東京都の解体工事で使える補助金・助成金一覧|申請手順と注意点をプロが解説

監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基

株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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悩むお客様

東京で解体工事をするなら補助金が使えるって聞いたんだけど、どこに申請すればいいの? 種類が多すぎてよくわからない…

㈱インシュアラ代表取締役社長 金松裕基

東京都の解体関連の補助金は「都の制度」「不燃化特区の制度」「区市町村独自の制度」の3系統があります。物件の所在地によって使えるものが変わるので、順番に整理していきますね。

東京都の解体工事にかかる費用は決して安くありません。木造30坪でも100万〜200万円前後が相場です。でも、補助金をうまく活用すれば数十万円〜数百万円の負担軽減になるケースがあります。

問題は「どの補助金が使えるのかわかりにくい」こと。この記事では、解体実績1,000件超の株式会社インシュアラが、東京都で使える解体関連の補助金を3つの系統に分けて整理し、申請の手順やよくある失敗パターンまでお伝えします。

目次

東京都の解体補助金は3系統ある

まずは全体像を把握しておきましょう。東京都で解体工事に使える補助金は、大きく分けて次の3系統です。

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系統制度の概要補助額の目安
①東京都全域の制度空き家家財整理・解体促進事業解体費の1/2(上限10万円)
②不燃化特区の制度対象地域内の老朽建築物の除却助成数百万〜最大2,000万円超
③区市町村独自の制度老朽空家除却助成、ブロック塀撤去助成など数万〜上限80万円程度(区による)

②の不燃化特区は金額のインパクトが圧倒的ですが、対象エリアが限定されています。一方、③は区市町村ごとに制度の有無や内容がバラバラ。自分の物件がどの制度に該当するかを調べるのが最初のステップです。

①東京都「空き家家財整理・解体促進事業」

東京都が都全域で展開している補助制度です。「東京都空き家ワンストップ相談窓口」に相談したうえで空き家の解体または家財整理を行う場合、費用の一部が補助されます。

制度の概要
  • 対象者…東京都空き家ワンストップ相談窓口に相談し、都内の空き家の解体または家財整理を実施する所有者
  • 補助額(解体)…解体費用(税抜)の1/2、上限10万円
  • 補助額(家財整理)…家財整理費用(税抜)の1/2、上限5万円
  • 注意点…1軒につき解体・家財整理のどちらか一方のみ。ワンストップ相談窓口への事前相談が必須

上限10万円と金額は大きくありませんが、家財整理とセットで活用できる点がポイント。まずは「東京都空き家ワンストップ相談窓口」(☎ 0120-776-735)に電話してみてください。

②不燃化特区の除却助成

東京都の補助制度の中で最もインパクトが大きいのが、不燃化特区(正式名称は不燃化推進特定整備地区)の除却助成です。

不燃化特区とは

JR山手線の外周部を中心に、木造住宅が密集して地震火災のリスクが高いエリアを東京都と区が連携して指定した地区です。対象地域内にある老朽建築物の除却(解体)や建替えに対して、通常ではありえないレベルの手厚い助成が受けられます。

助成内容の例

  • 除却費の助成…老朽建築物の解体費用を全額または大部分助成(上限は区ごとに異なり、数百万〜最大2,000万円超)
  • 固定資産税の減免…除却後の土地に係る固定資産税・都市計画税を最長5年間減免
  • 建替え時の助成…建築設計費や建築工事監理費の助成制度も
  • 制度期間…令和12年度(2030年度)まで延長が決定済み

不燃化特区の対象区(主な地区)

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主な対象地区
品川区東中延・旗の台、二葉・西大井など
目黒区目黒本町・原町・洗足
大田区大森中、羽田など
世田谷区太子堂・三宿、北沢・大原、区役所周辺など
中野区弥生町・大和町
豊島区東池袋、雑司が谷・南池袋
北区十条・赤羽西
荒川区荒川・町屋
板橋区大谷口
足立区西新井、足立、千住大川町など
葛飾区四つ木、堀切
墨田区京島、鐘ヶ淵周辺
江東区北砂
文京区根津・千駄木周辺

上記は主要な地区の一部です。対象地域は細かい町丁目単位で指定されているため、自分の物件が該当するかどうかは東京都都市整備局のHPまたは各区の窓口で確認してください。

㈱インシュアラ代表取締役社長 金松裕基

不燃化特区の助成は本当に手厚いです。「自分は対象外だろう」と思い込んで調べない方が多いのですが、実は対象だったというケースも結構あります。物件の住所がわかれば確認は簡単なので、まずは調べてみることをおすすめします。

③区市町村独自の解体関連補助金(主要区の一覧)

不燃化特区の制度とは別に、区や市が独自に設けている補助金もあります。制度の種類は大きく分けて「老朽空家の除却助成」「ブロック塀等の撤去助成」「アスベスト調査・除去助成」の3パターンです。

以下に23区の主な制度を整理しました。

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主な制度補助額の目安
千代田区ブロック塀等改修工事助成撤去費の1/2(上限あり)
港区建築物アスベスト対策費助成調査費・除去費の一部
新宿区ブロック塀等撤去工事助成、耐震除却助成撤去費の一部 / 除却費の一部
文京区危険ブロック塀等除却助成撤去費の一部
台東区老朽建築物除却助成除却費の1/2(上限50万円)
墨田区老朽危険家屋除却費助成除却費の一部
品川区老朽建築物除却助成、ブロック塀助成除却費の一部
目黒区がけ・擁壁改修助成、土砂災害区域除却助成除却費100%(上限97.5万円)
大田区老朽建築物除却助成除却費の一部
世田谷区耐震改修等助成(除却含む)除却費の一部
渋谷区ブロック塀改善工事費助成撤去費の一部
中野区老朽建築物除却助成除却費の一部
杉並区危険ブロック塀等撤去助成撤去費の一部
豊島区老朽建築物除却助成除却費の一部
北区老朽空家等除却支援事業除却費の1/2(上限80万円)
荒川区古い空家の解体費助成除却費の一部
板橋区老朽建築物除却助成除却費の一部
足立区老朽家屋等解体工事助成除却費の一部
葛飾区老朽木造建築物除却助成除却費の一部
江戸川区ブロック塀等撤去工事助成撤去費の一部

上記は2026年4月時点の情報をもとに主な制度を抜粋したものです。制度名・条件・金額は年度ごとに変わる可能性があるため、必ず各区のHPまたは窓口で最新情報を確認してください。

多摩地域でも、八王子市の空家対策事業補助金をはじめ、各市が独自の制度を設けているケースがあります。「うちの市には何があるの?」と気になる方は、市役所の住宅課や建築課に問い合わせてみましょう。

補助金を使って解体するときの手続きフロー

補助金の申請手続きは制度によって多少異なりますが、基本的な流れは共通しています。

STEP
自分の物件で使える制度を調べる

物件の所在地(区市町村)と建物の状態から、使える補助金をリストアップします。不燃化特区の対象かどうかもこの段階でチェック。区のHPで見つけにくい場合は窓口に電話するのが確実です。

STEP
事前相談・事前調査の申し込み

多くの制度では、申請前に自治体の事前相談や事前調査が必要です。東京都の制度なら「ワンストップ相談窓口」、区の制度なら住宅課や建築課が窓口になります。

STEP
解体業者から見積もりを取る

自治体への事前相談と並行して、解体業者に現地調査と見積もりを依頼します。見積書は補助金の申請書類としても必要になるため、内訳が明瞭なものを用意してもらいましょう。

STEP
補助金の申請・承認を受ける

必要書類を揃えて自治体に申請し、承認決定通知を受け取ります。承認が下りるまで工事を始めてはいけません。ここが最も大事なポイントです。

STEP
業者と契約・解体工事の実施

承認を受けてから業者と正式に契約を結び、工事を進めます。工事完了後は完了届や写真などを自治体に提出して補助金の交付を受けます。

補助金申請でよくある失敗パターン3つ

補助金の申請で「もらえるはずだったのに、もらえなかった」というケースは実際に起きています。よくある失敗パターンを3つ紹介するので、同じ轍を踏まないようにしてください。

❶ 承認前に工事を始めてしまった

最も多い失敗がこれです。「先に業者と契約してしまった」「申請が通る前に工事を始めてしまった」場合、補助金は一切支給されません。自治体の承認決定通知が届くまでは、業者との契約も工事の着手もNGです。

❷ 予算枠の上限に達していた

補助金には年度ごとの予算枠があり、申請が集中すると年度の途中で受付終了になることがあります。特に4〜6月は申請が集中しやすいので、早めに動くことが大切です。

❸ 対象条件を自己判断で「該当しない」と決めつけた

HPに書いてある条件を見て「うちは対象外だな」と自分で判断してしまうケース。実は条件の解釈には幅があり、窓口に相談してみたら対象だったということも珍しくありません。迷ったら自己判断せず、まず電話で確認しましょう。

㈱インシュアラ代表取締役社長 金松裕基

補助金の申請に慣れている解体業者なら、「この物件ならこの制度が使えそうですよ」とアドバイスしてくれます。業者選びの段階で「補助金の申請サポートはしてもらえますか?」と聞いてみるのもひとつの手です。

東京都の解体工事の補助金に関するよくある質問

東京都の解体工事で一番金額が大きい補助金はどれですか?

不燃化特区の除却助成が最も大きく、区によっては数百万〜最大2,000万円超の助成が受けられます。ただし対象エリアが限定されているため、まずは自分の物件が該当するかを確認しましょう。

補助金の申請はいつまでにすればいいですか?

制度によりますが、工事契約前の申請が原則です。また予算枠が埋まると年度途中で受付が終了するケースもあるため、解体を検討し始めた段階で早めに自治体に問い合わせるのがおすすめです。

都の補助金と区の補助金は両方使えますか?

制度によって併用の可否が異なります。原則として同種の補助金の重複受給はできませんが、対象が異なる制度、たとえば解体費の補助とアスベスト調査費の補助は併用できる場合もあります。窓口で確認しましょう。

空き家ではなく住んでいる家でも補助金は使えますか?

使えるケースがあります。不燃化特区の除却助成は建替えを前提とした除却も対象です。また耐震性不足の住宅を除却する助成は空き家に限定されていません。制度ごとの要件を確認してください。

解体業者に補助金の申請を手伝ってもらえますか?

補助金の申請サポートに対応している業者もあります。申請に必要な書類(見積書・写真・図面など)の準備や、自治体との事前相談の段取りを代行してくれるケースもあるので、見積もり依頼時に確認してみてください。

まとめ

この記事のポイント
  • 東京都の解体関連補助金は「都の制度」「不燃化特区」「区市町村独自」の3系統がある
  • 不燃化特区なら数百万〜最大2,000万円超の助成。対象エリアかどうか必ず確認を
  • 23区の多くに老朽空家の除却助成やブロック塀撤去助成がある
  • 補助金申請は「工事契約前」が鉄則。承認前に着手すると受給できない
  • 予算枠には上限があるため、早めに動くのが得策
  • 「対象外」と自己判断せず、まずは窓口に相談することで使える制度が見つかることも多い

補助金は「知っているかどうか」で数十万〜数百万円の差がつく世界です。面倒に感じるかもしれませんが、解体費用の見積もりと並行して自治体への相談を進めるだけで、大きな節約につながる可能性があります。

株式会社インシュアラでは、解体工事のご相談はもちろん、補助金に関する情報提供やお手続きのサポートも行っています。「自分の物件で補助金が使えるか知りたい」という段階でもお気軽にご相談ください。

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