監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。
RC造物件の解体を計画する際、「一体どれくらいの期間がかかるのだろう?」という疑問は、費用と並んで最も気になる点ではないでしょうか。解体期間は、建替えや土地売却など、その後のスケジュール全体に影響を及ぼす重要な要素です。この記事では、解体のプロである「信頼の解体レスキュー」が、RC造解体の期間目安を建物の規模別に解説し、工程ごとの詳細なスケジュールから工期が延びる要因、さらには期間短縮のテクニックまで、専門家の視点で徹底的にご紹介します。
RC造の解体期間は、単純な作業時間だけでは決まりません。建物の規模や構造はもちろん、事前の法的手続きや廃棄物の搬出効率といった複数の要素が絡み合って算出されます。まずは、解体期間を構成する基本的な考え方を理解することが、正確なスケジュールを把握する第一歩です。
RC造の解体期間を左右する最も基本的な要素は、建物の「規模・階数・立地」です。延床面積が広く、階数が高いほど、解体するコンクリート量や鉄筋量が増えるため、当然ながら期間は長くなります。特に、重機やトラックの搬入が難しい狭小地や、前面道路が狭いといった立地条件は、作業効率を著しく低下させ、工期が延長する大きな原因となるのです。
解体工事の全期間(工期)は、3つの要素の合計で考えることが重要です。
この3要素を理解することで、なぜ解体に想定以上の時間がかかるのかが見えてくるでしょう。
建物の種類別にRC造の解体にかかる工期の目安を、注意点と合わせてご紹介します。これらは一般的な条件下での目安であり、実際の工期は現場の状況によって変動します。
| 建物種別 | 規模の目安 | 主な工法 | 特に注意すべき点 | 解体工期の目安 |
| 戸建・低層アパート | 30~50坪 / 2~3階 | 地上解体 | 近隣への騒音・振動配慮、搬入路の確保 | 3週間~1.5ヶ月 |
|---|---|---|---|---|
| 中規模マンション・ビル | 100~300坪 / 4~8階 | 階上解体 | アスベスト含有リスク、多数の残置物 | 2ヶ月~4ヶ月 |
| 大規模ビル | 300坪以上 / 9階以上 | 階上解体、SRC造対応 | 複雑な行政手続き、鉄骨切断工程の追加 | 4ヶ月~半年以上 |
30〜50坪程度の一般的なRC造戸建てや、2〜3階建ての低層アパートの場合、解体期間の目安は【3週間~1.5ヶ月】程度です。戸建ては比較的規模が小さいため、重機の搬入路さえ確保できればスムーズに進むことが多いです。ただし、住宅密集地では騒音・振動対策に時間を要したり、手作業での解体が増えたりすることで、工期が若干延びる傾向にあります。
4〜8階建ての中規模RC造マンションやオフィスビルの場合、解体期間の目安は【2ヶ月~4ヶ月】ほどかかります。この規模になると、上階から解体を進める「階上解体」が主流となり、大型クレーンの設置や重機の楊重(吊り上げ・吊り下ろし)に時間が必要です。また、各階のコンクリート床(スラブ)を破砕・搬出する作業を繰り返すため、階数が多ければ多いほど期間は長くなります。
9階建て以上の大規模なRC造ビルや、地下階を持つような複合用途の建物の場合、解体期間は【4ヶ月~半年以上】に及ぶことも珍しくありません。高層になるほど、より大規模な足場や養生が必要となり、安全管理も複雑化します。さらに、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)が採用されているケースが多く、工期はさらに長期化します。
RC造の解体工事は、いくつかの工程に分かれて段階的に進められます。工事全体の流れを3つのステップで見ていきましょう。
【ステップ1】準備期間(約2週間~1ヶ月)
アスベストの有無を判断するための現地調査を行い、詳細な見積書と工程表を作成します。並行して、建設リサイクル法の届出や道路使用許可といった行政手続きを進めます。工事開始の1週間ほど前には、近隣住民の方々へのご挨拶に伺います。
【ステップ2】仮設・内装解体(約1週間~4週間)
粉じんや騒音の飛散を防ぐための養生シートや足場を設置する仮設工事を行います。その後、建物内部の壁紙や石膏ボード、サッシなどを手作業で分別しながら撤去し、建物をコンクリートと鉄筋だけの骨組み状態(スケルトン)にします。
【ステップ3】構造体解体と完了処理(約2週間~数ヶ月)
重機を使って本格的な構造体の解体を上階から順に進めます。建物がなくなった後、地中に埋まっている基礎コンクリートを掘り起こして撤去します。最後に、敷地を平らにならす「整地」作業を行い、工事は完了です。
RC造の解体では、物理的な工事期間だけでなく、法律に基づく様々な申請や届出が必要です。これらの手続きが、全体のスケジュールに大きく影響します。
2022年4月から、建物の解体前のアスベスト(石綿)調査が法律で義務化されました。分析機関での分析に【1週間~2週間】程度かかり、一定量以上のアスベストが検出された場合、労働基準監督署などへの届出が【作業開始の14日前まで】に必要です。調査から届出まで含めると、工事開始が1ヶ月以上ずれ込む可能性も考慮しなければなりません。
アスベストの事前調査は、今や解体業者の法律上の【義務】です。「うちは調査なしで安くできます」という業者は絶対に避けるべきです。法令を遵守しない工事は、後々発覚した場合、施主様にも責任が問われる可能性があります。弊社では有資格者による調査から届出まで、法令に則り適正に進めますのでご安心ください。
解体工事を行う際は、以下のような届出や許可申請が必要です。
解体工事が完了したら、【1ヶ月以内】に法務局へ「建物滅失登記」を申請する義務があります。この登記が完了しないと、土地の売却や次の建築確認申請に進めません。解体完了から新築着工までには、少なくとも1ヶ月以上の期間を見ておくことが重要です。
建物の構造によって解体期間は大きく異なります。RC造が他の構造に比べてなぜ時間がかかるのか、その理由を表で比較します。
| 比較項目 | RC造(鉄筋コンクリート造) | 鉄骨造(S造) | 木造 |
| 主な工程 | コンクリートの「破砕」と鉄筋の「分別」 | 鉄骨の「切断」と吊り下ろし | 構造体の「解体」 |
|---|---|---|---|
| 廃棄物の特徴 | 重く、量が膨大(コンクリートガラ) | 比較的軽量だが、かさばる | 軽量(木くず) |
| 期間が長くなる理由 | 頑丈な構造の破砕に時間がかかる。廃棄物の搬出回数が非常に多い。 | 太い鉄骨の切断に手間がかかる。 | 比較的容易。 |
鉄骨造(S造)は、鉄骨の柱と梁で骨組みが作られています。解体は、ガスや重機カッターで鉄骨を切断し、クレーンで吊り下ろすのが主な工程です。一方、RC造はコンクリートを重機で細かく破砕(圧砕)し、中の鉄筋を取り出して分別するという、非常に手間のかかる作業が必要となります。
RC造が木造より時間がかかる理由は、その頑丈さに加えて、発生する廃棄物の「重さ」と「量」にあります。RC造から出るコンクリートガラは木くずの何倍も重く、搬出するトラックの台数も膨大になります。また、破砕時の騒音・振動が大きいため、より厳重な養生や近隣への配慮が求められます。
RC造の解体には様々な工法があり、現場の状況に合わせて最適な工法を選ぶことが、工期と安全性を両立させる鍵となります。
| 工法名 | 特徴・スピード感 | 有利なケース(選び方) |
| 圧砕機(ブレーカー併用) | スピードは速いが、騒音・振動が大きい | 最も一般的な工法。工期を優先する場合。 |
|---|---|---|
| ワイヤーソー・ウォールソー | 低騒音・低振動だが、作業に時間がかかる | 病院隣接など、周辺環境への配慮が最優先の場合。 |
| 階上解体 | 中高層ビルで主流。安全性は高いが準備に時間がかかる | 4階建て以上の建物で、地上からの解体が困難な場合。 |
現在、RC造解体の主流となっているのが、油圧ショベルの先端にハサミのような「圧砕機」を取り付けてコンクリートを噛み砕く工法です。よりスピーディーに作業を進めたい場合は、ノミのような重機でコンクリートを打撃破砕する「ブレーカー」を併用します。
「ワイヤーソー工法」や「ウォールソー工法」は、ダイヤモンド粒子が埋め込まれたワイヤーやブレード(刃)を使って、コンクリートを精密に切断する工法です。騒音・振動・粉じんの発生を極限まで抑えられるのが最大のメリットです。
中高層ビルの解体では、重機を屋上に吊り上げて上から壊していく「階上解体」が一般的です。その他、ブロック状に切断した部材をクレーンで吊り下ろす「カット&ダウン工法」や、建物全体をジャッキで支えながら下から解体していく「ジャッキダウン工法」などがあります。
計画通りに工事を進めるためには、工期が遅延するリスクと、その対策を事前に理解しておくことが不可欠です。
■ アスベストの発見 ・工期への影響
除去作業のため、数週間~1ヶ月以上の工事中断が発生。 ・事前対策:契約前に、図面調査だけでなく現地での検体採取・分析まで行う。
■ 地中障害物の発見 ・工期への影響
追加の掘削・撤去作業のため、1週間~数週間の遅延。 ・事前対策:契約時に、発見された場合の対応・費用について書面で取り決めておく。
■ 近隣からのクレーム ・工期への影響
作業の一時中断、追加の防音対策などで数日~1週間の遅延。 ・事前対策:工事前の丁寧な挨拶と、具体的な工程説明を徹底する。
■ 悪天候・季節要因 ・工期への影響
台風や長雨、猛暑による作業中止で数日間の遅延。 ・事前対策:工程表にあらかじめ予備日を設け、余裕を持った計画を立てる。
当初の事前調査で見つからなかったアスベストが、解体作業中に新たに発見されるケースは少なくありません。この場合、作業を一時中断し、追加の除去計画を立てて再度届出を行う必要があります。
建物の基礎を撤去する段階で、予期せぬ地中障害物が発見されることがあります。過去の建物の基礎やコンクリートガラ、浄化槽などです。これらの撤去には追加の作業と時間が必要となります。
特に「地中障害物」は、解体工事における最大の不確定要素です。これを悪用し、発見後に追加費用を高く請求する業者も存在します。トラブルを避けるため、必ず契約前に「地中障害物が発見された場合の1㎥あたりの撤去・処分単価」を書面で取り決めておくことを強くお勧めします。
解体工事の効率は、廃棄物をいかにスムーズに搬出できるかに大きく左右されます。敷地に面した道路が狭く、大型のダンプトラックが進入できない場合、搬出作業に多大な時間がかかります。
解体工事では、最大限の配慮をしていても、騒音や振動に対する近隣からのクレームが寄せられることがあります。また、長雨や台風のシーズンは作業ができない日が増え、工期に影響を及ぼします。
解体工事を計画する上で、「季節」も無視できない要素です。時期によって工期や費用に影響が出るため、戦略的に計画を立てることが求められます。
一般的に解体業界の閑散期は、雨の多い6月~8月頃とされています。この時期は、業者のスケジュールに余裕があるため、価格交渉がしやすいというメリットがあります。しかし、長雨や台風によって作業が中断し、工期が延びやすいというデメリットも存在します。
逆に繁忙期は、公共工事や企業の予算消化が集中する12月~3月頃です。この時期は、腕の良い職人や高性能な重機の確保が難しくなり、費用も高騰しがちです。年度末に解体を完了させる必要がある場合は、できるだけ早い段階から業者選定と契約を進めることが重要です。
台風シーズン(9月~10月)は、強風による足場倒壊のリスクがあるため、作業を数日間完全にストップさせる必要があります。また、冬期の積雪地帯では、除雪作業や地面の凍結で基礎の撤去が困難になり、工期が延長します。
私たち「信頼の解体レスキュー」では、無駄を徹底的に省いた効率的な工程管理で工期短縮を実現しています。
アスベスト、埋設配管、地中障害物の調査を初期段階で一括実施し、着工後の不確定要素を最小化します。初動の調査に時間をかけることが、結果的に全体の工期を短縮する最短ルートです。
お客様による事前の残置物処分を推奨。さらに内装解体時の分別計画を徹底し、搬出作業を高速化します。
複数の作業を同時に進める緻密な人員・重機配置計画で、現場の稼働率を最大化します。
建築会社と連携し、解体完了から新築着工までの「空白期間」をなくすための調整を行います。
必ずしも「期間短縮=コスト削減」とはなりません。無理に工期を短縮しようと重機や人員を過剰に投入すれば、かえって費用は増加します。費用と期間のバランスが取れた、現実的で最適な工期を計画することが最も重要です。
工期を短縮するためには、より多くの重機や人員を一度に投入する必要があります。これにより、重機のレンタル費用や人件費は増加します。一方で、工期が長引けば、その分足場や養生のレンタル期間が延び、現場管理費も増加します。
解体工事で追加費用が発生しやすいのは、「アスベストの除去」「地中障害物の撤去」「近隣クレームによる対策工事」の3つの局面です。契約前の段階で、これらの事態が発生した場合の対応や費用負担について、書面で明確に合意しておくことが最も重要です。
立地条件によって解体スケジュールがどう変わるのか、3つの事例を表で比較します。
| ケース | 建物概要 | 立地条件の課題 | 工期が変動した主な要因 | 総工期の目安 |
| 都心狭小地の戸建て | 3階建て・30坪 | 前面道路2.5m、隣家との距離が近い | ・小型重機しか使えない ・手壊し作業の併用 | 約2ヶ月半 |
|---|---|---|---|---|
| 郊外のテナント住宅 | 2階建て・80坪 | 作業スペースは広い | ・飲食店の厨房機器など残置物が多い | 約2ヶ月~2ヶ月半 |
| 駅前の中層マンション | 5階建て・300坪 | 歩行者・交通量が多い | ・複数戸の残置物撤去 ・階上解体の工程 | 約5ヶ月 |
延床面積30坪、3階建てのRC住宅。前面道路が2.5mと非常に狭く、大型重機が進入できないケースです。小型の重機を使い、一部手壊しを併用しながら慎重に作業を進める必要があり、通常よりも時間がかかります。
延床面積80坪、2階建て。1階がテナント(飲食店)、2階が住居という併用住宅。厨房機器や什器など、テナント部分の残置物撤去に時間を要します。
延床面積300坪、5階建ての分譲マンション。複数の住戸で所有者が残置物を放置しているケースです。各住戸の残置物撤去と内装解体に多大な時間を要します。
解体工事の目的によって、完了後の理想的な状態やスケジュールは異なります。次のステップを見据えた計画が、全体の期間を最適化します。
土地の売却を急ぐ場合、解体完了後すぐに「建物滅失登記」を申請することが必須です。並行して、土地の境界を確定させるための「境界確定測量」を土地家屋調査士に依頼しておくと、売買契約までの流れがスムーズになります。
解体後の土地を駐車場にする場合、アスファルト舗装や砕石敷きなど、次の工事に適した「整地レベル」をあらかじめ解体業者に伝えておく必要があります。この指定を忘れると、再度整地し直す手間と時間が発生します。
建替えの場合、解体完了と建築着工の間の「空白期間」をいかに無くすかが鍵です。解体業者が基礎を完全に撤去し終えるタイミングと、建築会社が地盤調査や遣り方(建物の位置決め)に入るタイミングを事前にすり合わせます。
RC造解体の期間に関して、お客様から特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
重機作業に比べて人力での作業効率は著しく低いため、手壊しの割合によりますが、工期は1.5倍~2倍以上に延びる可能性があります。
まずは原因を究明し、防音シートの追加などの改善策を講じます。近隣の方にご納得いただき、行政の許可が下り次第、工事を再開します。この間の期間は数日から1週間以上かかることもあります。
解体業者に行政との協議状況を確認し、その間に残置物の整理や建替えの計画を進めるなど、他の準備に時間を充てるのが効率的です。
計画通りの期間で安全に工事を完了させる「工期遵守力」の高い業者を選びましょう。
信頼できる業者は、建設業許可や損害賠償保険に必ず加入しています。また、提出される工程表が「〇月〇日~△月△日 解体工事」といった漠然としたものではなく、作業内容が日単位で具体的に記載されているかどうかも重要なチェックポイントです。
見積もり提出の際に、どのような重機を何台使い、何人の作業員で工事を進めるのか、また、廃棄物をどのようなトラックで1日に何回搬出する計画なのか、といった具体的な計画を確認しましょう。
工事前の挨拶回りの範囲や方法、工事中のクレームに対する対応フロー、そして緊急時の連絡体制が明確になっているかがポイントです。
良い業者が作る「工程表」は、具体的で現実的です。天候不良などに備えた「予備日」が適切に設定されているかどうかも、重要なチェックポイントです。予備日が全くないタイトな工程表は、一見優秀に見えますが、少しの遅れも吸収できず、結果的に工期が大幅に遅延するリスクをはらんでいます。
RC造の解体期間を正確に把握し、計画通りに進めるためには、事前の準備とリスク管理が全てと言っても過言ではありません。
RC造の解体計画を立てる上で、最初に必ずチェックすべきは「事前調査」「法的手続き」「搬出動線」の3つです。この3点を初期段階で押さえることで、工期計画の精度は格段に向上します。
最後に、スケジュール遅延を防ぐための最終チェックリストです。
これらの項目に一つでも不安があれば、ぜひ一度、私たち「信頼の解体レスキュー」にご相談ください。専門家の視点から、お客様の状況に合わせた最適な工程とリスク管理をご提案し、安心・安全な解体工事を実現します。