木造住宅の寿命は何年?

木造住宅の構造は文字通り木で造られてます。

まずは結論をお話してしまいましょう。

一概に木造家屋といっても木の材質などで異なるので家屋ごとに違うというのが答えです。

法定耐用年数は計算用

家を建てたり、不動産を購入したりした場合、建物に関しては、毎年減価償却する必要があります。理由は、課税の公平性を担保するためです。仮に、新築した住宅と築40年以上経過した住宅の固定資産税が同じであれば、税が公平だとはいえません。

法律で建物の耐用年数を定めて減価償却することにより、税の公平性が担保できるため、法定耐用年数が定められているのです。

要するに、法定耐用年数は減価償却などの計算用であり、住宅ローン審査でも用いられる計算用の数字ということになります。住宅の寿命とは、全く関係のない数字となるのです。

物理的耐用年数は工学的判断

物理的耐用年数は、建物の構造材が物理的原因や化学的要素により劣化を伴う耐用年数であり、工学的な判断をベースに決定される年数です。

しかし、建物を建てる業者や気候、木材の種類、メンテナンス状況によって、物理的原因や化学的要素も異なるため、あくまでも建物として役割を果たす目安でしかありません。

経済的耐用年数は市場価値が反映

経済的耐用年数とは、物理的な面や機能的な面に市場価値を含めた耐用年数です。簡単にいえば、市場で売買される価値がある期間となります。住宅の市場価値には、立地・間取り・見た目・メンテナンスなどによって変わるため、経済的耐用年数は需要があれば長くなり、需要がなければ短くなります。

木造住宅をはじめとする日本の中古住宅は、欧米と比べて需要が低いため、経済的耐用年数は短くなりやすい傾向となっています。

期待耐用年数は使用できる年数

期待耐用年数とは、通常の維持管理で使用可能な範囲を表した耐用年数です。期待耐用年数が使われる背景には、需要の低い中古住宅の需要喚起のためであり、使用できる目安が分かることで、消費者の購買意欲を高めることが狙いとなります。

また、期待耐用年数が導入されるまでは、リフォームなどによる価値向上が耐用年数に反映されていませんでした。期待耐用年数により、住宅の評価が正当に近いものになります。法定耐用年数は、法律で定まっていますので、すぐにわかります。しかし、他の耐用年数を知りたい場合には、当該物件を扱っている不動産業者か、信頼できる耐用年数サービスや不動産鑑定士に依頼するとよいでしょう。

木材の寿命やどのような木材があるかを知ることで、

木造住宅の寿命が長い理由が分かるためここで解説します。

古い木造建築で思い浮かぶのは、教科書にも載っている法隆寺の五重塔や薬師寺の東塔です。どちらも1300年以上の時を経ていますが、立派に現存しています。両方とも、世界遺産に登録されている建造物ですので、相当のメンテナンスはされていますが、木造建築で1300年以上の長寿は驚異的です。

長寿の秘訣は木の寿命です。木の寿命は、伐採されて建材となってからの耐用年数と樹齢の2つがあります。五重塔・東塔は、共に樹齢1000年を超える桧が使われています。桧は、伐採されてから150から200年かけて強度を増していく性質があるのです。その後1000年近くかけて伐採時の強度に戻っていくとされています。この事を鑑みると、五重塔や東塔の木材は、伐採当時の強度に近いといえるのです。これは、千葉大学教授 小原二郎の木材の老化より学術報告されています。

現代の木造住宅であっても、世界遺産ほどの長寿とはならないまでも、100年を超えているものも珍しくありません。

建物に適した木材の種類

木材の種類は多く、それぞれに特色がありますので、適材適所で使い分けることも大切になります。木造住宅では、大きく分けて構造材と内装材がありますので、代表的なものを紹介します。

構造材に適した木材

  • 桧:水分に強く腐食しにくい。香りも良い。抗菌性も有。
  • ヒバ:湿気や水分に強く、抗菌性も高い。
  • 杉:比較的安価でよく使われる。桧、ヒバに比べると柔らかい。

内装材に適した木材

  • 桧:香りと肌触り。
  • 杉:木目が美しい。天井材などに使用。香り。
  • ケヤキ:木目が美しい。床柱、床の間などに使用。
  • ウォールナット:世界三大名木の1つ。木目が美しく深みがある。
  • オーク(楢):木目がはっきりして淡い色合い。強度、耐久性に優れている。
  • チーク:ワックスのような艶を活かして使われる。耐摩耗性にすぐれている。