【深刻化する違法解体工事】外国人業者による法令無視の実態と、業界健全化への道

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基

株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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近年、埼玉県川口市を中心に、外国人が経営・従事する解体工事業者による違法行為が大きな社会問題となっています。過積載、不法投棄、アスベスト対策の不備、養生の欠如、ユニック車の違法走行――X(旧Twitter)やSNS上では連日のように違法現場の画像が拡散され、国会でも取り上げられる事態にまで発展しました。

本記事では、主要な違法行為について、実態・法的問題点・改善策を解説します。

目次

過積載 ― 規制を無視したコスト削減が死亡事故を招く

▼ Xで話題になっている投稿

川口市でクルド人問題の取材をしてきた宇山卓栄氏によると(要約)クルド人の解体業者はアスベストの処理規制、ゴミ(産廃)の規制、トラックの積載規制など様々な規制を守らず割安で仕事を請け負う事ができる…結果として規制を守る日本の業者は商売にならずクルド系業者が事業拡大… — 出口ナオト

@DEGCHIRON

首都高で大変迷惑な過積載クルドカー。 この外国人ドライバーを強制送還してほしい! 日本への再入国を永久禁止にしてくほしい! これだけクルド人による違法操業が問題になってるのに未だに日本で仕事している! 高市政権はこの違法な外国人を野放しにするつもりなのか?(@sakurai7715

問題の実態

海外メディアの報道でも、川口市において「解体業に従事する外国人が運転するトラックが、しばしば道路運送車両法で定められた最大積載量を超えている」と指摘されています。

解体現場で発生する大量の産業廃棄物を、できるだけ少ない往復回数で運搬してコストを削減するために、最大積載量を大幅に超過して走行するケースが横行しています。荷台のあおりを不正に改造したり、本来は軽量物専用の「土砂禁ダンプ」に土砂やがれきを積載するなど、根本的に禁止されている使い方も報告されています。

なぜ違法なのか

過積載は道路交通法で明確に禁止されています。最大積載量は車検証に記載されており、1kgでも超過すれば違反です。許容範囲は一切ありません。

過積載の車両はブレーキの制動距離が大幅に伸び、車両バランスも崩れるため重大事故のリスクが飛躍的に高まります。2022年には過積載のダンプが自転車の女性に追突して死亡事故、2024年にも規定の1.5倍のコンクリートを積んだダンプが対向車の運転手を死亡させる事故が発生しています。

荷台の不正改造は道路運送車両法の保安基準違反にも該当します。

主な罰則

  • ドライバーへの違反点数加点・反則金
  • 超過割合に応じて罰則が加重(10割以上超過で6か月以下の懲役または10万円以下の罰金)
  • 事業者・荷主にも指示・命令の処分
  • 不正改造車両は整備命令・使用停止処分

改善策

  • 自重計による出発前計量の徹底、トラックスケールの導入
  • 元請が下請の搬出車両を直接監視する体制の構築
  • 行政・警察による路上取り締まりの強化
  • 過積載車両の通報窓口の周知

不法投棄 ― 山中に産廃を捨て、正規業者を価格で駆逐

▼ Xで話題になっている投稿

川口の解体業者7割は中東系、1年で40社増170社 民家の廃材をその場に埋め4人逮捕…中東系は過去1年間で約40社増え約170社と急増している。 — 産経ニュース(@Sankei_news

悪質極まりない。不法投棄をしてコストを抑え、廃棄物処理を安く請け負う。→法を守る業者は価格で勝てない。→悪質業者が儲かり、真面目な業者は倒産の危機。悪質な業者には2度と仕事をさせてはいけない。 — 北村晴男(@kitamuraharuo

問題の実態

2025年、群馬県赤城山の山中にコンクリート破片などおよそ3トンを不法投棄したとして、トルコ国籍の解体業者の社長ら5人が逮捕されました。また、川口市の解体会社「ウルジャポン」は、市内の空き地に畳を大量に不法投棄していたことを発端に摘発され、就労資格のない外国人を雇用していた入管難民法違反(不法就労助長)でも立件されています。

弁護士の北村晴男氏がXで指摘しているとおり、不法投棄によって処分費用を浮かせることで異常な低価格を実現し、法令を遵守する正規の業者が価格競争で敗れるという深刻な「逆淘汰」が起きています。

東京都環境局によれば、不法投棄件数の約7割が建設廃棄物であり、解体工事に起因するものが大きな割合を占めています。

なぜ違法なのか

不法投棄は廃棄物処理法第16条で禁止されており、違反すると5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(法人は3億円以下)が科されます。未遂でも処罰対象です。

また、無許可での産業廃棄物の収集運搬・処分も同法違反。虚偽の経歴で解体業の許可を取得する行為は、許可制度そのものを形骸化させる重大な問題です。

改善策

  • マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行・管理を全工事で徹底
  • 処分先施設の許可証を事前確認し、委託契約を書面化
  • 発注者が処分記録の報告を受け、適正処理を確認
  • 不法投棄を発見したら110番通報(警視庁も呼びかけ)
  • 解体業の許可申請における経歴詐称への行政チェック強化

アスベスト対策の不備 ― 事前調査を省略し、周辺住民の健康を脅かす

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アスベスト(石綿)を含有する産業廃棄物を不法投棄した解体工事業者を検挙しました。不法投棄は、地球環境を害する行為です。不法投棄を発見したら110番!! — 警視庁生活安全部(@MPD_yokushi

大阪市中央区で二週間前に、ずさん解体被害があったようです。粉塵が凄すぎて、目や喉がやられ周辺を歩くこともままならず、窓を開けて換気もできず。アスベスト吸わされてるかもしれないのにさ。国交省なんとかしろ! — 引用元ツイート(@Keepkongllr への返信元

問題の実態

2022年4月以降、すべての建築物の解体・改修工事においてアスベスト事前調査が義務化されました。しかし、報告義務のある約219万件の対象工事のうち、都道府県に報告されたのは約62万件にとどまり、150万件以上が未報告のまま工事が進められている可能性が指摘されています。

ジャーナリストの取材報告によれば、外国人解体業者の中にはアスベストの事前調査を実施せず、飛散防止措置も講じないまま建材を破砕しているケースがあります。正規の手順でアスベスト除去を行えば数十万〜数百万円のコストがかかりますが、これを省略することで異常な安値での受注を可能にしているのです。

なぜ違法なのか

改正大気汚染防止法(2021年4月施行) により、以下が義務化されています。

  • 全解体・改修工事における事前調査の実施
  • 延床面積80㎡以上または請負金額100万円以上の工事は調査結果の都道府県報告が必須
  • 2023年10月以降は有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による調査が義務
  • 特定建築材料を含む工事は作業開始14日前までの届出が必要

違反すると罰則に加え、行政からの改善命令、企業名の公表が行われます。アスベストばく露は中皮腫や肺がんなど取り返しのつかない健康被害を引き起こし、損害賠償額は極めて高額になります。

改善策

  • 有資格者による事前調査を例外なく実施
  • 調査結果の報告・現場掲示を確実に実施
  • レベルに応じた除去工法の選定と飛散防止措置の厳守
  • 発注者が事前調査の報告書を確認してから着工を許可する体制
  • 不適切な工事を発見した場合は自治体の環境部局へ通報

養生不足 ― 防音・防塵シートなしの杜撰な工事で近隣に被害

▼ Xで話題になっている投稿

こんな解体工事やられたら近所は堪んない。 しかも、ミンチ解体・警備員なし・道路封鎖… コイツらいつも工事が終わる前に養生シート剥がすんだよ。なんなんだよ!? 自分たちがアスベスト吸うのは勝手だけど、近隣住民にまで危害加えるなよ! 近隣住民を不安にさせるような工事会社を使う住宅屋は、どこの会社だ? 東リースの川口営業所さん、レンタカーをこんな連中に貸すと過積載で会社のイメージも車も潰されますよ? (@momoiromegapho

【現場猫解体案件】下請:ここ迄解体で良いんすか…下請:日本語通じない人だ…からヨシ!! 擁壁が崩壊。建物は倒壊の恐れ。大田区は怒りの行政代執行で戒告&斜面埋戻工事を実施 — masiya(@masiya_x

問題の実態

養生シートや防音シートを設置しない、あるいは極めて不十分な状態での解体工事がSNS上で多数報告されています。大田区では、元請業者との日本語コミュニケーションが成立せず、下請業者が指示を正しく理解できないまま工事が進行した結果、擁壁が崩壊して建物が倒壊の恐れに至り、区が行政代執行を行うという深刻な事案が発生しました。

法令や業界基準を理解していない外国人作業員が、養生・散水・近隣挨拶といった日本の解体工事における基本的な手順を省略してしまうケースが問題になっています。

なぜ違法(問題)なのか

騒音規制法 では、特定建設作業は敷地境界で85デシベルを超えてはならないと定められています。建築物解体工事共通仕様書(国土交通省) では防音パネル・防音シート・養生シートの隙間のない設置が基準として示されています。

養生の設置自体は法律で直接義務づけられてはいませんが、粉塵・騒音が「受忍限度」を超えた場合は民法の不法行為として損害賠償責任を負います。実際に大阪高裁では粉塵被害で50万円の慰謝料が認められた判例があります。

改善策

  • 公道走行前のナンバー・車検証・免許の確認を元請が義務的に実施
  • ナンバーなし重機は回送車(トレーラー)で現場まで運搬するルールの徹底
  • 出発前のブーム格納確認の徹底(チェックリスト運用)
  • クレーン操作資格・重機操作資格・運転免許の保有状況を一覧管理し、無資格者の操作を防止
  • 多言語での安全教育・資格取得支援の推進
  • 違法走行を目撃した場合は110番通報を(ナンバーなし重機の公道走行は即座に通報可能)

重機・ユニック車の違法走行 ― ナンバーなし重機の公道走行や事故

▼ Xで話題になっている投稿

区道の階段をナンバープレート無し重機で破壊しながら走行中。川口ナンバーの2トン車で来ている。破壊した階段をどうするのかな? all外国人らしき解体業者の連絡先は東京都武蔵野市境1-4-12-102号 N.K株式会社 架電しとも不通。 — @ODrzQgNqaQ82368

「落ちる、落ちる!」ショベルカーが荷台からはみ出し 街灯に衝突…トラックも横転寸前 東京・国立市(2026年02月25日)(@seiryukai

問題の実態

Xへの投稿で大きな反響を呼んでいるのが、ナンバープレートのない重機(ミニユンボ等)が区道や公道を走行し、道路の階段や路面を破壊しているという事例です。2トン車とともに現場に来た外国人解体業者が、ナンバーなしの重機をそのまま公共内の階段を走行させていたとの通報がSNS上で拡散されました。連絡先に架電しても不通という状況も報告されており、施工管理体制が全く機能していないことがうかがえます。

元足立区議会議員の松丸まこと氏もXで同様の問題を取り上げており、外国人解体業者による重機の違法な公道走行が、特に東京都内・埼玉県南部で頻発していることに警鐘を鳴らしています。

さらに、解体現場で使用されるユニック車(クレーン付きトラック)については、ブームを格納せずに公道を走行する違法行為も後を絶ちません。近畿地方整備局では、ブームを格納し忘れた4tユニック車が高さ4.5mの架空線に引っかけ、電柱を1本倒壊させた事例が報告されています。

無資格でクレーンや重機を操作しているケースも深刻であり、重大事故に直結するリスクがあります。

なぜ違法なのか

ナンバープレートなし重機の公道走行

  • 道路運送車両法 により、公道を走行する車両にはナンバープレートの取得・表示が義務
  • ナンバーのない車両が公道を走行すること自体が同法違反であり、無登録運行に該当
  • 小型特殊自動車や大型特殊自動車であっても、公道走行にはナンバーと対応する運転免許が必要
  • 道路を破損させた場合は道路法第43条(道路に関する禁止行為)にも抵触し得る

ユニック車のブーム格納方向違反

  • 道路運送車両法第40条 により、車両の長さ・幅・高さが保安基準に適合しなければ運行不可
  • 後方格納で車検登録した車両を前方格納で走行すると車両寸法が超過し違反
  • 古河ユニック(メーカー)も公式に車検時格納方式以外での走行を禁止

無資格での操作

  • 吊り上げ荷重に応じた移動式クレーンの資格と玉掛けの資格が労働安全衛生法で義務
  • 重機の運転にも車両区分に応じた免許・資格が必要(小型車両系建設機械特別教育、車両系建設機械運転技能講習など)

改善策

  • 公道走行前のナンバー・車検証・免許の確認を元請が義務的に実施
  • ナンバーなし重機は回送車(トレーラー)で現場まで運搬するルールの徹底
  • 出発前のブーム格納確認の徹底(チェックリスト運用)
  • クレーン操作資格・重機操作資格・運転免許の保有状況を一覧管理し、無資格者の操作を防止
  • 多言語での安全教育・資格取得支援の推進
  • 違法走行を目撃した場合は110番通報を(ナンバーなし重機の公道走行は即座に通報可能)

なぜ外国人業者による違法行為が横行するのか ― 構造的な5つの要因

こうした違法行為が繰り返される背景には、以下のような構造的な問題があります。

  • 就労制度の矛盾
    仮放免者は法律上就労が禁止されているにもかかわらず、人手不足の解体業界では事実上の労働力として利用されてきました。この「グレーゾーン」が違法行為の温床になっています。
  • 法令知識の欠如
    日本の廃棄物処理法、大気汚染防止法、騒音規制法、道路交通法などの複雑な法体系を、十分な教育なしに外国人作業員が理解することは困難です。
  • 許可制度の形骸化
    県議会でも指摘されているように、年齢的にありえない職務経歴書での許可申請が行われるなど、解体工事業の登録・許可のチェック体制に穴があります。
  • 不当な価格競争
    法令を無視することで大幅なコスト削減が可能になり、適正に処理を行う業者が価格競争で敗退するという「逆淘汰」が発生しています。
  • 取り締まりの限界
    言語の壁、翻訳官の不足、行政の人員不足などにより、違法行為の取り締まりが追いついていません。

まとめ ― 発注者にできること、業界に求められること

違法な解体工事を根絶するためには、業者側の意識改革だけでなく、発注者・行政・業界団体が一体となった取り組みが不可欠です。

発注者が確認すべき6つのポイント

  1. 解体工事業の登録・許可を持っているか — 建設業許可(解体工事業)または解体工事業登録を確認
  2. 見積書に養生費・処分費が明記されているか — 「一式」表記のみの見積もりは要注意
  3. マニフェストの発行・管理体制があるか — マニフェストを出せないと言う業者は論外
  4. アスベスト事前調査を実施する体制があるか — 有資格者がいるか確認
  5. 損害賠償保険に加入しているか — 万が一のトラブルに備えた保険の有無
  6. 極端に安い見積もりではないか — 安すぎる見積もりの裏には違法行為がある可能性

株式会社インシュアラの取り組み

私たちインシュアラは、解体工事業界の健全化のために以下を推進します。

  • 違法行為の実態と罰則の情報発信 — 発注者が正しい業者選びをできるよう支援
  • 法令遵守を前提とした適正価格の啓発 — 安かろう悪かろうではなく、安全と品質に見合った適正価格の理解促進
  • マニフェスト管理の推進 — 産業廃棄物の追跡可能性を高め、不法投棄を抑止
  • 業界基準の向上 — 国籍を問わず、全ての事業者が法令を遵守する環境の実現

解体工事は、建物を壊すだけの仕事ではありません。安全を確保し、環境を守り、法令を遵守して初めて「適正な解体工事」と言えます。問題の本質は、国籍ではなく「法律を守るか守らないか」です。 違法行為を行う業者を業界から排除し、真面目に法令を遵守している業者が正当に評価される業界を実現することがインシュアラの使命です。

参考情報・関連法令

  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)
  • 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
  • 大気汚染防止法(改正:2021年4月施行)
  • 石綿障害予防規則(労働安全衛生法)
  • 騒音規制法 / 道路交通法 / 道路運送車両法
  • 建築物解体工事共通仕様書(国土交通省)
  • 河野太郎衆議院議員「川口市のクルド人」(公式サイト、2025年5月)
  • 産経新聞「川口の解体業者7割は中東系、1年で40社増170社」(2024年11月)
  • 埼玉新聞「川口の解体会社を摘発、不法就労助長の疑い」(2021年9月)
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