監修者

株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。

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株式会社インシュアラ 代表取締役
金松 裕基
株式会社インシュアラ(信頼の解体レスキュー)の代表取締役社長であり、同サイトの監修者を務める金松裕基氏。 建物解体、内装解体、店舗解体を主な事業とし、その豊富な経験と専門知識を活かして「信頼」のサービスを牽引しています。代表として、また業界の専門家として、安全かつ高品質な解体工事の実現に尽力し、顧客からの厚い信頼を得ています。
鉄筋コンクリート(RC造)の解体工事を計画する上で、「一体どれくらいの期間で完了するのか」は費用と並ぶ大きな関心事ではないでしょうか。解体期間は、その後の土地売却や建替え計画の全体像を左右する重要な要素です。この記事では、数々のRC解体を手掛けてきたプロの視点から、面積や階数別の具体的な工期目安、工事の流れ、そして工期を短縮するための実務的なテクニックまで、徹底的に解説します。正確なスケジュールを把握し、後悔のない解体計画を進めるために、ぜひ最後までご覧ください。
鉄筋コンクリート(RC造)の解体期間は、戸建てで約1ヶ月半、中高層ビルでは半年以上が目安ですが、これは建物の条件や事前の段取りで大きく変動します。頑丈な躯体を壊す手間と膨大な廃棄物の搬出に時間がかかるのが、木造や鉄骨造と比較した際のRC造特有のポイントです。
鉄筋コンクリート(RC造)の解体期間は、面積、階数、立地の3要素で標準的な範囲(レンジ)が決まります。一般的に、30~50坪の戸建てで1~1.5ヶ月、200坪を超える中層ビルでは3~6ヶ月が標準レンジです。この期間を最短化できる条件は、重機や大型トラックの搬入が容易な広い敷地と道路、アスベスト等の有害物質がないこと、そして事前の段取りが徹底されていることです。これらの好条件が揃えば、標準レンジよりも1~2週間程度の短縮が見込める場合もあります。
RC造の解体が木造や鉄骨造より長引く最大の理由は、その堅牢な構造にあります。木造が「壊す」、鉄骨造が「切断する」作業が中心なのに対し、RC造はコンクリートの塊を「砕く」という非常に手間と時間のかかる工程が必要です。また、発生するコンクリートガラの量は木造の数倍に及び、その分別と搬出にも多くの時間を要します。この「躯体の硬さ」と「廃棄物の重さ・多さ」こそが、RC造解体の期間を読み解く上での特有のポイントです。
建物の規模や用途によって、RC造の解体工期は大きく異なります。ここでは、代表的な3つのケースに分けて、現実的な工期の目安を解説します。
| 建物種別 | 規模の目安 | 工期の目安 | 期間を左右する鍵 |
| 戸建て | 30~50坪 / 2~3階 | 1ヶ月~1.5ヶ月 | 近隣への騒音・振動配慮、アスベスト調査の早期完了 |
|---|---|---|---|
| 低層集合住宅 | 60~150坪 / 2~4階 | 2ヶ月~3ヶ月 | 効率的な搬出動線の確保、隣接建物への安全対策 |
| 中高層ビル | 200坪超 / 5階以上 | 3ヶ月~半年以上 | 階上解体の工程管理、夜間作業規制への対応 |
30~50坪の戸建てRC造の場合、解体工期の目安は【1ヶ月~1.5ヶ月】です。この規模の工事を短期で終える鍵は、着工前の準備にあります。特に、アスベストの事前調査を早めに完了させ、近隣への挨拶と工事説明を丁寧に行い、円滑な協力関係を築くことが重要です。実作業では、重機による騒音・振動への配慮から作業時間が制限されることもあり、無理なスケジュールは禁物です。現実的な工程を組むことが、結果的に最短での完了に繋がります。
60~150坪の低層アパートやマンションの場合、工期の目安は【2ヶ月~3ヶ月】となります。この規模になると、隣接する建物への影響がよりシビアになり、防音・防振養生の質が工期を左右します。また、発生する廃棄物の量が大幅に増えるため、大型トラックの搬入経路(搬出動線)と、敷地内での仮置きスペースの確保が極めて重要です。搬出計画に無理があると、現場作業が滞り、工期がずるずると延びる原因となるため、事前の計画が鍵を握ります。
200坪を超える4階建て以上の中高層ビルの場合、工期は【3ヶ月~半年以上】に及びます。高層階から順に解体していく「段階解体(階上解体)」が基本となり、大型クレーンの設置や重機の楊重(吊り上げ)に時間を要します。都心部や商業地では、日中の車両通行を避けるための夜間作業規制が入ることが多く、作業効率が制限されます。アスベストの含有リスクも高まるため、除去期間も含めた長期的なスケジュール設計が必須となります。
解体期間は建物の構造によって大きく異なります。ここでは、各構造の違いがどのように工期の差となって現れるのかを解説します。
| 構造 | 躯体の特徴 | 主な解体方法 | 工期への影響 |
| RC造 | 鉄筋とコンクリート | 圧砕・破砕 | 非常に時間がかかる |
|---|---|---|---|
| SRC造 | RCに加え鉄骨も内蔵 | 圧砕+鉄骨切断 | 最も時間がかかる |
| S造 | 鉄骨の骨組み | 鉄骨の切断 | RCよりは早いが木造より遅い |
| 木造 | 木の柱と梁 | 噛み砕き・解体 | 最も早い |
RC造(鉄筋コンクリート造)とSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の工期が延びやすいのは、その圧倒的な躯体強度のためです。RC造はコンクリートを破砕するのに時間がかかり、SRC造はさらに内部の鉄骨を切断する工程が加わります。特に太い鉄骨の切断には、ガス溶断やワイヤーソーといった特殊な工法が必要となり、これがS造(鉄骨造)の解体よりも時間を要する大きな理由です。頑丈さが、そのまま解体の難易度と期間に直結するのです。
S造(鉄骨造)は鉄骨の骨組みを解体し、木造は木材を解体します。これらはRC造のコンクリート破砕に比べて、作業そのものがスピーディーです。また、RC造は騒音・振動が大きいため、隣家との距離が近い場合は重機が使えず、人力による「手壊し」の比率が高くなる傾向があります。この手壊し作業は重機作業の数倍の時間がかかるため、現場の状況によってS造や木造との工期差がさらに開く要因となります。
RC造の解体工事は、多くの工程を経て完了します。ここでは、標準的な工事の流れと、各工程にかかるおおよその所要期間の目安をご紹介します。
アスベストやインフラの埋設状況を調査し、詳細な工程表を作成。近隣へのご挨拶と工事説明の計画を立てます。
建物の周囲に足場を組み、養生シートや防音パネルを設置。工事用の電気や散水用の給水を確保します。
壁紙、石膏ボード、断熱材、サッシ、空調、衛生設備などを手作業で分別しながら撤去し、建物を骨組みだけの状態にします。
重機による躯体の解体。圧砕機(クラッシャー)や破砕機(ブレーカー)で、上階から順にコンクリートを砕いていきます。
地中のコンクリート基礎を掘り起こして撤去。支持杭がある場合は杭頭処理も行い、残土やガラをすべて搬出します。
地面を平らにならし、地中にコンクリート片などが残っていないかを確認。施主立会いのもと完了確認を行い、記録写真を撮影します。
計画通りに工事を進めるためには、工期が遅延する可能性のあるリスクを事前に把握し、対策を講じておくことが不可欠です。
| リスク要因 | 具体例 | 回避策・対応策 |
| 外部要因 | 台風、長雨、大雪、騒音規制 | 工程表に予備日を設定、規制に合わせた作業計画 |
|---|---|---|
| 発見物 | アスベスト、PCB、地中埋設物 | 精度の高い事前調査、発見時の対応を契約に明記 |
| 現場制約 | 狭小地、前面道路が狭い、交通量が多い | 小型重機の活用、夜間搬出の検討、交通誘導員の配置 |
| 近隣関係 | 事前説明の不足、クレーム対応の不備 | 丁寧な事前説明と合意形成、誠実なクレーム対応 |
解体工事における最大のリスクは「想定外の発見物」です。特に地中埋設物は、どんなに調査しても100%の予測は不可能です。だからこそ、優れた業者は「もし発見された場合にどう対処するか」というルールを契約前に施主様と明確に取り決めます。この事前の取り決めこそが、工期の遅延と費用の高騰を防ぐ最大の保険となります。
安全性を確保しつつ、無駄を省いて工期を短縮するためには、プロならではの実務的なテクニックが求められます。
工期短縮は「作業を急ぐ」ことではありません。「無駄な待ち時間をなくす」ことです。優れた計画は、重機や作業員が現場で何もせずに待つ「手待ち」の時間を極限までゼロに近づけます。情報共有、緻密な搬出計画、並行作業の最適化。これら全てが、安全性を損なわずに工期を短縮するための本質的なテクニックです。
解体工事は、法律で定められた様々な行政手続きを経て初めて着工できます。これらの手続きにかかる期間を見落としていると、計画全体が遅れてしまうため注意が必要です。
引用元
解体工事は、それ自体がゴールではありません。その後の建替えや土地活用をスムーズに進めるためのスケジュール設計が非常に重要です。
解体後に建替えを計画している場合、解体業者と建築会社の緊密な連携が全体の工期を短縮します。例えば、解体工事の最終段階で、建築会社が次の工程に必要な地盤調査や測量に入れるよう、工程を重ねる(オーバーラップさせる)調整を行います。これにより、解体完了から建築着工までの空白期間を最小限に抑え、全体のスケジュールを1~2週間短縮することが可能になります。
「どこまでの状態にして引き渡すか」を事前に明確にすることも重要です。「更地」といっても、単に平らにするだけなのか、砕石を敷き詰めるのかで作業内容と工期は変わります。また、既存の杭をどこまで処理するのか(杭頭処理範囲)を建築会社と協議し、その仕様を解体業者に正確に伝えなければなりません。この引渡し条件が曖昧だと、後からやり直し作業が発生し、無駄な時間と費用がかかってしまいます。
条件の異なる3つのRC解体事例から、実際の工期がどのように決まるのかを見ていきましょう。
| 事例 | 建物概要 | 現場条件 | 実際の工期 |
| A | RC戸建て 40坪 | 住宅密集地・前面道路5m | 約2ヶ月半 |
|---|---|---|---|
| B | 低層RCマンション 120坪 | 商業地・夜間搬出規制 | 約4ヶ月 |
| C | 8階建てRCオフィス 500坪 | 敷地が広い・アスベスト除去あり | 約6ヶ月 |
無理のない工程で、無駄な待機時間(手待ち)をなくすことが、コストと工期の最適なバランス点です。例えば、1日の作業時間を延長するよりも、搬出計画を最適化して車両の回転率を上げる方が、コストを抑えつつ工期を短縮できる場合があります。
地中から過去の建物の基礎や浄化槽といった埋設物が発見された場合、その規模によりますが、撤去と搬出のために【1週間~3週間】程度の工期延長が見込まれます。契約前に、発見された場合の対応と費用の取り決めをしておくことが重要です。
最も効果的なのは、着工前の「情報共有の徹底」です。工事の概要や期間、作業時間、車両の通行ルートなどを記載した書面を作成し、ご挨拶と共に近隣の方々へ配布します。また、現場の連絡先を明記し、何かあればすぐに連絡が取れる体制を整えておくことが安心に繋がります。
計画通りの期間で安全に工事を完了させるためには、工程管理能力の高い、信頼できる業者を選ぶことが不可欠です。
許認可・体制の確認
見積内訳の比較
工程管理能力の確認
業者選びの際、ぜひ「リスク台帳と週次レポートを提出できますか?」と質問してみてください。この質問に、よどみなく「はい、もちろんです」と答えられる業者は、計画的に工事を進める管理能力が高い証拠です。見積もりの金額だけでなく、このような「管理の質」を見極めることが、失敗しない業者選びの最も重要なポイントです。
RC造の解体期間は、建物の条件だけで決まるものではありません。着工前の「段取り」と、工事中の「管理能力」によって大きく左右されます。工期を最短化するためには、これらのポイントを理解し、信頼できるパートナーを選ぶことが最も重要です。
これらのチェックリストに一つでも不安があれば、ぜひ一度、私たち「信頼の解体レスキュー」にご相談ください。専門のスタッフが無料で現地調査にお伺いし、お客様の建物の状況とご要望に合わせた、無駄のない最短の工程プランをご提案します。豊富な実績とノウハウで、お客様のRC解体工事を全力でサポートいたします。