。ほとんどの制度がこの2点で対象・対象外が決まります。
これが最も重要な工程です。制度の有無、今年度の残枠、必要な事前手続き(耐震診断・老朽度判定など)を確認します。市によっては事前相談が要件になっている(小田原市・厚木市B・伊勢原市・南足柄市・横須賀市など)ため、この段階を飛ばすと申請できません。
耐震系の制度では耐震診断で総合評点1.0未満であることが要件です。厚木市Bのように「市の耐震診断補助を受けたものに限る」という条件がついている市もあり、その場合は診断の申請から始める必要があります。
一方、相模原市(不良度評点100点以上)・横須賀市A(老朽度判定)・横浜市A(市指定調査票)は市の職員等による調査で判定されるため、耐震診断は不要です。
申請には見積書が必要です。ここで注意すべきは業者の資格要件です。伊勢原市は「建設業許可または解体工事業登録を受けた業者」、横浜市B・横須賀市・綾瀬市は「市内事業者への発注」を条件にしています。要件を満たさない業者に依頼すると補助対象外になります。
また補助対象外の経費(付帯工事・残置物処分など)が明確に分かるよう、項目別の見積書を作ってもらってください。
申請書に見積書・登記事項証明書・現況写真・納税証明書などを添えて提出します。審査には時間がかかります(小田原市・横浜市Bは約1か月、海老名市は約3週間、横須賀市は約3週間)。茅ヶ崎市のように「着手日の14日前まで」と明示している市もあります。
ここが最大の落とし穴です。平塚市は「補助金の交付決定通知の受け取り後、工事の契約をしてください」、横浜市Aは「補助金交付決定通知書を受領後でなければ契約・工事着手不可」と明記しています。交付決定前に契約書を交わすと、その時点で対象外が確定します。業者から契約を急かされても、決定通知が届くまで待ってください。
工事完了後、実績報告書に領収書・完了写真・取毀証明書などを添えて提出します。年度内の完了・報告が必須で、相模原市は工事完了が1月末、伊勢原市は実績報告が3月20日まで、海老名市は2月末までと定められています。
補助金の受領は報告後になるため、工事費はいったん全額自己負担で立て替えるのが原則です(一部の市には代理受領制度があります)。
公式に受付期間が明示されている制度を整理しました。2026年8月時点の情報です。
| 市・制度 | 令和8年度の受付期間 | 備考 |
|---|---|---|
| 相模原市 | 事前調査申込 10月末/交付申請 11月末/工事完了 1月末 | 最も逆算が必要 |
| 小田原市 | 5月上旬〜11月末(パンフレット表記) | 審査に約1か月 |
| 平塚市 | 受付中〜11月末を予定 | 予算がなくなり次第締切 |
| 厚木市B | 5月7日〜12月頃 | 予算の範囲内で先着順 |
| 横浜市A | 4月1日〜12月28日 | 完了報告は令和9年2月末 |
| 海老名市 | 4月15日〜12月28日 | 実績報告は2月末 |
| 南足柄市 | 受付中〜12月28日 | 件数上限あり |
| 横須賀市A・B | 〜令和9年1月25日 | 先着10件/25件 |
| 逗子市 | 募集は6月30日まで/7月以降も予算の範囲内で受付 | 市の審査で選出 |
| 茅ヶ崎市 | 公式サイトに記載なし | 要電話確認(0467-81-7185) |
| 川崎市・横浜市B | 受付期間が非公開 | 要問い合わせ |
相模原市は事前調査の申込が10月末と、他市より早く締まります。そこから交付申請(11月末)、工事完了(1月末)と続くため、8月時点で動き始めてちょうど良いスケジュールです。
また横須賀市は先着10件・25件という件数制限があるため、年度後半では枠が埋まっている可能性があります。まず電話で残枠を確認してください。
当社が実際にご相談を受けるなかで、繰り返し起きている失敗をまとめました。どれも事前に知っていれば防げるものです。
圧倒的に多い失敗がこれです。ほぼすべての制度が「交付決定前の契約・着工は対象外」と定めており、契約書に判を押した時点で権利が消えます。後から取り消して申請し直すことはできません。
相模原市は「交付決定前に契約済みの工事は対象外」、川崎市は「工事着手前に補助対象確認申請書の提出が必須」と明記しています。解体を思い立ったら、業者に連絡する前に市に電話してください。
制度の目的によって、空き家要件は正反対になります。
・空き家必須:相模原市(1年以上)・厚木市A(1年以上)・横須賀市A/B(Bは3年以上)・逗子市(1年以上)
・空き家不可(居住が要件):伊勢原市・南足柄市・綾瀬市・平塚市(貸家も不可)
「空き家=補助が出やすい」は誤りです。むしろ耐震系の制度では、居住していないと対象外になります。
平塚市は「当該敷地内で一戸建ての住宅又は兼用住宅に新築又は改築するためにすべて除却する工事」、南足柄市は「現に居住し、建替えを目的とした建築物」が要件です。
更地にして売却する計画では使えません。解体後の出口(売却か建替えか)を決めてから制度を選んでください。
横浜市・川崎市・横須賀市のアスベスト補助はいずれも「解体(除却)を予定している建築物は対象外」と明記しています。さらに横浜市・川崎市は個人の戸建住宅そのものが対象外です。
アスベスト補助の目的は「建物を使い続けるために安全化すること」であり、壊す建物には出ません。解体時にアスベストが見つかった場合の除去費用は、原則として自己負担です。
複数の制度がある市では、ほぼ確実に併用が禁止されています。
・厚木市:AとBは要綱で双方向に併用不可を明記
・横須賀市:「1軒の空き家に対して2種類の補助金は併用できません」
・相模原市:他の補助金の交付を受けている除却工事は対象外
・横浜市B:国の補助金が充当されている他の補助金との併用不可
金額の大きい方を選ぶのが基本ですが、要件を満たすかは別問題です。
横須賀市は先着10件・25件という明確な件数制限があります。厚木市Bも「予算の範囲内により先着順。上限に達した場合は早く締切」と明記。
多くの市が「予算がなくなり次第終了」としており、年度後半は枠が残っていない可能性があります。年度が変わったらすぐ動くのが有利です。
補助対象は建物本体の解体費のみというのが原則です。
・小田原市:「塀や樹木等の外構撤去費は対象外」
・横須賀市:別棟車庫・物置・離れ・浄化槽等地下埋設物・塀・植栽の撤去費、家財残置物処分費、解体後の盛土・舗装費、登記費用が対象外
・海老名市:家具撤去・樹木伐採伐根・庭石撤去・物置撤去等は対象外
総額150万円の工事でも、補助対象経費は110万円しかないということが起こります。
最も損失が大きい失敗です。相続空き家の3,000万円特別控除は「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」かつ「令和9年12月31日まで」という二重の期限があります。
市の補助金が数十万円であるのに対し、この控除は税額で数百万円の差を生む可能性があります。優先順位を間違えないでください。
「解体とセットだとブロック塀補助は使えない」という説明をよく見かけますが、これが当てはまるのは確認できた範囲で2市だけでした。
| 区分 | 市 | 内容 |
|---|---|---|
| 明確に対象外 | 平塚市・小田原市 | 平塚市「一戸建て住宅又は兼用住宅の除却、新築又は改築に併せて行うブロック塀等の除却」は対象外/小田原市「家屋等の建て替え又は解体を伴う工事ではないもの」が条件 |
| むしろ同時除却が必須 | 川崎市 | 不燃化除却では「道路に面してブロック造等の塀が現存する場合は同時除却が必須」(他制度との併用可) |
| 販売目的のみ除外 | 藤沢市・綾瀬市・伊勢原市・南足柄市・相模原市・鎌倉市 | 「販売や収益を目的として」の整地・解体に伴う撤去のみ対象外 |
| 除外規定が見当たらない | 茅ヶ崎市・大和市・海老名市・座間市・厚木市・横浜市 | 該当条項を確認できず(要事前確認) |
| 制度自体が終了 | 横須賀市 | 令和元年度で終了。現行制度として紹介している記事は誤り |
確認した範囲では、県が県民に直接交付する解体・除却工事費の補助制度は見当たりませんでした。県の役割は市町村への支援と相談体制の整備が中心です。
県が建築物所有者に直接交付する制度として確認できたのは「神奈川県民間建築物吹付けアスベスト等補助事業費補助金」のみで、これはアスベスト含有調査の費用(上限25万円、一検体のみなら16万円)に限られ、除去工事や解体工事は対象外です。しかも対象は21市町村に限定され、横浜・川崎・相模原・横須賀など主要市は対象外です。
できません。国の代表的な制度である「空き家対策総合支援事業」は、国土交通省の資料で「市区町村が実施する取組に対して支援」と明記され、セクション見出しも「市区町村向け」となっています。
補助率の構造を見ても、所有者が除却を実施するケースで国2/5・地方公共団体2/5・所有者1/5となっており、地方公共団体が独自の補助制度を作っていて初めて国費が使える仕組みです。窓口は常に市になります。
金額だけで言えば藤沢市の沿道建築物向け除却補助(上限1,100万円・補助率11/15)ですが、対象は耐震診断義務付け7路線の沿道建築物に限られ、一般の木造戸建ては対象外です。
一般住宅で狙える範囲では横浜市の「身近なまちの防災施設整備事業」(解体費10/10・上限300万円)が最高額ですが、解体後10年以上その土地を市に無償提供することが条件です。
条件の縛りが比較的緩いなかでは横浜市の建築物不燃化推進事業(上限150万円)と川崎市の住宅等不燃化推進事業(上限100万円)が上位ですが、いずれも対象地区が限定されています。
鎌倉市・三浦市・大和市・座間市・秦野市には解体費への補助制度がありません。ただし次の2点は確認する価値があります。
①相続した空き家であれば3,000万円特別控除|市の補助金(数十万円)よりはるかに金額インパクトが大きい可能性があります
②ブロック塀撤去補助|大和市は上限30万円、座間市は通学路15万円/それ以外10万円、鎌倉市は通学路なら9/10の補助率など、塀の撤去だけなら使える市があります
なお三浦市は市の協議会議事録で「実態として補助は行っていません」と明言しつつ「他市町村の状況を調査しながら検討を進めている」とも記録されているため、将来的な新設の可能性は残されています。
そんなことはありません。神奈川県では対象年次を「平成12年(2000年)5月31日以前」まで広げている市が複数あります(横浜市A・相模原市・厚木市B・綾瀬市・南足柄市)。
さらに横須賀市の空き家解体費用補助金は建築年の要件そのものがなく、市職員による老朽度判定のみで決まります。横浜市Bの重点対策地域内なら木造で築22年経過していれば築年数要件を満たします。
「うちは新耐震だから」と諦めず、まず窓口に確認してください。
制度の系統によって正反対になります。
空き家が必須の制度:相模原市(1年以上)・厚木市A(1年以上)・横須賀市A/B(Bは3年以上)・逗子市(1年以上)
空き家では使えない制度:伊勢原市・南足柄市・綾瀬市(いずれも居住が要件)・平塚市(貸家等も対象外)
空き家系の制度は「管理不全の空き家を減らす」ことが目的、耐震系の制度は「住んでいる人の命を守る」ことが目的のため、要件が逆になります。海老名市だけは例外的にどちらでも使え、空き家なら10万円加算されます。
原則として使えません。横浜市・川崎市・横須賀市のアスベスト補助はいずれも「解体(除却)を予定している建築物は対象外」と明記しています。さらに横浜市・川崎市は個人の戸建住宅そのものが対象外です。
アスベスト補助の目的は「建物を使い続けるために安全化すること」であり、取り壊す予定の建物には出さないという設計になっています。解体時にアスベストが見つかった場合の除去費用は自己負担と考えて、見積もり段階で発見時の費用の扱いを業者と取り決めておいてください。
制度上は別枠のため、それぞれの要件を満たせば併用できると考えられます。市の補助金は地方自治体の予算による給付、3,000万円特別控除は国税の課税所得を減らす制度で、根拠法令がまったく異なります。
ただしスケジュール上の制約が両方にある点に注意してください。補助金は着工前の交付決定が必須、控除は「相続開始から3年目の年末まで」の譲渡が必須です。両方を活用したい場合は、解体・売却の順序と時期を事前に整理しておく必要があります。具体的な適否は市の窓口と税理士にご確認ください。
原則としてもらえません。流れは「交付申請→交付決定→契約→着工→完了→実績報告→補助金受領」となるため、工事費はいったん全額を自己負担で立て替えることになります。
ただし一部の市には代理受領制度(補助金を市から施工業者へ直接支払う仕組み)があり、海老名市は解体工事補助金を代理受領の対象に含めています。綾瀬市も委任払制度を全事業で利用可能としています。資金繰りが厳しい場合は、代理受領が使えるか窓口に確認してください。
いいえ。業者の資格や所在地に条件をつけている市があります。
・伊勢原市:「建設業許可または解体工事業登録を受けた業者」であること
・横浜市B・横須賀市A/B・綾瀬市:市内事業者への発注が条件
要件を満たさない業者に依頼すると、工事自体は問題なくても補助対象外になります。業者を選ぶ前に、市の条件を確認してください。許可番号の照合方法は神奈川県の解体業者の選び方で解説しています。
ほとんどの市で対象外です。
・横須賀市:家財残置物処分費、別棟車庫・物置・離れ・浄化槽等地下埋設物・塀・植栽の撤去費、解体後の盛土・舗装費、登記費用がすべて対象外
・海老名市:家具撤去・樹木伐採伐根・庭石撤去・物置撤去等は対象外
・小田原市:塀や樹木等の外構撤去費は対象外
補助対象は建物本体の解体費のみと考えてください。総額から補助額を単純に引くと計算が合わなくなります。
2026年8月時点では、多くの市でまだ受付中です。横浜市A(12月28日まで)、海老名市(12月28日まで)、南足柄市(12月28日まで)、横須賀市(令和9年1月25日まで)、平塚市(11月末予定)、小田原市(11月末目安)、厚木市B(12月頃まで)などが該当します。
ただし相模原市は事前調査の申込が10月末と早く、横須賀市は先着10件・25件の件数制限があります。予算枠に達して早期終了する市もあるため、まず電話で残枠を確認してください。
市によって扱いが正反対です。
・明確に対象外:平塚市・小田原市(住宅の解体・建替えに伴う塀撤去は補助対象外と明記)
・むしろ同時除却が必須:川崎市(不燃化除却では道路に面する塀の同時除却が条件)
・販売目的のみ除外:藤沢市・綾瀬市・伊勢原市・南足柄市・相模原市・鎌倉市
・制度自体が終了:横須賀市(令和元年度で終了)
「解体とセットだと使えない」という一般論は成り立ちません。お住まいの市の規定を個別に確認してください。
制度によります。
耐震診断が必要:小田原市・厚木市B(市の耐震診断補助を受けたものに限る)・伊勢原市・南足柄市・綾瀬市・茅ヶ崎市(市の補助を受けた診断)
耐震診断が不要:相模原市(不良度評点で判定)・横須賀市A(老朽度判定)・横須賀市B(インフラ使用実績で判定)・厚木市A(老朽度測定基準)・横浜市A(市指定調査票でも可)
耐震診断が必要な制度は診断→申請→交付決定→契約という順序になり数か月かかるため、スケジュールに余裕が必要です。海老名市は簡易耐震診断を自ら実施することも可能で、比較的短期間で進められます。
できません。複数の制度を持つ市では、ほぼ確実に併用が禁止されています。
・厚木市:AとBは要綱で双方向に併用不可を明記。さらにBは耐震改修工事補助を受けた住宅も対象外
・横須賀市:「1軒の空き家に対して2種類の補助金は併用できません」(要綱第3条第2項)
・相模原市:国・地方公共団体等から他の補助金の交付を受けている除却工事は対象外
・横浜市B:国の補助金が充当されている他の補助金との併用不可
また横須賀市の老朽空き家解体補助は同一人が2回目の交付を受けることも不可です。
神奈川県19市の解体補助金を、各市の公式サイトと交付要綱にあたって整理してきました。最後に要点をまとめます。



19市を調べて改めて感じたのは、制度の有無や金額よりも「要件の向き」を読み違える方が圧倒的に多いということです。空き家が必須なのか、居住が必須なのか。建替えが前提なのか、更地でいいのか。ここを取り違えると、どれだけ手間をかけても最後に対象外と言われてしまいます。
逆に言えば、最初に市の窓口へ5分電話するだけで、その失敗はほぼ防げます。解体を考え始めたら、見積もりより先に電話してください。当社でも、補助金の対象になりそうか一緒に整理するところからご相談を受けています。
| 内容 | 出典 |
|---|---|
| 19市の補助金制度 | 各市公式サイトおよび交付要綱(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・平塚市・藤沢市・茅ヶ崎市・大和市・海老名市・座間市・綾瀬市・小田原市・秦野市・厚木市・伊勢原市・南足柄市) |
| 三浦市に制度がないことの確認 | 三浦市「令和5年度第1回 空家等対策協議会 議事録」 |
| 県のアスベスト調査補助 | 神奈川県「アスベスト含有調査に対する補助制度について」 |
| 県の除却補助実施市町村一覧 | 神奈川県「県内市町村における耐震診断・改修補助一覧」(令和8年4月現在) |
| 国の空き家対策総合支援事業 | 国土交通省「空き家対策総合支援事業」令和8年度概要資料/「国土交通省における空き家対策支援メニュー等」 |
| 相続空き家3,000万円特別控除 | 国税庁 タックスアンサー No.3306/No.3307/措置法通達35条関係/国土交通省「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例について」 |
| 固定資産税の住宅用地特例 | e-Gov法令検索「地方税法」(第349条の3の2、第350条、第359条、第702条の3、附則第18条・第18条の3)/横浜市・横須賀市・川崎市・神戸市・指宿市の公表資料 |
| 管理不全空家等・特定空家等 | e-Gov法令検索「空家等対策の推進に関する特別措置法」/国土交通省・総務省「空家法の施行状況」(令和7年3月31日時点) |
本記事は解体工事の専門業者が作成したものであり、税務・法律の個別具体的な判断を行うものではありません。補助金の適否は各市の窓口、税制の適用は税理士にご確認ください。















